日本の民間月面探査プログラム『HAKUTO-R』。2023年4月26日未明、月面着陸を予定していたが、着陸直前に電波が途絶えた。その後の調査で、墜落した可能性が高いことが判明している。
失敗は失敗ではなく成功への一歩
着陸の失敗は「失敗」ではなく、成功への一歩。多くの人たちが今回のミッションを成功ととらえ、次の成功、そしてまたその次の成功も祈っている。そこで気になるのは、HAKUTOは今どのような状態になっているのか? という部分だ。
オービターがHAKUTOが墜落した月面を撮影
HAKUTOが墜落した翌日、NASAの月周回無人衛星ルナー・リコネサンス・オービターがHAKUTOが墜落した月面を撮影しており、その画像がインターネット上に公開された。公開された月面の画像は、墜落前と墜落後のもの。見てみると、墜落前は平坦に見えるが、墜落後には破片のようなものが散らばっているのが分かる。
<NASAの公開コメント>
「2023年4月26日、NASAの月偵察オービター(LRO)宇宙船は、狭角カメラで着陸地点周辺の10枚の画像を取得しました。画像はおよそ40km×45km (約25マイル×28マイル) の領域をカバーしていました。LROカメラ科学チームは、着陸試行前に取得した画像を使用して着陸船の捜索を開始しました」(Google翻訳)
「LROカメラチームは、一時的な画像ペアから、名目上の着陸地点付近で異常な表面の変化を特定しました。この画像には、少なくとも4つの目立つ破片といくつかの小さな変化 (北緯47.581度、東経44.094度) が示されています。上の画像の中央の特徴は、左上にいくつかの明るいピクセル、右下にいくつかの暗いピクセルを示しています。これは近くの岩とは反対であり、これが小さなクレーター、または着陸船本体の別の部分である可能性があることを示唆しています。LROはさまざまな照明条件や視野角の下で追加の観察を行う機会があるため、この現場は今後数か月間さらに分析される予定です」(Google翻訳)
HAKUTOの破片と思われる部分にA~Dの記号
インターネット上に公開されているオービターの画像は高精細ではないが、それでも墜落後の写真に何らかの物質が写っているのが分かる。NASAはHAKUTOの破片と思われる部分にA~Dの記号を付け、わかりやくす解説している。
NASA「今後数か月間さらに分析される予定」
NASAはHAKUTOに関して「今後数か月間さらに分析される予定」とコメントしていることから、より高精細で、より興味深い画像が新たに公開される可能性がある。NASAの今後の続報に期待だ。
※記事画像はNASA公式サイトより