【動画あり】帝都自動車交通でタクシー乗務員の教習を体験してみた!

  by 古川 智規  Tags :  

ご存じのとおり、プロドライバーという仕事は人手不足である。物流業界ではトラックの運転手が、バス業界でもタクシー業界でも同様だ。
トラックの運転手は第一種運転免許さえあればその資格により大型トラックやトレーラーまで運転することができる。
バスやタクシーは運賃を収受して旅客を運送するので、より高度な運転免許である第二種免許が必要なのでハードルは高いと言えるが、最近はその運転免許も取得させてくれる事業者が多いので、その意味ではたたきやすい門と言えなくもない。
もちろん待遇や生活の安定、運転そのものへの不安等、さまざまな問題がないわけではない。世の中にはプロドライバーになってもいいと考えている人は一定数いると思われるが、それらの不安で一歩踏み出せないでいる方も多いと聞く。
そこで、今回はタクシードライバーになるためにはどのようなことをするのかということを一日体験取材してきたので動画を交えてレポートする。

今回取材させていただいたのは京成グループの「帝都自動車交通」(以下、帝都という)だ。
第一種普通免許しか持っていない方でも入社して、会社が第二種免許を取らせてくれるのはたいていどの事業者でも同様であろう。それが第1ステップと言える。記者は第二種大型免許を持っているので、バスでもタクシーでもハイヤーでも運転することができる。もっとも、運賃を収受しない回送であればバスでもあろうがタクシーであろうが第一種免許で構わない。
車種一律で二種免許が必要なわけではないので、バス=大型二種でもなければタクシー=普通二種でもない。バスを運転するだけであれば大型一種で構わないしタクシーを運転するだけであれば普通二種で構わない。あくまでもお金をもらってお客さんを乗せる免許が第二種免許ということだ。

さて、記者の場合は第二種免許を取得した後からスタートすることになった。この日だけの1日メニューだが、一通りのことを詰め込んでカリキュラムを組んでもらった。

ジャパンタクシー

写真は最近話題のジャパンタクシー。小型車ながらキャビンの全高が高く窮屈感のないタクシー専用仕様車だ。

シートは革張りで高級感があり足元も広いので快適そうだ。

ハイヤー

タクシーと違い、基本的に法人との契約で貸切運行するのがハイヤーと考えていただければよい。タクシーの運転手とは別で、ハイヤー専属の運転手になる。

タクシーの象徴ともいえる行燈やメーターはない。正確にいうとメーターはないのではなくて見えない足元に設置されている。

ホンダ車を使用しているのは帝都だけとのことで、社名が入っていなくてもホンダ車であれば帝都の車ということもできる。

教習課程を見学

タクシー教習は全13教程で行われる。もちろん免許の種類や経験の有無により異なるが、基本は13教程だ。
写真はその第1教程であるメーター機器操作の教習場面だ。

記者の座学教習開始!

記者もちゃんと座学のメニューが組まれていて、主に都内の道路についての学習だった。記者は東京都出身者ではないので都内の道路に明るくない。しかし、環七や環八があってなぜ1から6がないのかという疑問や、墨田区錦糸町付近を南北に通る、三ツ目通りと四ツ目通りは並行しているのに、1と2はどこにあるのかという疑問はこの教習でたちどころに理解することができた。
動画にも収録しているが、東京の道路は皇居を中心として同心円状に走っており、主な道路としては内側から内堀、外堀、外苑東、外苑西、明治、山手(環六)、環七、環八となる。そして内堀通りから放射線状に靖国、新宿、青山、六本木、桜田、愛宕、晴海、鍛冶橋、永代などの各通りが出ていく形状になっている。これらは地理試験の問題に密接にかかわるので、覚えなければならない必修課題だと言えよう。

そして、いよいよ記者は路上教習に出る。
路上教習はタクシーと同仕様の日産セドリックの教習車で行った。

タクシー専用ナビや運賃メーター、領収証のプリンター、自動扉の操作弁、無線機まで本物と同じだ。違うのは行燈と社名が書かれていないことと、ナンバーが営業車ではない白ということくらいだろうか。

帝都の場合、入社して適性診断、およそ7日間の第二種免許教習、試験場での学科試験、地理試験の学習を約1週間したのちにタクシーセンターでの4日間の研修を経て13日間の座学と路上教習がスタートする。
記者の場合は第二種免許を持っているのでその関係は免除、地理試験は受けていないがナビを使用してあるいは教官が道を教えることで省略し、座学の一部を体験して早速路上教習に出た。
一連の座学と路上の模様を90分程度の動画にまとめたので、興味のある方はご覧いただきたい。もちろん取材目的で乗車しているのでいろいろな話を聞いたりオピニオンを述べたりしているが、基本的な教習は変わらない。

■帝都自動車交通・タクシー乗務員体験教習取材
https://youtu.be/Y1f9-HBACHs

営業所での入出庫見学

実際に乗務員が営業所から出庫する様子を帝都の大森営業所で見学した。
昔は売り上げの現金計算や日報の記入等に時間がかかったようだが、現在はすべて自動化されていてあっという間に終わるようだ。

運転免許証を機械に入れて顔認証、アルコールチェッカーでの検査を通過して、点呼に向かう。
免許証の照合で更新忘れや成りすましを防止して、厳格に労務管理されている。これは乗務員の安全のためでもあるが、ひいては旅客の安全にもつながるので大切なことだ。

点呼では、出庫する乗務員に対して運行管理者から諸注意が伝えられる。大型連休の中日であったために平日と休日の区別を勘違いしやすく、曜日による交通規制に対しても注意がうながされる。

記者は知らなかったのだが、銀座周辺は平日の22時から翌1時までは指定タクシー乗り場でしか旅客を乗せてはいけないという区画がある。したがって、これに該当する場所で指定時間帯は手を挙げてもタクシーは止まらない。乗車拒否と勘違いしないようにしたい。

こうして、記者のタクシー乗務員体験取材は終了した。写真はこの日に走ったGPSでの記録。

最後に同社広報にハイヤーの中でインタビューした動画をご覧いただきたい。

■帝都自動車交通広報担当者インタビュー
https://youtu.be/tgFbcvWaxFg

タクシー乗務員に限らず、プロドライバーになるということは責任のある仕事であることは議論を待たない。しかし、少なくとも自動車の運転が嫌いでなければ、楽しい仕事であるとも感じた取材だった。タクシードライバーという仕事に少しでも興味があればまずは門をたたいてみる一歩は踏み出してはいかがだろうか。
また、普段は旅客として乗車している人がほとんどだと思うが、乗務員になるためにさまざまな苦労や努力をしていることを少しだけ心にとめて乗車していただければ幸いである。

※写真および動画はすべて記者撮影・収録

乗り物大好き。好奇心旺盛。いいことも悪いこともあるさ。どうせなら知らないことを知って、違う価値観を覗いて、上も下も右も左もそれぞれの立ち位置で一緒に見聞を広げましょう。

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