週刊 サイエンスジャーナル 2014.5.4号
未知の天体発見!恒星?惑星?7光年彼方に氷点下の“褐色矮星” 褐色矮星(brown dwarf)とは、軽水素 (1H) の核融合を起こすには質量が小さすぎるために恒星(主系列星)になることができない天体のことである。 今回、これまで知られている中でもっとも軽くもっとも低温の褐色矮星が、7.2光年彼方に発見された。太陽系から4番目に近い星系となる。発見されたWISE 0855-0714は、星系としては太陽系から4番目に近い。 褐色矮星は、可視光線では見えないこともあるが、赤外線による観測なら褐色矮星が発する熱をとらえることができる。米・ペンシルバニア州立大学のKevin Luhmanさんらは、NASAの赤外線天文衛星「WISE」が複数回行ったサーベイ観測のデータから移動天体を見つけ、別の赤外線衛星「スピッツァー」や南米チリのジェミニ南望遠鏡を用いて天体の距離や温度などを確認した。 この褐色矮星WISE J085510.83-071442.5は太陽系から7.2光年彼方のうみへび座の方向にあり、これは太陽系から4番目に近い(リギルケンタウルス系、バーナード星、同グループが2013年に発見した褐色矮星の連星に次ぐ)星系だ。 天体の重さは木星の3~10倍、温度は摂氏マイナス48度~マイナス13度である。これほど軽いと、惑星系から追い出された巨大ガス惑星という可能性もあるが、研究チームでは、よりありふれた褐色矮星である可能性が高いとしている。(NASA) |
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