ちょっとコダワリな調味料「地ソース」の世界

ソースと言えば地方によって色々なソースがある事をご存じでしょうか?意外と自分が住んでいる地域では当たり前に売られているソースでも、ちょっと遠くに引っ越しをした途端に今まで使っていたソースが入手不可!とか普通にショックですよね。
ソースと言うと普段は特に意識せずに「子供の頃から慣れ親しんだ銘柄」を買う事が当たり前過ぎて「ソースの銘柄を選ぶ」と言う発想自体がなかったりするので、特にソースの銘柄を気にした事もない人も多いでしょう。
ここら辺は同じ調味料である「味噌」や「醤油」にも当てはまると思います。地方によっては「醤油が甘い」とかあったりするのですよ。

さらにソースの場合は家庭の方針で「ウスター派」だったり「とんかつ派」だったりするはずで、どっちつかずの「中濃派」やソースマニアの「どろソース派」なども含めると「どれがソースの標準であるか?」を決める事は難しいかも知れません。
希にグルメな家庭ならばソースを2種類常備している可能性もありますが、冷蔵庫の番人と言うか「おかん」の権力が強大過ぎて大抵の家庭はソースの銘柄を自由に選ぶ事は出来ません。
さらに言うなら「ソースを冷蔵庫に入れる派」と「ソースを冷蔵庫に入れない派」に分かれるでしょうし、その観点で見るとマヨネーズは冷蔵庫に入れるけどソースは入れない家庭とか。マヨネーズとケチャップは冷蔵庫だけどソースは入れないとか。何故か冷蔵庫に「乾電池」を入れる家庭などなど、もはや「調味料の普通って何よ?」と言う議論はするだけ無駄な予感もします。

しかし!あえて今回はブームになりそうでブームにならない「地ソース」にスポットを当てて、一般庶民の調味料に対する意識を高めてみようと思うのです。
まず「地ソースとはなんぞや?」と言う所から始めますが。まあ、要するに普通のソースなんだけれども「比較的小さな規模で作られているソース」と思って頂ければ幸いです。例えば大手メーカーと思われる「ブルドックソース」ですら関西に行けば「ほぼ無名の存在」だったりするので知名度で計る事は出来ません。普通のソースと地ソースの差は、ざっくり言うと「家族経営的な工場でこぢんまり営んでいるソースメーカーが丁寧に作るソースを地ソースと呼ぶ」と思って下さい。
ちなみに日本で一番知名度が高いと思われるソースは「オタフクソース」で間違いないと思います。これは販売戦略の勝利と言うか地道なPR活動によって徐々に販売地域を広げて行った努力の賜とも言えるでしょう。さらに言うなら他のソースとは違った「独特の甘さ」が人気なのかも知れません。

ヘルメスソース

もはや基本中の基本である地ソースの王様、キング・オブ・地ソースが「ヘルメスソース」です。大阪における知名度と「いまだに一升瓶で販売」と言うスタイルには、地ソースメーカーとしてのプライドを感じずにはいられません。安易にペットボトル容器に走らないってカッコイイです。
ラインナップも「ウスター」から「とんかつ」まで幅広く有りますが、筆者のお薦めは「辛口」もしくは「旨辛」ですね。特に旨辛はヘルメスらしさが出たスパイシーなソースで、お好み焼きやタコ焼きのマヨネーズに負けないパンチのあるソースに仕上がっています。ちなみにバッグのエルメスはフランス語表記で地ソースの方は英語名の「ヘルメス」で正解。

ヒシ梅ソース

ヘルメスソースと並ぶのが「ヒシ梅ソース」で、やはり粉モノの店での使用率は高いものが有ります。特にウスターソースに関しては筆者もヒシ梅が一番かなと思っています。他にも「タマリソース」は辛目が好きな筆者には外せない一品で、ヘルメスの旨辛と共に数本ストックして有ります。

パロマソース

一般向けよりも業務用で伸びているのがパロマソース。すでにヘルメスとヒシ梅を揃えている筆者ですが、焼きそばの時は「パロマ超香ソース」を愛用しています。名前の通り抜群の香りと言うかスパイシーさで、従来の「どうでも良い平凡な味の焼きそば」を180度ひっくり返す強烈なソースに仕上がっています。粉モノは「地ソースをブレンドする」と言う楽しみもありますが、焼きそばに関しては超香ソースのみでガツンと味付けするのが最高でしょう。ちなみに筆者は焼きそばにモヤシを入れる事は絶対に許しません。

大黒ソース

まさに大阪地ソース4強の一角を担う地ソースである大黒ソース。メーカーによると「フルーツを多めに原料に使った」とされる「大黒フルーツソース」は辛さよりも酸味と甘みに特化した地ソースであると言っておきます。筆者も辛いソースな気分じゃない時に使用しますが、キレのある酸味は粉モノよりも揚げ物の油を切るのに最良なソースだと思います。
やはりオススメはベーシックスタンダードとも言える「大黒フルーツソース」ですが、串カツなどの揚げ物には「串カツソース」と言うスペシャルアイテムもあるので、そちらも要チェックですね。

と、まあ上記の4メーカーを押さえつつサイドを「金紋ソース」など好みの地ソースで固めたら幸せになれるのではないでしょうか?金紋ソースはちょいとマイナーであるがちょいと甘めなので筆者は気分転換に使用しています。甘めと言えばオタフクもありますが、ちょっとメジャーになり過ぎた昨今、地ソースを愛する人間としてはもっと地味なメーカーを愛用したいのです。
ちなみに大量にソースを在庫する筆者の地ソースの保存環境ですが普通に冷暗所に保存しています。この冷暗所と言う表記もやや謎ですが、要するに直射日光を避けて涼しい所い置いておけと言う事らしいです。冷蔵庫に入れると取り出す度に結露したりするので、必ずしも地ソースを冷蔵庫で保存するのが正解とは言えません。
が、やはりメーカー責任とか大人の事情で冷蔵庫での保存が推奨されている場合もあるので、そこら辺は使用者の判断で保存するべきでしょうか?ちなみに筆者は開封後も一年くらいは普通に使っています。
他にもソースを語ると色々とあるのですが長くなるので割愛します。例えば最初にソースが作られたのは大阪ではなく神戸で「阪神ソース」が日本初のソースメーカーとか。リーペリン(ソースを最初に作ったとされるメーカー)などのソースと日本のソースは原材料や味付けがかなり違うとか。粉モノの店だと地ソースをブレンドして使っている店があるとか。ウスターソースもトンカツソースも同じタンクで作られているとか。

そんな訳で長々と地ソースについて綴ってみた訳ですが、思った以上に色々な地ソースがある事を知って頂けたでしょうか?今はネット通販で色々な地ソースを買う事が出来るので、是非とも色々な地ソースを試して頂きたいですね。値段もそれほど高くないし、ソースを変えるだけで「焼きそば」の仕上がりが全然変わりますよ。

酒と料理に情熱と脂肪を燃やすフリーライター ”日の丸構図で寄りまくる!”と言う素人写真を武器に暗躍する。美味しい料理を世界にバラ撒く”飯テロリスト”として各国の情報機関にブックマークされたが反省はしていない。 取材依頼(新店舗、新メニューのPR)その他記事の執筆依頼は下記のメールアドレスまでお願いします! [email protected] なんとなく作ったサイトも絶賛稼働中! http://foodnews.jp/

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