[筆者コラージュ作成]
【企画趣旨】
米―イラン戦争の最大の犠牲者は人間ではないかもしれない。目に見えない生物こそが、本当の犠牲者なのかもしれないからだ。ミサイル、石油タンカー、地政学といったものに世界の注目が集まる一方で、ホルムズ海峡の海底では静かなる惨劇が進行している。米―イラン戦争の最大の犠牲者は人間ではないかもしれない。目に見えない生物こそが、本当の犠牲者なのかもしれない。ミサイル、石油タンカー、地政学といったものに世界の注目が集まる一方で、ホルムズ海峡の海底では静かなる惨劇が進行している。 この狭い海峡には、約7,000頭のジュゴンと100頭未満のアラビアザトウクジラが生息している。アラビアザトウクジラは世界で最も孤立したクジラの生息地の一つだ。他のクジラとは異なり、彼らは回遊しない。逃げ場がない。ここが彼らの唯一の住処なのだ。 停戦交渉が行われている間も、海域は依然として混乱状態にある。機雷、軍事廃棄物、原油流出、そして約800隻もの船舶が、この海域を死の海底戦場へと変わりさせている。爆発音、ソナー音、船舶のエンジン音は、海洋生物の生態系を根底から破壊している。クジラにとって音は生きる上での鍵であり、そのシステムが崩壊しつつあるのだ。 そして、石油問題もある。湾のような循環の遅い生態系では、毒素は何年も残留し、魚を毒し、サンゴを破壊し、ジュゴンの唯一の食料源である海草を枯らしてしまう。 これは単なる環境破壊ではないのだ。ゆっくりと、目に見えない絶滅の危機を引き起こす。なぜなら、水面上では戦争が一時的に止まっても、水面下では…生物に付着する汚染の環境被害が消えることはないからである。
[©︎INDIA TODAY GLOBAL 米イラン戦争の真の犠牲者?有毒な湾岸海域で静かに死んでいくジュゴンとクジラたち(2026年4月22日)]
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<リード>
【1】イランの生態系を脅かしている実態に対し国際法規範は無力なのか?
【2】環境条約の法規範は海洋汚染から生物多様性の生態系を保護および回復できるか?
【3】「カミカゼ」と称される軍用イルカの海中自爆死
【4】「エコサイド(「eco + genocide)」(造語)に取り込まれるマングローブ
【5】生命線である水分や化石エネルギーを供給するプラントへの攻撃で海洋生態系を破壊
【6】エリカ号事件のように油脂まみれの損害実態があるファクトとして環境損害賠償に訴えられず
【7】世界中の地球市民たちが立ち上がる 日本を愛する在日35年のイラン人が望む平和
<結び>
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【1】イランの生態系を脅かしている実態に対し国際法規範は無力なのか?
神戸大学の坂本茂樹名誉教授を筆頭に「石油企画調査部(JOGMEC)上席研究員」の肩書きで専らシェールガスやLNGの開発調査に日本の研究者らが取り組んでいることから、汚染水や水質汚濁に海洋汚染などの現場調査を率いてきた一員が日本でもあることが推察される。
その意味でペルシャ湾にも豊かだった生態系の保護名目で世界的な動物愛護団体「PETA」などからイラン戦争による環境汚染の声がSNSなどで上がるような場数を踏んできたのではないだろうか。イランのゲシュム島付近のホルムズ海峡で約8km以上にわたって油が流出する様子を「CNN」のカメラが捉え、衛星画面でも微量な放射線汚染が確認されていることから、イランは核施設の深刻な水質汚染、生態系の破壊及び住民への健康被害また越境大気汚染の発生、さらに米国の「相当の注意義務」の欠如を立証することで、一般国際法及び2国間条約に基づき、米国が負う「越境環境損外防止義務」違反を根拠とする。
拙筆のシナリオ仮説を立てると、
(1)直接的な排水:施設内の損傷により、放射性物質を含む水が排水溝や河川を通じて直接、海に入り込む。
(2)汚染土壌からの地下水流出:漏れ出した物質が土壌を汚染し、その後の雨水や地下水の流れによって、最終的に海に流れ込む。
(3)大気中の汚染物質の沈着:万に一つも核施設を米軍やイスラエル軍が狙ったら、舞い上がった放射性物質が、大気を通して地面に沈着する。
上記を踏まえれば、イランは「越境環境損害防止義務」と「国際水路」の「衡平利用義務」を負う一般国際法とイランー米国の2国家間条約に基づく「越境影響の環境アセスメント条約」の義務がある。
イランは一般国際法上、ホルムズ海峡などの「無害通航路」を巡る周辺の核施設の開発と操業について「事前通告・協議義務」に加えて「越境ETA」を実施する義務を負っている。「越境環境危険物活動」とは一般に「越境EIA」を実施し、「事前通報」と「協議」の義務も履行したことになる。
それが米国の主張するようなイランの核施設がもたらす損害とは、イランの負う「越境海洋損害防止義務」の不履行であれば、問題となり得るだろうか?
ホルムズ海峡周辺を「無害通航路」で通過許可されたタンカー及び船舶が垂れ流す石油、化学物質、有害塩酸、ダイオキシンなどからイルカ、鯨、ウミガメ、アザラシなど中東の海洋生態系が破壊されつつある。戦争による攻撃がドバイ、アブ・ダビ、マンナマの港湾で、主に汚染と石油の流出で人々のみならず生態系も恐怖心を煽っている。
その適切な立地の決定と汚染防止対策装置のような設備が同損害の防止のために米国に合理的に要求されるものである場合、「相当の注意義務」を怠ったことになり、一般国際法及び2国間条約に基づく「越境環境損害防止義務」違反が問われることになるのではないか?
前出の坂本氏は「沿岸国の防衛又は安全を害することとなる情報収集のように19 条2 項の規定を違反するが、それにかかわらず、21 条に基づいて制定された規則は遵守することになる通航例えば、漁業、海洋調査活動又は測量活動のように、21 条に基づく沿岸国法令によっても禁止され、19 条2項の有害行為リストに該当する行為理論上は以下のような行為がその行為である。海洋法条約19 条2 項(h)は、外国船舶による沿岸国の領海における「この条約に違反する故意かつ重大な汚染行為」を無害とはせず、他方で、21 条1 項(f)は「沿岸国の環境の保全並びにその汚染の防止、軽減及び規制」に関する沿岸国の法令制定権を定めている。その結果、沿岸国の法令違反が常に「この条約に違反する故意かつ重大な汚染行為」に該当するとはいえず、単なる法令違反に止まり、無害性を喪失しない場合もありうることになる。もちろん、「この条約に違反する故意かつ重大な汚染行為」の場合には、航行の無害性は喪失する」と指摘する。坂元「前掲論文」(注127)139〜140 頁。
【2】環境条約の法規範は海洋汚染から生物多様性の生態系を保護および回復できるか?
では、海洋生物の代表格の「イルカ」を筆頭にクジラや水鳥、ザトウクジラなどの海洋生物を始め数ある「種」全体の保護をするための取り組みとは…
環境条約は地球温暖化、生物多様性、有害廃棄物など国境を越える環境問題に対処するための国家を越える環境問題に対処するための国家間で結ばれる国際的な約束だ。特に本稿で取り扱うのは…
「生物多様性条約(CBD)」「ラムサール条約」「ワシントン条約(CITES)」などのうち水鳥の生息地の国際的に重要な湿地に関する「ラムサール」条約。また有害物質・廃棄物管理の分野で「バーゼル条約」「ストックホルム条約(POPs条約)」(残留性有機汚染物質(POPs)の廃絶・制限)、「ウィーン条約・モントリオール議定書」が挙げられる。
◾️「生物多様性条約」…生物多様性の保全、構成要素の持続可能な利用、遺伝資源の利用から生じる利益の公平な配分を目的とする。
◾️「ラムサール条約」…特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約で、湿地の保全と賢明な利用を推進する。
◾️「ワシントン条約(CITES)」…絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引を規制。多くのイルカ種が付属書に記載され、商業的な国際取引が禁止または厳しく制限されている。
◾️「国際自然保護連合(IUCN)」…「レッドリスト」において、コガシラネズミイルカ(バキータ)など、多くのイルカ種を絶滅危惧種として認定し、保護の必要性を訴えている。
◾️「国連公海等生物多様性協定」…2026年1月17日「BBNJ協定(正式名称:国家管轄権外区域の海洋生物多様性の保全及び持続的な利用に関する協定:BBNJ)」が発効した。「国家管轄権」外区域の「海洋生物多様性条約」。2026年1月に発効。公海(国際水域)における海洋生物の保護区設置や環境影響評価を法的拘束力をもって実施する初の条約。
このような国際条約集の法規範で網をかけ遵守すべき「生物多様性」を反故にした殺戮マシーンに今やイルカが「カミカゼ」と称して自爆死させられている。戦場の動くコマとして傍若無人の人間のエゴの犠牲になっているのだ。
【3】「カミカゼ」と称される軍用イルカの海中自爆死
読者の皆さんは「軍用イルカ」という呼称をご存知だろうか。機雷を装備したイルカが体当たりで爆弾となり、ホルムズ海峡の米国の戦艦めがけて突進していく専ら海外の報道では「カミカゼイルカ」と呼ばれている。報告されたイランの公式見解では、イラン当局からの説明で説明があり彼らが政府内で関数を例に挙げると、今の見解では米国が経済的プレッシャーとして封鎖されている。しかし戦争行為として彼らはそれに応じて米海軍は応じようと思い、4月13日からイランの港を封鎖してきた。その封鎖のあとには石油6900万バレルを積んだ41のタンカーがあった。イラン当局にもこれを売り捌くことはできない。イランのリーダーシップを発揮したとしても財政的に本国に利益をもたらすこともできない。
[©︎The Sunday Guardian (2026年5月7日)]
イランは方向転換しようとしてきた。船舶用油を中国に鉄道でパキスタンやコウカサス経路を輸入してくる。
その封鎖が高度に攻撃的に米国の部隊が強制的に十分に投じることを約束したままの姿勢を維持する。イランはしかしそれらの代替カバーその港が唯一40%の通常処理の痛みが実際、その深化する強硬派機能では主張する派閥による明白な議論がエスカレートしていく。封鎖がテヘランでは望むことが増え続けている。戦争のためでなく、その異なるマニフェストとしてイランの意思決定者は改められた戦争を目にし始めるかもしれない。より安価であるために長期間の封鎖よりはハイドラバードのインドは公式にイラン政府との外交任務をSNSに出た投稿がWSJで報道された。
その投稿を端的に読むと、「彼らはついに秘密を漏らした。だからそれらは軍用イルカのことではないだろうか。」イルカはハーネスをつけられて爆発物を運ばされている。標的とする艦隊に近づく訓練を受けて潜水艦や船体に接触する地雷は着弾時に爆発し、敵のダイバーたちに攻撃させ敵の艦隊のために爆発物が運び出されていく。だから誰にそのイルカを泳いで自爆させたのだろうか?イランで始まったわけではないという疑問が浮かぶ。
しかし旧ソ、数十年以上もの間、軍事任務のための哺乳類海底機雷を探査する任務に着かされている。敵艦隊、それは冷戦の一つだった。よりたいていではない軍事的進歩を遂げたのは、旧ソ連崩壊の際にそのプログラムが通過したのは、ウクライナ海軍がそのクリミア半島のセバストポリ基地の状況である。
2000年3月ウクライナはイランにとって全体のプログラムを売り捌いたのである。27頭の特注爆弾を取り付けたハーネスを巻き付けた軍用イルカをイランの新たな海洋水族館でそのチーフトレーナーは他の研究を続けていく。このことは最初の決して軍用にイルカとして単に使う水中に配備されたわけじゃない。1987年にはイラン・イラク戦争ではその終焉までの間、タンカーは自国を守るために米海軍が敵の潜水兵からそれ自体のイルカをペルシャ湾に配備させて、イランの機雷を探査し、海軍艦隊を米国はその時、イランに対してイルカを使うことにしていた。イランは仕返しを考えているかもしれないが、報復を検討している可能性があり、米国もその脅威を認識しているわけではない。軍はすでに海中ドローンを配備している。海峡の中で機雷を無力化するためにスキャンし、イランは従来のオプションには制約がある。そしてその今、到達している冷戦プログラムへと数20年以上も休眠状態だった。
潜水艦、複数のインターネットケーブル、そしてイルカたちでさえ一頭もいない。米国が次の行動を検討している間も、現状維持を厭わない国の動きかたをしている。
[筆者コラージュ作成]
【4】「エコサイド(「eco + genocide)」(造語)に取り込まれるマングローブ
イラン戦争の渦中の今、中東の生態系イランのマングローブは最も明白に脅威に晒され生物多様性に人間が依存している生態系の現象の例えだ。
幅広く科学的見解イランのマングローブの生態系に引用されていた。「Acta Ecologica Sinica」で出版された中に潮汐水路が強く合成されたものだった。
そこでマングローブがイラン海岸を跨いで起こった生態学的になぜ、問題となっているのか?イランではアビシニア海によってしばしば支配的だった。
それらの生態学的価値は単にそれらが海のそばにある木々、マングローブが構造を生み出している。他にも移行している環境や製造している保護された水を生成し、魚類やカニ、有機物、微小生息地、軟体動物や多くの種の幼生期を支援することが漁業者にとって重要だ。
珊瑚のコミュニティーは第3回調査でペルシャ湾における、南部生物多様性や珊瑚礁が多くの熱帯雨林の生態系のためにストレスがかかるだろうという状況下で孤島周辺を含み複合的な場所に執着している。
このことは科学的に「窓」として重要だ。「レジリエンス(強靭性)」と限度がある。最近の査読済みの作品「Scientia Marina」は熱波と温暖化の傾向にあり、ペルシャ湾近くで合成された、「サンゴの白化現象」や焦点に当てなければならないのは、海洋がその地域で珊瑚礁の健康状態を再形成する。
イランの海草コミュニティーはその幅広い話を再び織りなした。珊瑚の健康状態はその地域のそれ自体の「生物多様性」のためだけではなく、珊瑚の構造が魚類の生態系を脅かしている。海岸ツーリズムの価値と生態学的にいくつかの設定で海岸線の保護と多くの魚類の生息地帯に影響が出ている。珊瑚の現象と物理的複雑性と生物学的に多くのサンゴ礁に関連する種族が侵食し得ることを助長している。リカバリーはしばしばゆっくり、特に熱ストレスを繰り返してきた状況下で。干潟と川口とは4種の習慣タイプであり、繰り返し生物学的な荷重支持として急がせた。河口や干潟に潮汐河川、そして河口水路が渡り鳥たちを支援する底生無脊椎動物、稚魚に至っては。
海底で野生の珊瑚が咲き乱れ、ジュゴンやクジラやイルカたちも悠然と泳ぎ回る美しかったホルムズ海峡、ペルシャ湾の大海原も今や連日、イラン間の戦場と化し、環境戦争犯罪が犯されている。連日攻防が続く「ホルムズ海峡」について「無害通航権」ばかりが取り沙汰されているが、「紛争と気候観測所(CEOBS)」の自然と規模を理解することが、環境的関連がある出来事と違った基礎的調査に取り組んでいることを同一視している。
生態系の数えきれないほどの事故や破壊が今や「ペルシャ湾」の海岸線を股にかけて起きてきた。湾岸には化石燃料工業による支配されていた地域―そこにはいまだに生息している。生態学的に重要な地域である。これらは以前の戦争でも損害を与えてきた。
今やイスラエルの燃料貯蔵所爆弾投下で、国際法を変動させ「エコサイド(「eco + genocide)」を構成している。住民らが健康状態やウェル・ビーイングに長期に及ぶ損害を被るという事態に直面している。イラン攻撃は土壌汚染や地下水が世代を超えた影響を及ぼしうるほど大規模だ。
軍事標的の攻撃はそんなミサイル基地のように有害物質を環境の中に放出する。炎、爆発が、かつて兵器でよく使ったことのある燃料、重金属、化学物質へと拡散し得る。「TNT爆弾(トリニトロトルエン)」のような「爆発化合物」も含むが、数年間その汚染された土壌のままであり得るし、潜在的に穀物、水、人間の健康状態にも影響を及ぼす。
ホルムズ海峡周辺を「無害通航路」で通過許可されたタンカー及び船舶が垂れ流す石油、化学物質、有害塩酸、ダイオキシンなどからイルカ、鯨、亀、アザラシなど中東の海洋生態系が破壊されつつある。戦争による攻撃がドバイ、アブ・ダビ、マンナマの港湾で、主に汚染と石油の流出で恐怖心を煽っている。
【5】生命線である水分や化石エネルギーを供給するプラントへの攻撃で海洋生態系を破壊
「海洋淡水化プラント」は1億人近くのための飲料水の供給を行っているが、致命的なプラントへの攻撃は汚染物質や水源に生息する海洋の生態系を破壊し、100万人の飲料水の供給を脅威に晒しかねない。「化石エネルギーインフラ」事故ではサウジアラビアの「ラスタヌラ製油所」が3月2日に起き、「アラブ首長国連邦(UAE)」の「フジャイラ港」では3日に起こっている。双方の出来事は報告されているだけで、イラン製のドローンによるものが引き起こされ、結果として直接攻撃とそれぞれの空爆を遮ってきた。そして生んだのだ。巨大な煙の柱を。そんな柱は粒子状物質、窒素酸化物、一酸化炭素、硫黄ダイオキシン、潜在的なダイオキシン、有害な有機化合物など、多環芳香族炭化水素(PHAs)と二酸化硫黄を含む。風下地域に健康リスクをもたらすだろう。
平時ではなく有事の中東海洋生態系の「安全保障」が脅かされている今こそ、「国連海洋法条約(UNCLOS)」「船舶からの汚染」194条3項(b)を筆頭に海洋汚染の汚染源との関係条約6例。「船舶起因汚染」211条、「海洋投棄起因汚染」210条、「大気起因汚染」212条、「深海底開発起因汚染」(208条)
上記、環境関連条項の3要件+「均衡性原則」(過度であってはならない)という法規の縛りは人間だけでなく生態学的損害からも法規範で保護できるか否か?
「環境戦争犯罪」による「環境損害」の救済と責任において「国家」は国際法上、「越境環境損害防止義務」を負っており「相当の注意」をもって他国、及び国際広域の環境への損害を防止できなければ国家はその義務の違反について責任を問われることになる。現在の米国・イスラエル戦争でイラン攻撃が報道にあるようにこれらが国連憲章上の「自衛権行使」にあたるか、「相当の注意義務」を逸脱した過剰な武力行使であるか否か?
上記の議論が成立する如何によっては、米国とイスラエルの攻撃の主に標的とされている標的には、イランの「核施設」でもある。放射能の放出などが由々しき事態は前出の「越境環境損害防止義務」に違反しないだろうか?
イスラエルと米国がイランに仕掛けている武力紛争のこの時には「環境に対する配慮義務」がある。「ジュネーヴ条約・第一追加議定書」第35条「基本原則」3項で「自然環境に対して広範、長期的かつ深刻な損害を与えることを目的とする与えることが予測される戦闘方法及び手段を用いることは禁止する」および同55条「自然環境の保護」1項では「自然環境を広範、長期的かつ深刻な損害から保護するために注意を払う」と規定。経緯として1976年「環境改変技術敵対的使用禁止条約(ENMOD)」がジュネーブ条約より先に策定されている。「ENMOD」第1条2項は「広範囲」「長期的」「または深刻な」(widespread/long-lasting/severe)「環境改変技術」を軍事・敵対的に使用することを禁止している。
【6】エリカ号事件のように油脂まみれの損害実態があるファクトとして環境損害賠償に訴えられず
他方「バンカー条約」は船舶所有者が損害の発生について「故意または認識しながらの無謀な行為」を行った場合、責任制限(賠償額の上限)を認めない「責任制限の阻却」を規定。傭船(運航者)への責任追及は米国の「1990年油濁法(OPA90)」では、登録船首だけでなく、裸傭船者(裸用船首)や運航者も責任を保持すると規定している。
[©︎INA Archive]
主だった国際条約の中に次を引く。「バンカー条約」(2001年の燃料油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約)」違反、または同条約に基づく責任追及に関する旧判例を以下に示す。
一例として「エリカ号事件(2000年)」が挙げられる。バンカー条約以前の事例だが、タンカーの事故において船主だけでなく、荷主(石油会社)や実質的な運航者にも重過失が生態学的損害を起こしたことが承認され、損害賠償責任が追及された有名な事例だ。これによって国際的な海事法制では船主への責任集中が否定される可能性が示唆されている。
当時のフランス「破毀院」の判決によると「民事責任法」と「刑事責任法」「国際法」その3体系でおりなす法理論を以ってしてでなければ、読み解けない。フランス「民事責任法」は「過失責任」から「無過失責任への移行」または主観的責任から客観的責任への移行が生じるのを目の当たりにしてきた。
時の裁判官は責任の原理を創り出したが、一方で「破毀院」の判断は独自のものであった。
判例の変化は、「フランス民法」第1382条を「根拠」とするものだ。また「無過失責任」は客観的責任の様々な原理を構築することを可能にしている同1382条「処為」の概念を根拠とすることもできる。
だが、生態学的損害が問題となる場合は否である。破毀院の判決の定義は全て損害になるわけではないとしているが、これは多くの事実審裁判官のように「自然破壊」の見過ごせない全ての悪化(「パリ控訴院2010年3月30日判決」)を対象とするパリ控訴院では意識されておらず、「環境に対して生じた一定の損害防止及び回復」に関する行政警察のレジーム(2004年4月21日EU指令を国内法化する2008年8月1日法)に由来している。
他方、「フランス控訴院」判決の裁判官の「生物学的損害」の定義は2点が注目に値する。
1)環境悪化の背後に生態系の中で現実化する機能をみれば、各自然的要素の劣化が進んでいるという事実を隠蔽すべきではない。
2)いかなる理由でも「科学的真実」には適合され得ない。明らかに環境損害に値するわけではないのである。
この大審裁判所判決ではフランス発祥地モルビアン県が主に海岸線に30000haの自然地域を説明し、もう一つは多くの種が、エリカ号の座礁から生じた662haの海面によって汚されたことを証言したからである。
「人」に対して忌避された損害と「環境」に対して忌避された損害との一般的な画定が生態学的損害の内容を明らかにすることだ。
本事案を受けて、生態学的損害の中に悪化の途を進む4つの損害区別が提案されている。
1)土壌及びその機能に対する損害 2)大気及びその機能に対する損害 3)水、水環境及びその機能に対する損害 4)生物種とその機能に対する損害
民事責任を問うていた日本の「バンカー条約」では必要だった「油濁賠償法」により、日本でも他締約国の裁判所の判決に基づき、損害賠償の強制執行が可能となった。これにより、被害者は日本国内で改めて裁判を行うことなく賠償の確保を図ることが可能になった。
エリカ号事故のように被害を受けた生態系の生物(この場合、海鳥など)が具体的に石油、油脂まみれの損害実態があることを確たるファクトとして「物的証拠」を掴み、実証しないと「環境損害賠償」に訴えることができない。
領海における「海洋汚染防止法令」の執行と「無害通航権」は国連海洋法条約(UNCLOS)に基づく、沿岸国の「主権的利益(環境保護)」と外国船舶の「航行の自由(無害通航権)」が衝突・あるいは調和する主要なテーマである。
第一に「無害通航権の原則」第二に「汚染行為と無害通航の停止」を規定する「有害な通航」は領海内において国際法で定めた基準に違反。故意に重大な汚染を引き起こす行為は「無害ではない通航」とみなされる。
それらの「対抗措置」として「無害でない通航」を行う船舶に対し、沿岸国は領海内での通航を停止する措置を取ることである。しかし沿岸国による法令執行の要件には「UNCLOS」の制限内でなければならない。通常、有害な汚染の証拠がある場合、情報提供を求めた上で立ち入り検査や送検が可能になる。
一方で「無害通航の妨害禁止」として沿岸国は、外国船舶の無害通航を「妨害してはならない義務」を負う。そこから導き出される単なる軽微な違反に対する強制執行は、「無害通航権」の侵害となる可能性がある。
日本における取り組みは「国際海洋汚染防止条約(MARPOL条約)」に基づき、海洋汚染など及び海上災害の防止に関する「海洋汚染防止法」を定め、領海を通航する外国船舶に対しても、油や有害液体物質の排出規制を適用している。
つまるところ、領海では「沿岸国の環境保護の権利」と「外国船舶の通航の自由」の均衡が取れており、「汚染防止法令」の執行は「無害通航」を原則として害さない範囲で行われる必要がある。
【7】世界中の地球市民たちが立ち上がる 日本を愛する在日35年のイラン人が望む平和
世界中でアメリカ・イスラエルのイラン攻撃とその応酬をし合って「停戦交渉」をしても、いつまでも終わらない。
トランプ氏の発言は二転三転して一体どこへゆこうとしているのか世界中が猜疑心を抱きながら反戦デモに加わっている。
[筆者コラージュ作成]
世界最大規模の動物の権利擁護団体である「PETA(People for the Ethical Treatment of Animals -動物の倫理的扱いを求める人々の会)」が、Animal Rights(動物の権利)を強く標榜し、現在起きている中東戦争に対しても過激な抗議活動で知られるスタンドアップ反戦デモを行っている。
「なぜ、沈黙を守るのか?人間のみならず、野生の、家畜もペットの動物たちもパレスチナで餓死している。「PETA」は政治的活動に抗議する。動物はいかに扱われる必要があるか?それこそが政治的に大いなる活動で、非常に重要な問題だ。動物は愛するべきであり政治的にならないように動物愛護の精神をもって行動を起こすことに、あなたは選ばれた」。
ある「PETA」の動物愛護反戦デモ参加者はこのように述べ、油脂まみれのまま呼吸ができず、永遠の深海へと旅立ったザトウクジラやジュゴンの遺体が沈んでいった。
「政府はなんの声明も出さず、殺戮を繰り返している殺人鬼だ」と叫びながらプラカードを掲げて街を歩き回り抗議した。
翻って我が国、日本でも2026年4月19日国会正門前総がかり大行動が催され「武器の輸出、絶対反対!!」とポップな曲に合わせながらスタンドアップマイクパフォーマンスをする生き生きした女性の姿が相見えた。
[©︎ニコニコ動画 中継]
続けて「武器の輸出、絶対反対!!」「武器の輸出、絶対反対!!」と反戦デモ参加者らの唱和が後に続く。「民主主義も楽しんでいかなければデモも根付きません。皆さん、楽しんでいきましょう!」と呼びかける声が晴天の国会正面前に響いた。
<結び>実際、日本に約35年間暮らすイラン人の方はどんな面持ちで今の情勢を見ているのであろうか。
[筆者撮影]
アム・ハサンさん(74)イラン産雑貨店を経営している在日イラン人の店主だ。ハサンさんの出立ちは全身黒帽子に黒服で、口髭から繋がる真っ白な長い顎髭を豊かにたくわえている。筆者が一見さんで訪れると、イラン産だというナツメヤシの実を2粒差し出してくれた。プルーンのような形をした味わい。店内にはピクルスやレモンジュース、ローズウォーター、いちじく、ピスタチオ、紅茶などが慎ましやかな佇まいの店内のショーウィンドウにぎっしりと並んでいる。ハサンおじさんの愛称で英語よりも日本語の方が流暢な人柄が地域の人々から親しまれている。
そのハサンさんは母国イランの置かれた現状を危惧する。「現地の友人らと連絡が取れない。ネット環境が悪くて繋がりが悪い。その前のイラン攻撃時はできていた。」と語る。
―イランの現状は?
「イランのアメリカの戦争は本当にイラン人にも敵がいる。イラン政府も良くない。先日、イラン政府もイランの民間人
を殺した。それは私の友人ではなかったけれど、皆、政府に反対している。今も反対すると『死刑』になる。(友人でない人も含めて)イラン人は皆、私の家族です。誰か反戦デモで反対の声をあげると、その場でイラン政府に殺害されてしまう。
―世論の有り様について
「戦争はたくさん、たくさん人間が殺され、建物が壊される。でも今のイランの状態はイラン政府が悪い。自分の保身のために動いている」。「イラン人には2つの敵がいる。イラン政府とアメリカが長い間紛争し理不尽で可哀想だ。」とした上で、
外の敵より中の敵の方がもっと悪い。アメリカも悪いけれど、イラン政府はアメリカよりもっと悪いです。私はイラン政府を認めない。」と強く意思表示した。
―アヤトラ氏の後継のモジタバ・ハメネイ師に交代してイラン政府は変わりますか?
「タモジチ師が(トップになってから)政策としてやっているのはお金を出して人を殺しているということ。(しかも)出ていったお金は殺害する度にタモジチ師の懐に入ってしまう。それは問題でそんな悪い政府を見たことがない。タモジチ師以上に悪い。政府は全部保身のために懐のなかにマネーを入れてしまう。そんな政府は要らない。」
―この件で日本人について思うことは?
「日本政府はイランを応援しないといけない。日本政府とイラン政府は友達になった。でも民間人を応援すればいい。今、日本人が皆イランのことを心配してくれる。たった2日で3万5000人殺害した。イラン政府がやっていることは「皆殺し」だ。
「国連は力がない。これ悪い、あれ悪い、の話だけで(機能不全状態)。みんな分かっているのに応援しない。」
―何か伝えたいメッセージは?
「新しい政府に代われば、イランは必ずよくなる。外国人もイランに優しいしイランも必ずよくなる。」
イラン人のことを好きになったら、イランのためになることを何かやっていく方が、なんでも皆な一緒にしてイランのことを考えていれば、イランの方を助ける方がいい。今もイランにいる自分の家族を助けるためにも、お金だけじゃない心からの応援を。世界中の皆に伝えたい。イランのことを考えて(市民だけでなく)日本政府もイランの応援をしてほしい。」
日本を愛する一人の在日イラン人のあげる「イラン戦争反戦」の呼び声。その声は僅かに掬い上げなければ聞こえない無辜の市民の声だ。
その訴えにも耳を傾け、デモだけではなく地球規模で平和のために行動していこう。
(文責・飛立)

