両国国技館で開催された『DANCE@LIVE JAPAN FINAL 2015』を取材した。
トップダンサーたちが全国から集結し頂点を競う日本最大のストリートダンスバトルで、4月26日のこの日1万2千人を集めて両国国技館で開催された。
10周年を迎える記念となるべき大会では、ダンスバトルの他、大学生、高校生、キッズによるショーケース、またゲストショーケースも催された。
国技館のメインステージを含めて4つのステージが設置され、それぞれのバトルやショーで盛り上がった。主催者の話では、観客も何らかの形でストリートダンスにかかわっている方が多く、出演者もダンサーなら観客もダンサーが多いという、そういう意味では珍しいイベントなのではないかということだった。
まさにこれから出番の国技館入り口付近のステージ。
地下に設置されたステージも大入り満員だ。
これから主演予定のダンサーもリハーサル中だ。ちょっと失礼して撮影させていただいた。
屋外では有名ダンサーのサイン会が開かれていた。
先ほどステージでバトルしていたダンサーが目の前でポスターにサインしてくれるのでファン殺到だ。
協賛企業ブースもいくつかあったのだが、誰もいない場所があった。聞いてみると、美容サロンなのだそうだが開場と同時に配布していたお試し無料券が30分でなくなってしまって、追加の到着を待っているところなのだそうだ。確かに女性の観客が多いので欲しくなるのもわかるが、30分でなくなるとは人気ブースゆえの悩みであろう。
出演者の楽屋でコメントを取ろうと思って行ってみたのだが、観覧しているのかリハーサルに余念がないのか、ほとんど人はいなかった。
ちなみにこの場所は、大相撲の支度部屋で大相撲中継でよく目にする場所だ。畳敷きなのが国技館らしい。
出演者しかいないはずの楽屋通路にも企業ブースがあり聞いてみると、シューズメーカーだった。
試しに履いてみたが、ポンプを押すと中に空気が入りきっちりフィットする。なるほど足が命のストリートダンサーには最適な提案かもしれない。
外に出てみると、腹が減っては戦はできぬとばかりにフードコートが大盛況だ。出演者も観客も体を動かすのでよく食べる。
メイン会場では高校生の頂上を決定する決勝が終わり表彰式が行われていた。
各部門のファイナルの前に華麗なゲストショーケーが繰り広げられた。
キッズ部門は中学3年生以下が対象だが、中学生とは思えない動きで観客を魅了する。
記者席のすぐ後ろに優勝者の応援団が。優勝決定の瞬間はどんな競技でもうれしいものだろう。
そして副賞目録を受け取り勝ち名乗り。
続いて大学生部門は北海道大学と駒澤大学の対戦。1分間のパフォーマンスを交互に3回繰り広げる。
優勝は駒澤大学で、昨年度も優勝した駒澤大学の先輩が急きょステージに呼ばれ、プレゼンターとなって会場は感動の渦に巻き込まれた。
この後、HIPHOP、BREAK、HOUSE、FREESTYLEの各部門ファイナルが行われ、午前11時から午後9時までの長い戦いは幕を下ろした。
近年、ダンスというくくりでは学校教育にも取り入れられ日本でも着実に根を下ろしていると聞く。こういう全国規模での盛り上がりもあることを知ると、街中で目にすることが多いストリートダンスも違ったものに見えてくる。カルチャーとはそういうものかもしれないが、多様な文化を取り込み独自の文化として発展させるのを得意とする日本人が世界の頂点に立つ日もそう遠くないことであろう。
※写真は記者もしくはカメラマン小野寺稔昭撮影。取材はメディアパスの交付を受けて主催者許諾済み。