舌ブラシに要注意?味覚異常、細菌繁殖の原因になるとの声も

  by 中将タカノリ  Tags :  

ここ数年「口臭の原因である舌苔を取り除く」「口腔内の雑菌を取り除いて歯周病やウイルス感染を予防する」などもっともらしい効能をうたい急速な広まりをみせている舌ブラシ。

芸能人を使ったCMやアフィリエイト戦略も巧みで、いつの間にかスーパーマーケットやドラッグストアの定番商品となっているが、読者の皆さんの中にも愛用されている方が多いのではないだろうか。

 

しかし一方で、口臭治療に関する著作や研究で知られる本田俊一医師はこのブームに警鐘を鳴らしている。

本田医師はサイト『口臭解決のヒント』(http://www.age.ne.jp/x/rie-d/k293.htm)内で発表した記事中で

「(舌磨きに関して)素人の場合にそのようなことが平気でできてしまうのは、口の粘膜の特殊性を知らないからです。口腔内粘膜は、他の粘膜と違って、痛みに非常に鈍感なのです。理由は、解剖学的には口腔内の痛覚は他の粘膜に比較して非常に少ないからです。」

「しょっちゅう舌を磨く習慣のある人の舌粘膜は図ー2(ラットでの実験画像)のようにズタズタになっていることが考えられます。このような損傷を受けた舌表面粘膜は、ますます過敏になり、その上に化学製品である合成界面活性剤に暴露され続ければ状況は非常に悪化していくことが考えられます。行き過ぎると、舌表面から出血が起こったり、味覚異常が起こるようになるでしょう。」

 

とこれまでの研究、実験結果を提示した上で舌ブラシの有効性を完全否定しているのだ。

 

また、別の歯科情報サイト『歯チャンネル88』(http://www2.ha-channel-88.com/soudann/soudann-00039917.html)でも、ユーザーから寄せられた「舌ブラシは虫歯予防にも効果がありますか?」という質問に対して

「虫歯予防には全く効果がありませんし、歯周病治療には基本的なことで充分です。間違えると、舌を傷つけて表面の味覚が落 ちてしまう危険や、最悪がんなどになるという話も聞いたことがあります。」( 国際ビル歯科 相良俊男医師)

 

 

「私が教わったスウェーデンのイェテボリ大学の講義では、舌を磨くと、舌の表面にある舌乳頭が長くなり、より細菌が繁殖しやすい環境になる為、基本的には磨かないほうが良いとのことでした。」(美江寺歯科医院 小牧令二医師)

など回答した5人の医師全員が否定的な見解を述べ、歯周病の予防効果についても大半が疑問視している。

 

舌ブラシの宣伝に協力し効能に太鼓判を押している医師も多数いるので、今回紹介した意見と比べどちらが正しいかと断定することはできない。しかし実際に舌ブラシを使用してなんらかの結果を得るのは末端の消費者だ。どんな器具にでも共通することだが、使用に当たってはよくよく調べて検討し、納得した上でなくてはならないだろう。

 

 

※画像は『口臭解決のヒント』『歯チャンネル88』から引用いたしました。

中将タカノリ

■シンガーソングライター、音楽・芸能評論家 ■奈良県奈良市出身 ■1984年3月8日生まれ ■関西学院大学文学部日本文学科中退 2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。 歌謡曲をフィーチャーした音楽性が注目され数々の楽曲提供、音楽プロデュースを手がける。代表曲に「雨にうたれて」、「女ごころ」(小林真に提供)など。 2012年からは音楽評論家としても活動。さまざまなメディアを通じて音楽、芸能について紹介、解説している。

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