生活用品メーカーのタケヤ化学工業は、「ボトルスリング」を発売開始した。ボトルスリングとは要するにボトルケースのことだ。素材はクロロプレンゴムで、いわゆる合成ゴムだ。強度が高く天然ゴムのようにある程度は伸びるので、同社のフラスクシリーズ・サーモフラスクシリーズ1.17Lまで対応している。
持ち手部分はベルトになっていて、バックルをそのまま接続すれば手持ちができるようになっている。記者は実際に使用するのにサーモフラスク 0.7Lのホワイトをボトルスリング ブラックに入れてみた。0.7Lでちょうどピッタリのサイズで取り出しも簡単にできる大きさだ。
バックルを外せば、延長用のベルトを接続できる準備が整う。
外したバックル部分に延長ベルトを接続すると一気に長くなるので、肩掛けやたすき掛けができるようになる。ボトルは現代風のデザインでスタイリッシュだが、ケースに入れて延長ベルトを接続すると昔懐かしい、子供のころに使っていた「水筒」に早変わりだ。昔懐かしいとはいえ、このスタイルは非常に実用的だ。では実際に持ってお出かけしてみた。
秩父へGO!
池袋から西部鉄道の特急に乗車して秩父まで行ってみた。目的地はさらに奥地の山にある三峰神社だ。東京都内は暑くはないが11月でも寒くはなく、しかし三峯神社あたりは多少気温が低いだろうと予想した。しかし、若干の山登りの要素もあり、徒歩で体力を使うことは予想できたので、暑いお茶ではなく、冷たい紅茶をストレートで氷を詰めて出かけた。
手持ちができる状態で撮影してみた。山歩きには不向きだが、電車での移動中に水分補給するにはこのスタイルが良い。頻繁に飲むわけではないので、まだ空いているリュックに入れて必要に応じて取り出すスタイルだ。現地での買い物や持って帰るものを考慮して往路のリュックは容量を空けてあるから水筒を入れる分には問題はない。
ちなみにたすき掛けができる延長ベルトを接続するとこうなる。民生用に限らず、装備が多く重い軍用の水筒も何らかの形で外部で持てるようにケースやベルトが付いていることを考えると、このスタイルは理にかなっていると言えよう。
三峯神社
西武秩父駅からバスで約80分で三峯神社に到着するはずだったが、日曜日に行ってしまったので駐車場渋滞でバスが動かず途中で下車して歩く乗客も多い。この区間はフリー乗降区間でどこでも乗降できるので、渋滞した場合はこの制度を利用して徒歩で向かう乗客も多い。記者はものぐさなので、駐車場入り口まで粘って、そこで下車して歩いた。ちなみに運転士によると、駐車場渋滞は1キロメートルで1時間という計算で概ね所要時間が計算できるらしいので、行く方は参考にしていただきたい。
三峯神社は関東有数のパワースポットで、有名なのは「氣守り」というお守りだ。拝殿の下にある御神木から気をいただき守護してもらうお守りで、これを求めに参拝する人も多い。しかし、もっとパワーが必要な場合には、三峰神社の神様のお使いである「オオカミ」を1年間借りることができる。詳細は本稿の主旨とはずれるので割愛するが、御眷属拝借(ごけんぞくはいしゃく)といえば、御祈祷受付所で案内してくれる。箱の3つの穴はオオカミ様が呼吸するための空気孔とされている。
都内ではまだ見ることが難しい紅葉があちこちで始まっており、写真撮影にも最適なスポットだ。一眼レフで撮影する場合は、絞りを絞って遠近どこにでもピントが合うようにすると風景画としてはバランスが良い。
秋の代表的植物であるススキに焦点を当てるために、絞りを開放にしてススキにピントを合わせると、それより遠近のものはすべてボケるので楽しい写真になる。ちなみに、なぜこのような写真を撮りながら参拝したのかというと、駐車場までバスで登ってこれるとはいえ、そこから拝殿までさらに階段やゆるい上り坂を歩かなくてはならない。歩くのが嫌いな記者は幾度となく写真を撮るふりをして休憩しながら歩みを進めたからに他ならない。当然だがしんどいので、気温は秋そのものだがクールダウンも必要で、その際にはたすき掛けしたボトルから冷たい無糖紅茶を流し込んでいたというわけだ。
肩には1年間拝借した御眷属が入った箱を詰めたリュック、一眼レフカメラが重くのしかかり、とてもではないがいちいち荷物を降ろしてボトルを取り出す体力はない。たすき掛けでステンレスボトルのキャップを開けるとすぐに冷たい飲み物が飲め、そのままぶら下げておけばOKなのは何と楽なことか。短い秋だが、ハイキングやお出かけ、子供の高機能な水筒にと大活躍しそうな「ボトルスリング」だった。
※写真はすべて記者撮影