スポットオンタイプのノミダニ薬は安全なの?

  by tto818  Tags :  

とっても良く知られている犬猫のノミダニ駆虫・予防のフロントライン。この成分の一つはフィプロニルという、これも農薬。
今年2月に中国から輸入されたウーロン茶に残留していたとかでニュースになりました。

ちなみにこの農薬のヒトへの許容一日摂取量(人が一生涯毎日摂取し続けても、健康への影響がないとされる一日当たりの摂取量)は体重1kg当たり0.0002mg/日。口にした場合の量ですけど。
1か月にしても0.006mg/kg。
フロントラインに含まれるフィプロニルは100mg/ml。犬には0.067ml/kgで投与しています。すなわち、毎回6.7mg/kgの経皮投与。

フィプロニルの急性毒性は、経口(ラット)LD50:>97mg/kg、経皮(ラット)LD50:>2000mg/kg、とされています。

皮膚に垂らしている分には危険性はほとんど心配しなくてもいいということになりますが、なめたらかなり危ないかな、ということにもなると思います。

さらに最近、フィラリア予防とノミダニの駆虫・予防を同時に行えるとか謳った薬もでています。フィラリア予防はまだまだ確実にやっておいたほうがよいと思いますが、ノミダニ予防はあらゆる地域でやらなければならないほどのものではないと思います。室内飼育で寄生がなければやらなくてもいいかなと思います。ましてや、異なる目的のものを一つの錠剤にするというのはあまりにも安易で、動物のことを本当に考えているのか疑問に思います。

フィラリア予防は確実に飲み薬で、ノミダニの薬は必要に応じて滴下薬を、がいまのところベターな方法かなと思います。

医歯薬系の翻訳業。獣医師。海外からのペット関係の情報など発信できればと思いますが、全然関係ないことも。

Twitter: ferretrescueJP