「マクドナルドのクルーはもっと主婦層がいてほしい」 主婦向けクルー体験会で知った“中の人のホンネ”とママの底力

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「マクドナルドのクルーっていうと、高校生のアルバイトっていうイメージがまだまだあるでしょ。でもキッチンのなかの人の視点で見ると、主婦層って、本当に、ホントに、『必要な人材だな~』って痛感するんですよね」

ここは東京都中野区、マクドナルド中野セントラルパーク店。50代と思しき女性クルーが、見事な“0円スマイル”を含ませながら、いまの想いを語った。

9月5日、全国のマクドナルド店舗で「主婦向けクルー体験会」が始まった。期間は10月31日までの2か月。「マクドナルドでクルーとして働くことに関心を持つ主婦」などが対象で、マクドナルド公式ホームページ内「クルー体験会ページ」から応募した主婦たちが、1回約30分、無料でマクドナルドクルーを疑似体験できるというプログラムだ。

「『わたしは接客がやりたい』とか、『キッチンでハンバーガーをつくりたい』とか、そういう希望は伝えていいんですか?」(体験会に参加した50代主婦)

「もちろんできますよ! みんな、『わたしはキッチンがいい』とか『カウンターがいい』とかで、好きなポジションを選んでるって感じですね。キッチンも意外と人気で、家事とまた違った楽しみがあるんですよ」(担当クルー)

◆マクドナルドのキッチンに主婦がいてほしいワケ

プログラムは、10分ほどの「標準的なクルーの1日の仕事の流れを紙芝居形式で説明」といった“座学”を経て、実際にキッチンへ入る。キャップとエプロンを身につけた主婦たちは、バックヤードで実際にハンバーガーやドリンクをつくる工程を体験し、カウンターで接客対応にトライ(客役はクルーが担当)。

主婦たちは製造や接客のほか、ウォークイン冷凍や冷蔵庫、クルールームを見学するバックヤードツアー、ドライブスルー、マックデリバリーサービスなども体験する。
こうしたクルー体験会で、担当クルーは冒頭のことばのように、「主婦層がホントに、いてほしい」と思うらしい。「マクドナルドに勤めて17年目」という50代の女性は、その理由についてこう話していた。

【動画】マッククルーストーリー「主婦」篇

「たとえば、レタスやキャベツの色。高校生などのアルバイトは、そのちょっとした色の変化に気づかないときがある。主婦をやってると、家事で積んだ判断力というか。たとえば、レタスの色がちょっと変わってきたなと思ったら、そのレタスは使わないようにする。そんなちょっとした繊細さがあると、すっごくいいなぁっていつも思うんですよね」

主婦向けクルー体験会は、その30分が終始楽しそうに見えたが、こうした現場の切実な声があったとは……。

◆主婦層が重要なチカラを持っている

主婦向けクルー体験会の初日、現場には東京大学・大学総合教育研究センターの中原淳准教授の姿があった。中原准教授は、3つの数字で人材確保の現状を教えてくれた。まず、「2025年に企業が求めている不足する労働者の数」が583万人もいるのに対し、女性の潜在労働力が315万人。さらに、その315万人のうち、主婦層が180万人を占めるという。

つまりマクドナルドは、「主婦層が重要なチカラを持っている」とこの300万人規模の女性潜在労働力に着目し、「働きたくても思うように仕事ができない」という主婦を対象に、4つの受け入れ態勢を整え、主婦向けクルー体験会へとこぎつけた。

その4つとは、週2時間だけでもOKや、目標額にあわせたシフトも組める「ワークシフト」、3割引きで商品が買えたり、社保完備などの「職場空間」、相談できるマネージャーの存在や、成長度合いに応じた無理のない役割分担などの「サポート体制」、接客スペシャリストや時間帯責任者へのステップアップなどの「成長プラン」だ。

マクドナルドは、この4つの受け入れ態勢を、「マックなら、大丈夫。」というキーメッセージで展開。筆者も「キレイゴトばかりで、ホントはどうなの?」と思っていた側だけど、実際に主婦向けクルー体験会の30分で、まるで“ご近所の仲良し中年女性たち”のような笑いが飛び出ていたことにびっくり。彼女たちのソコヂカラを垣間見た感。

マクドナルドで働く、主婦やシニアの“素顔”が感じ取れる動画も、体験会スタートと同時に公開された。「なんか、こんどマック行ったとき、メニューよりも先にクルーに見入っちゃうかも」とは、レストラン雑誌の記者のことば。この秋に展開する「マックなら、大丈夫。」のリアルな声は、動画「マッククルーストーリー」の2篇でも体感できる。

【動画】マッククルーストーリー「シニア」篇

(画像はすべて GazinAirlines が撮影)

GAL

いま、そんな話題、こんな現場のなかにいます。