Standard Media Indexによると、米国のマーケッタは、1年間に、TVからデジタル広告への支出を、15億ドルもシフトしたという。 2015年6月30日
By Nathalie Tadena、WSJ
Standard Media Index(SMI)によると、米国において、2014年10月と2015年6月の間に、広告への支出が、TVや他の従来のメディアから、デジタル・メディアに、大きくシフトしたので、デジタル広告への支出が16%増加したという。
米国の広告代理店の広告支出の80%を追跡する、SMIは、2014年10月から2015年6月における、米国のデジタル広告の支出は、1年前と比べて、30億ドル増加したと見積もっており、この内、オーガニック広告の支出は、10億ドル増加したという。
オーガニック広告とは、SNSサイトやオーガニック検索エンジンなどでの「口コミ」的な広告のことである。
企業は、SNSサイトやオーガニック検索エンジンを利用して、顧客に、製品やサービスやイベントなどに関する情報を提供している。
SMIによると、企業は、デジタル広告の増加は、従来のTVのような広告媒体から、オーガニック広告などの、デジタル広告へシフトしているという。
SMIは、2014年10月から2015年6月において、1年前と比べて、米国のTV広告への支出の11億ドル、地方TV広告への支出の4億ドル、印刷メディアの広告への支出の、および、ラジオ広告への支出の1億5000万ドルが、デジタル広告への支出に流れたと見積もっている。
1)デジタル広告へ流れ、従来の広告メディアへの支出が減少した金額
広告メディア デジタル広告へ流れた支出の金額
全国TV 11億ドル減少
地方TV 4億ドル減少
印刷メディア 3億5000万ドル減少
ラジオ 1億5000万ドル減少
2)デジタル広告への支出の内、オーガニック広告への支出が増加した金額
広告メディア オーガニック広告への支出が増加した金額
オーガニック広告 10億ドル増加
3)従来の広告からのシフトで、デジタル広告への支出が増加した金額
広告メディア 全デジタル広告への支出が増加した金額
デジタル広告 30億ドル増加
デジタル・メディアの急速な成長にも関わらず、TV広告は、まだマーケッタの広告費の大半を占めている。
SMIは、2014年10月から2015年6月において、米国のマーケッタが、全国TVの広告に、255億ドルを支出し、地方TVの広告に、64億ドル支出し、デジタル広告に220億ドル支出したと見積もっている。
従来のメディアと比較して、デジタル・メディアは、ターゲットの消費者に、より洗練された、コスト効果的な方法を提供する。
多くのマーケッタは、デジタル広告の投資利益率を、より正確に測定する方法や、デジタル広告の、消費者の購入の決定に対する影響度を評価できる方法があれば、デジタル広告への投資をさらに増やすだろうと述べている。
また、マーケッタは、消費者のさまざまなニーズに、効果的に対応するために、SNSサイトやオーガニック検索エンジンを利用して、顧客に、製品やサービスやイベントなどに関する情報を提供したり、消費者の口コミを利用したりする、オーガニック広告に注目しているようだ。
さらに、マーケッタは、さまざまな消費者の嗜好に対応し、ユーザ経験を向上させるために、モバイルへの対応、ターゲティング広告、カルーセル広告、あるいは、ビジュアルなビデオ広告など、自分たちや顧客の要件に合った、最適なデジタル広告を模索している。