株式会社KADOKAWAが配信している小説『ダークエルフ物語』シリーズ全12作品が、近日中にすべて配信停止となる見込みだという。
文化庁の裁定で認められた販売数の上限を超えての販売
『ダークエルフ物語』はKADOKAWAが文化庁長官の裁定を受けて復刊、販売、配信をしていたが、文化庁の裁定で認められた販売数の上限を超えての販売をしていたことが判明したとのこと。それにより配信停止に。以下は、KADOKAWA学芸ノンフィクション編集部の公開コメントの一部引用である。
<KADOKAWAの公開コメント一部引用>
「電子書籍として2019年3月より販売している海外ファンタジー小説『ダークエルフ物語』シリーズ全12作品と『【合本版】ダークエルフ物語 全12巻』につきまして、電子書籍の配信を停止させていただくことになりました」
「弊社では、下記4作品(①〜④)に関しまして、訳者である風見潤氏の訳文を、「著作権者不明・著作権継承者不明」として、文化庁長官の裁定を受け、復刊・販売・配信を実施してまいりましたが、2023年3月29日、下記①~③の3作品に関しまして、弊社が2018年に文化庁の裁定により認められた「販売数の上限」を超えての販売がなされていたこと、また、著作権法上の規定にある、裁定申請中の著作物の利用に係る複製物である旨及び裁定の申請をした年月日について、下記の①~④の電子書籍内に、表記をしていなかった事が同時に判明いたしました。読者の皆様をはじめ関係各位には、多大なご迷惑をおかけいたしますことを深くお詫び申し上げます」
「紙書籍と異なり、電子書籍のダウンロード数(販売数)は出版社での部数コントール及び把握が難しく、弊社が認識する前に対象3作品が規定の販売数を超えた次第となります。本件につきましては、弊社で配信停止の対応を開始いたしました。当該措置により、①~④の配信は、近日中に全て停止される見込みです。また、⑤につきましても、混乱を招く可能性があることから、あわせて配信停止の対応を開始いたしました。これにより、電子書籍版の『ダークエルフ物語』シリーズ全12作品と『【合本版】ダークエルフ物語 全12巻』の配信は、近日中にすべて停止となる予定です。」
<配信停止作品(電子書籍)>
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▼停止措置作品
①『ダークエルフ物語4 アイスウィンド・サーガ〈1 悪魔の水晶〉』
②『ダークエルフ物語5 アイスウィンド・サーガ〈2 ドラゴンの宝〉』
③『ダークエルフ物語6 アイスウィンド・サーガ〈3 水晶の戦争〉』
④『【合本版】ダークエルフ物語 全12巻』(上記の①~③を含む作品)
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▼あわせて配信停止とする作品
⑤『ダークエルフ物語』シリーズ 1~3巻、7~12巻
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ファンにとって朗報といえる?!
ファンにとって悲しい報告となっているが、ここで新たな展開が。KADOKAWAによると、従来の風見潤さんの訳文ではなく、羽田紗久椰さんによる新訳を採用し、新刊として復刊する予定だという。しかも2023年内に! 仕事が早い。これはファンにとって朗報といえるのではないだろうか。
新訳の復刊に期待
そもそも、文化庁の裁定により認められた「販売数の上限」が存在することを初めて知った人も多いはず。どうであれ、ファンにとって悲しい結末にはならない展開で良かったといえそう。新訳の復刊に期待である。
下記のご報告を弊社公式サイトに掲載いたしました。
大変申し訳ございません!(この個人アカウントではご回答できないので、ご質問等は下記の指定の窓口にお願いします)→電子書籍版・小説『ダークエルフ物語』シリーズの全作品の一時配信停止のご報告とお詫び | KADOKAWAhttps://t.co/CCQQgDOxyk
— 編集委員クドー(個人的つぶやきアカウント、KADOKAWA所属ですが社を代表するものではありません) (@digi_neko) April 24, 2023
もう名前が出ている…
The Crystal Shard(『ダークエルフ物語 アイスウィンド・サーガ1〜3』)の翻訳を進めています。
映画にも出てきたアイスウィンド・デイルが舞台の作品、新規の方にも一日も早くお届けできるよう頑張ります〜 https://t.co/jSeWH8nc9q— Sakuya Hada (Sora) (@konohana_trans) April 24, 2023
※記事画像は株式会社KADOKAWA公式サイトより