仕事柄、アイドルサイトを巡回することがある。特に情報収集で閲覧するのが“まとめサイト”だ。乃木坂46関連の情報サイトがいくつか存在するが、これらは乃木坂のファンには悪名高いサイトで知られる。
そもそもこうした“まとめサイト”は、5ちゃんねるの「乃木坂」掲示板の書き込みをいくつかピックアップし、一気に「まとめ読み」できるというもの。
ここではコメント欄も解放されているが、なかなかに辛辣なコメントで彩られている。だが、中にはこうした心を突きさすような発言をしても「エンターテイメントだ」と言ってはばからない勇者もいる。
ユーザーが開き直るのも当然で、これらのサイトはより耳目を集めようと、煽情的な題名をつけている。どうやらPV(ページビュー)を稼ぐための手段であるらしい。しかも、わずか数個の書き込みを拾い上げてタイトルづけすることで、大勢のユーザーが指摘しているように見せかけている。
そもそもこの「乃木坂」の板も、誹謗中傷で日々荒れている。容姿への罵詈雑言や出身地への偏見、番組での発言へのバッシング、さらにはメンバー同士の対立を煽るような書き込み、さらにはオンラインイベントのチケットが売れないメンバーへの軽蔑、侮蔑など、3つの坂道グループの中で最も酷い。
以前は、生駒里奈、大園桃子、新内眞衣らグループメンバーがこうしたネットバッシングに対して私見を述べたこともある。総じてアイドルを取材していて思うのは、エゴサーチしないアイドルはいないということだ。つまり誰しもが日々傷ついているということだ。
しかも悪質なのは、こうした種々の書き込みを自動生成されたスパムアカウントが拾い上げ、X(旧Twitter)上に大量投稿しているという事実だ。
乃木坂46と言えば森永製菓やサンヨー食品などナショナルスポンサーがついている優良グループ。ネット環境への対応策に乏しい結成時ならともかく、旧態依然としてこうしたアンチの暴走を放置している乃木坂運営の怠慢は、クライアントの目にどう映るのだろうか。
先ごろ、ネット上での誹謗中傷について、申請からおよそ1週間で削除することなどを求める対策案を総務省の有識者会議が取りまとめた。心の殺人と言われる誹謗中傷。犠牲者が出ないうちに早急に対処してほしいものである。