家を建てる時の過程は楽しいものです。
一方で、何度も建てられるものではでないため「失敗したくない」という思いも強いのではないでしょうか。
家を建てる時は、営業マンの人柄、間取り、クロス等のデザインなどの「見える部分」に注力しがちです。
しかし、読んで字の通り「見えない部分」にこそ盲点は潜んでいます
そこで、住宅建築時に盲点になりがちな「地盤」について書きたいと思います。
地盤は見えにくい
「土地は日当たりと地盤」というほど大事な要素です。
住宅建築の際、地盤に求めることは上に家を建てても地盤沈下しない「地耐力(強度)」を持っていることです。
当然、その土地がどのくらい地耐力を持っているかは見るだけではわかりませんので調査を行います。
地耐力の調査は地盤改良業者が行います。
調査結果は難解な計算により行われるため、ハウスメーカーや施主には非常にわかりにくくなっています。
その結果、地盤改良業者の言いなりに工事計画を組むのが現実です。
地盤改良工事は過剰になりがち
地盤改良工事業者の基準では地盤改良工事は過剰になりがちです。
では、なぜ過剰工事に陥るのでしょうか。
過剰工事によって施主、ハウスメーカー、地盤工事業者のだれが恩恵を受けるのでしょうか。
過剰工事のメリット
○施主のメリット
・頑丈な気がして何だか安心な気持ちになる。
○ハウスメーカーのメリット
・売上が増える。
・沈下の際の責任を地盤工事業者に転嫁できる。
○地盤工事業者のメリット
・売上が増える。
上記の通り、ハウスメーカーと地盤工事業者の両者に「売上が増える」という共通のメリットがあります。
民間企業が売上を追求するのは当たり前のことですから、この共通のメリットは大きいでしょう。
その結果柱や杭は太く長くなり、工事費用も上がっていきます。
2社の売上が増える一方、デメリットを被る人はだれなのでしょうか。
過剰工事のデメリット
○施主のデメリット
・無駄なコスト、(費用、期間)が発生する可能性がある
・将来土地を売却する際土地の原状復帰費用を負担しなければならない可能性がある
○ハウスメーカーのデメリット
・建売の場合、工事分の原価が上がり、販売価格が上がるため売却しにくくなる
○地盤工事業者のデメリット
・なし
注文住宅の場合、過剰工事によるデメリットを受けるのは施主のみです。
過剰工事によって、知識のある立場(ハウスメーカー、地盤工事業者)が得をします。
知識の無い立場(施主)が損をします。
過剰改良は構造的な問題であるとも言えます。
どうすれば過剰工事を防げるのか
どうすれば過剰工事内容を防げるのでしょうか。
それは調査と工事を分離しているハウスメーカーを選択することで予防できます。
調査は地盤工事会社に限らず地盤保証会社でも行っています。
地盤保証会社とは、一定の保証料により、地盤沈下事故の保証をする会社です。
地盤保証会社は調査を行い判定をします。
・改良工事が不要と判定→有償で地盤保証
・改良工事が必要と判定→保証できないので地盤工事会社にて工事
保証会社は保証料が欲しいです。
しかし保証した住宅が沈下してしまうと弁償しなければなりませんので必然的に判定はシビアになります。
シビアな審査を通過して「工事不要」という判定になれば数万円の負担で保証が受けられます。
また、保証会社の判定で「工事必要」であればそれは適正な判断と考えて問題ないでしょう。
地盤保証会社による地盤調査を導入しているハウスメーカーを選ぼう
地盤工事会社と地盤補償会社では地盤調査への考え方が下記の通り違います。
・保証会社の地盤調査
⇒保障のための地盤調査(工事をしないことで売り上げが上がる)
・工事会社の地盤調査
⇒工事のための地盤調査(工事をすることで売り上げが上がる)
地盤補償会社は、「過剰な工事を防ぎたい」という面で施主とメリットが一致しています。
住宅建築の際には、地盤補償会社による地盤調査を導入しているハウスメーカーを選択することで過剰な工事負担を回避できます。
ハウスメーカーの担当者にストレートに聞いてみましょう。
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