光岡自動車がミディアムクラスセダンの「Ryugi」(リューギ)をマイナーチェンジし7月3日から発売するというので、ミツオカギャラリー麻布で開催されたプレス発表会を取材した。
光岡自動車といえば、クラシックなデザインで有名な自動車メーカーだが、このリューギは「流儀」からきている。
いずれにせよ、個性派の「人とは違った車に乗りたい」という層に人気のメーカーだ。
リューギはトヨタ自動車のカローラアクシオがベースとなっている。
大きさや内装はほぼカローラアクシオと同じで小型車の枠になる。
特徴的なフロントグリルは英ロールスロイス風なデザインで、一度見ると絶対に忘れないインパクトがある。
エンブレムは同社がある富山の小さな町工場で作られている七宝焼。細かいところだが、こだわりが見て取れる。
光岡章夫社長らの説明によると、同社での生産はすべて職人の手作業。よって生産に概ね40日はかかるという。
また、特徴的なフロントとリア部分はFRP(繊維強化プラスチック)製なので、微細な造形はできるが個々の建て付けについても、職人が1台1台手作業で調整していくという。
今回のマイナーチェンジは主に安全装備の充実。
前方障害物をレーダーとカメラによって検知、警告しブレーキを踏むと強力なアシストが動作し、踏まない場合は自動的にブレーキがかかる仕組み等、鉄道マニアには常識のATSのような装置が組み込まれた。
他にも、センサーを活用し車線を逸脱した場合に警告を出したり、前照灯のハイ/ローを自動で切り替える装置、信号待ちで前車が発進したのに気が付かない場合に通知する装置等、充実した装備だ。
展示車両はハイブリッド車だったのだが、種車がトヨタ車なのでトヨタのエンブレムが入るのは仕方がない。
詳細はカー専門誌に譲るとしてこの車、フロントグリルがデカいので実際より大きく見えてしまうきらいがある。
そこで、同ギャラリーの伊藤さんに運転席ドア部に立っていただいて撮影した。
彼女の身長が155センチメートルでヒールが約7センチメートルという事だったので、162センチメートルといったところか。
さすがにロールスロイスではこうはならないが、女性でも扱いやすい大きさだという事はわかっていただけるだろう。
ついでに、ギャラリーについて聞いてみた。
「このあたりは外国大使館も多く、六本木にも近いので、外国人の方が通りすがりに展示車両を見て立ち寄っていかれます。通常は常時2台展示してあるのですが、全部メイドインジャパンなのかとよくご質問を受けます。日本の自動車メーカーだとご説明いたしますと、ほぼみなさん驚かれて写真を撮っていかれます。それほど外国の方には信じられない日本車なのでしょうか。小さなロールスロイスやジャガーだとしても、外国では経済性や安全性に定評のあるトヨタカローラや日産マーチですから、二度びっくりされるのではないでしょうか。」
リューギのランナップは1500ccガソリン車とハイブリッド車、また4WDの設定もある。
価格は税込み2,262,600円(15ST)から3,196,800円(HYBRID)。
果たして世界に対して日本の流儀は伝わるか。楽しい1台である。
※写真はすべて記者撮影