ギャンブルをする=非人格者は偏見
『ギャンブル』という言葉を耳にすると眉をひそめる人は多いだろう。
大人の遊技場、娯楽、アミューズメント施設…表現の仕方は色々あるが、お金を賭ける行為を考えると、嫌煙する人は言葉の響きだけで悪いイメージを思い浮かべるかもしれない。
しかし、問題にすべきは生活を破たんするまでギャンブルにのめり込んでしまうその人にこそある。
ギャンブルを正当化する気は毛頭ないが、そこに携わる人間が反社会的な人々ばかりが揃っているわけではないと思わせるイベントが先日12月4日に巣鴨にて行われた。
一見、開店待ちをする列に見えるがそうではない。
彼らはチャリティイベントに参加する来場者だ。
この場所は、賭け事とは無縁のパチスロ専門ゲームセンター。
そのお店の店長の厚意により、1日無料で貸し切る形でチャリティイベントは開催された。
ギャンブルをしているようだが、ゲームセンターなのでお金は賭けられていない。
その日の入場・参加費、協賛メーカーや出版社からのグッズ販売ブースの売り上げなどの全収益をあしなが育英会「津波遺児への募金」へ寄付。
主催者はパチスロ業界に携わる人気ライター陣・メディア関係者の有志の集まり(SLOT AID)で自らも募金し、イベントの盛り上げに奮闘した。
パチスロといった娯楽とチャリティが繋がる接点は無いとお叱りを受けそうではあるが、それでは、どういう形が正解なのかといえば答えは明確にないだろう。
遊園地も、ライブハウスも、娯楽のくくりに入る。
挙げていけばもっとあるかもしれないし、そもそもチャリティ活動をするのに、何が正しいかを決める必要性もないはずだ。
第1回めは1,304,272円(赤十字社へ寄付)、第2回となる今回は実に970,758円の募金が集まり、全てが寄付された。
「多くの尊い命を奪った地震と津波。私たちはあの日を忘れません。」と、彼らは語る。
社会的にグレーゾーンとされるパチスロ業界ではあるが、チャリティ活動に集結し「自分たちにも何か出来ないだろうか」と人を想い続ける心には曇りがない。
すでに遠くのこと過去のことにしつつある風潮の中で、被災した子供達のために支援を続けて行こう、震災を忘れまいとする彼らにエールを送りたい。
○写真提供 SLOT AID