初回の個人視聴率は1.9%! 新スタート『ぽかぽか』は『笑っていいとも!』を超えられるか

  by 田中周作  Tags :  

9日から始まったお昼の生番組『ぽかぽか』(フジテレビ系)の初回視聴率が判明した。世帯は3.3%(ビデオリサーチ調べ、関東/以下同)、個人は1.9%という結果になった。初回は業界でいう「ご祝儀」といって、それほど興味がない人でも見てくれるという効用がある。また9日は成人の日、祝日ということもあったことも多少は影響しているのかもしれない。ちなみに昨年12月、わずか8か月で終了した『ポップUP!』の最終回は世帯1.5%、個人0.7%だった。

番組を見て分かったのは、スタッフは、2014年まで32年続いた『笑っていいとも!』(同系)を意識しているということ。生放送の収録場所は、かつてのスタジオアルタからフジテレビの社屋に移ってはいるが、観覧客もきちんと入れ、一体感のある作りを目指していた。

前半1時間は、同日の夜から始まるドラマ『女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~』(同系)から、主演の北川景子、また相手役の山田裕貴が登場し、スタジオ生トーク。続いては、新成人ラッパーが、産み育ててくれた母へ感謝のラップを伝えるコンテスト。その他には、ネコ好きのハライチ岩井勇気がひたすらネコとじゃれあうコーナー、平愛梨&野呂佳代&菊地亜美といった芸能人妻の昼飲みトークなど、情報に偏ることなく繰り広げられていた。

総合演出の鈴木善貴氏は、同局で『さんまのお笑い向上委員会』『ホンマでっか!?TV』を担当し、かつては『アウト×デラックス』も手掛けてきた経歴の持ち主。業界的には「攻めながらも、どこか王道」の番組作りをするクリエイターで知られる。

ちなみに現在募集中のコーナーとして「バツ2以上のお見合いバスツアー」「知名度は問わない芸能人カップル」を掲げているあたり、前枠の『ポップUP!』(同系)の路線でも、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)が貫く徹底した女性ウケ路線でも、『ラヴィット!』(TBS系)という芸人番組でもない路線を見出そうとしているのかもしれない。

そして、募集中のコーナーに見え隠れするのは、やはり「おもしろ素人」を発掘してきた『いいとも』イズムだ。 テレビを面白くしてくれるのは、実はタレントでもなく、規格外の素人。そうした鉄板の鉱脈を『ぽかぽか』もうまく掘り進められるかどうかが、今後の成功のカギとなるだろう。

ライター。