来場者数10万人を越え、世界最大のこども創作イベントと評される「ワークショップコレクション11 in シブヤ」のプレイベントとして8月22日(土)に開催された「エポンテの森」を取材した。
「エポンテ」とは、シヤチハタが「あそびを通じて想像性・創造性を育む事」を目指して開発した3才から遊べる知育スタンプのこと。発達心理学の考えにのっとり、手があまり発達していない3才から5才の時期から使用でき、使う子どもによって工夫ができることを重視して開発したという。
写真はエポンテ(外観)
渋谷のすでにすべてのテナントが立ち退いた後の解体予定ビルの一室を子供たちのためのキャンバスにして、壁に自由にスタンプを押して「作品」を創造してもらおうという企画だ。
写真はエポンテ(開封)
幼児クラスと小学生クラスを1時間15分交代で2回行い、全4クラスで完成させる。
写真は会場となるビルの一室の部屋3面をパノラマ合成したもの
遊びとはいっても、自由とはいっても、そこは知育。
座って姿勢を正して礼から始まる。
写真は座って挨拶を始めるところ
約束事はただ一つ。「我慢をしないこと」だけだ。
エアコンが効いているとはいえ、この日の最高気温は33度。走り回ったり動き回ったりすると体温が上がって熱中症の危険もある。飲料水は会場に用意され、すぐに飲めるようになっている。
また、夢中になりすぎてトイレに行くのを忘れた、あるいは我慢して没頭することを禁止して、体調管理を最優先で子供たちに約束させることから始まる。
写真は約束事を神妙に聞く子供たち
壁には基本となる「幹」だけがあらかじめ描かれている。
様々なスタンプとスタンプ台だけが支給されるのだが、どうやったらイカが書けるのだろうと首をかしげる。
記者は「幹」と書いたが、何もそれが木の幹を指すとは限らない。子供たちの想像力で太陽の塔にもなる。
現代版太陽の塔だと思って見ていると、本当に太陽の絵があったりする。
カブトムシや、機関車は見事としか言いようがない。
脚立も用意され、子供たちは思い思いにスタンプを押しまくる。
この子は、指でシリコン製のスタンプにインクを付け、指紋を転写する「技術」を編み出した。
どう見てもブドウにしか見えないが、その想像力にはただただ驚かされるばかりだ。
スタッフの大人も子供たちとスタンプを押していたのだが、最初はサポートのつもりだったのだろうが、いつの間にか目がマジになってくのが手に取るように分かって面白かった。
記者はスタッフの大人たちと「どうやったらあんな想像力が出るのですかね?」と話し合った。
よくよく子供たちを観察していると、もちろん意図してスタンプを押して何かを描こうとする場面もあったが、そうではなく無造作に押していき、途中で何かに似ているのを感じて初めてそこから「創作」に入る様子を発見。
大人たちは子供たちの思考を発見して大喜びだった。
最後はまた集まって姿勢を正し、礼で終わる。
教育の基本なのかもしれない。
1時間15分前の緊張した顔とは打って変わりみんな笑顔なのが印象的だった。
「ワークショップコレクション11 in シブヤ」は8月29日(土)、30日(日)に渋谷の解体予定の2つのビルをメイン会場として渋谷の様々な会場で行われる。
ワークショップによっては参加実費が必要になるものもあるが、基本的には無料で100以上のワークショップが集まる。
一部を除き、事前予約はできず、参加は当日受付。
まだまだ暑いので当日の持ち物として、帽子と水筒が指定されているので、パパ、ママは忘れずに持たせたい。
会場閉鎖のギリギリの時間まで創作を続ける親子が大半だったことが印相的だった。
夏休み最後の休日を、子供のために使ってみてはいかがだろうか。
※写真はすべて記者撮影