WSJのJoanna Stern氏は、2016 Corvette Stingrayオープンカーに乗り、AppleのCarPlay車載システムに実装された、Siriや他のAppleサービスを徹底的にテストした。 2015年8月18日
By Joanna Stern、WSJ
Appleのパーソナル・デジタル・アシスタント、Siriは、自分の能力を発揮できる、AppleのCarPlay車載システムという、新たな場所を見つけた。
WSJのJoanna Stern氏は、2016 Corvette Stingrayオープンカーに搭載された、AppleのCarPlay車載システムに実装されている、Siriや他のAppleサービスのをテストを実施した。
このオープンカーは、455馬力のV-8エンジンを持つ、Corvette Stingrayの新モデルである。
2016 Corvette Stingrayオープンカーの車載システムには、車の周囲を追跡し、監視するためのカメラや、フロント・ガラスに、現在の制限速度を表示する、プロジェクションがなどが装備されている。
この2016 Corvette Stingrayは、AppleのCarPlay車載システムを装備した、シボレーの最初の車のモデルの1つである。
CarPlay車載システムは、Appleにより、2年近く前に発表されたにも関わらず、AppleのCarPlay車載システムを装備した車のモデルを提供している自動車メーカは、依然として少ない。
シボレーは、2015年9月に、同社の車の14モデルで、AppleのCarPlay車載システムを採用する予定である。
Appleによると、Hyundai、Honda、および、Volkswagenといった、他の自動車メーカも、いくつかの車のモデルで、AppleのCarPlay車載システムを採用する予定だという。
ユーザは、iPhoneを車のUSBポートに接続し、中央コンソール・ディスプレイで、馴染みのある、iOSのユーザ・インタフェースで、CarPlay車載システムを操作できる。
さらに、ユーザは、車のハンドルの音声ボタンを押すことにより、Appleのパーソナル・デジタル・アシスタント、Siriを通して、CarPlay車載システムのカーナビ、オーディオ、メッセージなどの機能を、音声コマンドやジェスチャー・コマンドで操作することもできる。
AppleのCarPlay車載システムと同じような機能を持つ、GoogleのAndroid Auto車載システムは、何社かの自動車メーカの2015年と2016年の車のモデルに採用され始めた。
多くの自動車メーカが、同じ車のモデルで、Android AutoとCarPlayの両方の車載システムをサポートするようだ。
Siriは、Apple CarPlay車載システムにおいて、ユーザ経験を提供するための、コア技術になるだろう。
Appleは、パーソナル・デジタル・アシスタントのSiri技術を、車載システム、さまざまな情報アプライアンス、スマート・ホーム、ウェアブル・デバイスなど、我々の暮らしで日常的に使用するデバイスに組み込むことに取り組んでいる。
National Safety Councilによると、米国において、運転手が、運転中に、携帯電話を使用していたときに発生した衝突事故は、自動車事故の約15%にあたるという。
Apple CarPlayは、車の運転を、さらに快適にし、疑いもなく、将来の車載システムとしての地位を確保するだろう。
ただし、Siri技術を組み込んだ、Apple CarPlay車載システムのApple Mapsサービスは、Android Auto車載システムのGoogle MapsサービスとGoogle Nowに比べて、低速車線の走行を推奨するようだ。
1)カーナビ(Apple Maps)
Apple Mapsカーナビ・サービスは、数年前に提供が開始されたときは、まったくの大失敗であったが、現在は、機能が大幅に改善されている。
Siri技術は、音声コマンド、タッチ操作、タイプ入力、あるいは、ジェスチャーで、Apple CarPlay車載システムを操作できるようにする。
このApple CarPlay車載システムのカーナビ機能は、道を間違えたときに、再ルートしてくれる。
地図とスクリーン上にナビゲーションを促す機能を持つ、Apple CarPlay車載システムのApple Mapsカーナビ機能は、シボレーの独自のナビゲーション・システムよりも遥かに優れているが、Google Mapsカーナビ機能よりは、若干劣っている。
Appleは、Siri技術の適用分野を、車載システム、スマート・ホーム、ウェアブル・デバイスなどに広げ、新たなビジネスを展開することに取り組んでいる。
確かに、Siri技術を使用した、Apple CarPlay車載システムは、最も近い、ガソリン・スタンドを特定したり、StaebucksやTargetのような、最寄りのメジャーなレストランや小売店の場所を知っており、道案内をしてくれたりする。
筆者が、ニュージャージにある、気に入った喫茶店の名前を、Siriを通して、Apple CarPlay車載システムに告げると、「アイルランドのレメディックに見つけました」と、音声で答えてくれた。
Google Nowは、メール、カレンダ、および、Web検索で得られる情報を使用して、ユーザの好みや要件にあった情報を探し、ユーザが、行ってみたいと所を推測して、推奨してくれる。
Googleのデジタル・アシスタント、Google Nowも、Android Auto車載システムを、音声コマンド、タッチ操作、および、ジェスチャーで操作できるようにしている。
Android Auto車載システムは、中央コンソール・ディスプレイに、天気や備忘録のような、ユーザがよく見る情報や、見たくなるを予測して表示する。
2)オーディオ(Apple Music)
Appleは、Spotify、Rdio、および、iHeartRadioを含む、3rdパーティのオーディオ・アプリをサポートしている。
Appleは、iPhoneでサポートされていた、オーディオ・アプリ、Apple Musicを、CarPlay車載システムのアプリとして移植し、スマートフォンのオーディオ・データを収集し、CarPlay車載システムで利用できるようにした。
しかし、Appleは、CarPlay車載システムのオーディオ・アプリ、Apple Musicの特定の機能を、安全運転の理由で除外している。
実際、CarPlay車載システムのApple Musicでは、ユーザが、好みのプレイリストや音楽アルバムを示唆する機能さえ、除外されている。
Appleは、スクリーンを見ながら操作するような、プレイリストの機能や音楽アルバムの機能を、自動車の運転中に使うことは、あまり適切でないと考えているからである。
General Motorsは、シボレー・ブランドで販売される、コルベットに、Siri技術を使用した、Apple CarPlay車載システムを搭載し、スクリーンを見ながら操作するような機能も、音声コマンドやジェスチャーで操作できるようにし、安全に重点を置いた設計にしており、ユーザ経験を改善することに取り組んでいる。
ユーザは、Apple CarPlay車載システムのカーナビなどの機能を使用しながら、AM、FM。衛星ラジオを聞くことができる、
3)メッセージング
テキスト・メッセージ統合は、CarPlay車載システムが、自動車メーカ、あるいは、Googleからの競争に対し、遅れを感じている機能である。
CarPlay車載システムでは、iPhoneを、車載システムに差し込んで、テキストやiMessagesを、車にルートすることができる。
受信メッセージの、送り手の名前は、車のセンター・コンソールの画面に通知され、9.5秒間表示される。
Android Autoとは違い、CarPlay車載システムは、Skype、あるいは、Whatsappのような、3rdパーティのメッセージング・アプリをサポートしていないので、オーバーロードにならない。
Siri技術は、驚くほど優れており、Googleの音声アシストよりも、ユーザに対する反応がよい。
筆者が、車の屋根を取り外し、オープンカーにして運転していても、Siriは、口述メッセージを、驚くほど正確に認識し、書き取ってくれ、さらに、メッセージを送信する前に、はっきりとした声で、読んでくれたので、メッセージをビューすることができた。
Appleは、容易な方法で、運転中のメッセージング機能の使用を禁止できるようにし、メッセージング統合を、より安全にした。
運転手が、音声コマンドで、メッセージを処理し、操作できるようにすることは、スマートフォンを使用して、メッセージを処理することよりも、遥かに安全である。
それにも関わらず、CarPlay車載システムでは、スクリーンに、スピードメータを表示させることができた。
(続く)
WSJの記者Joanna Stern氏が実施した、Siri技術を組み込んだ、Apple CarPlay車載システムのテストの紹介ビデオ