リベリア エボラ熱 終息宣言へ

エボラ熱が流行していた西アフリカのうち、リベリアは終息宣言を出しました。
リベリアのアディ商務産業相は、6日、スイスのジュネーブ国連欧州本部で記者会見し、今月9日にリベリアでのエボラ熱終息の見通しを明らかにしました。

5日、WHO(世界保健機関)は、疑い例も含むリベリアの感染者は1万322人、死者は4608人、陽性が確認された患者は、3月下旬を最後に3151人から増えておらず、専門家の判断により、終息となる判断の見通しがたったようです。

ただし、同時期にエボラ熱が感染拡大したシエラシオネとギニアでは、終息の聴講はまだ見られないとのこと。その理由については不明ですが、今回の感染拡大の一つの理由に、野生動物の肉を食べることや、葬儀の際にご遺体に触れる習慣があることが大きな影響を与えたと言われています。
ギニア、シエラシオネ政府は、これらの行為を避けるように呼びかけ続けており、患者数を減らすことができました。しかしながら、終息が見えないのは、もともとの衛生状態の問題や、先述の感染拡大を防ぐための知識が、市民に共有されていない可能性も考えられます。

逆に、今回のリベリアの終息宣言をみれば、先進国においても、常識的な衛生処理を行っていれば、100パーセント感染するようなウイルスではないということがわかったとも言えるのではないでしょうか。

日本においては、検疫法や感染症法などといった法令に基づいて、罹患者の隔離・治療の手順が整えられています。
やみくもにあわてず、罹患者が発生した場合は、保健所などに連絡を入れて指示を仰ぐなどの手順を確認しておきたいですね。

※写真は 足成 http://www.ashinari.com/2014/10/16-391481.php

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長