京大「医学部」に合格するための一考察
私が50代で京大二次を7回受けて、得点獲得率が「81%」に達した時にSNSで成績を公開しまして、
「これって、日本一を名乗っていいでしょうか?」
と挑発させてもらいました。アメブロだけで1000人以上のフォロワーがいるので多くの人に声が届いたと思います。
すると、数通のメールが届いて
「私は82%だった」
と書いてあるものもありました。
本当かどうか定かではありませんが、それでもたったの1%の差。京大の最高得点は総合点でしか発表されていませんし年度によって変動がありますが、たいていは8割くらい。だから、私の81%は全受験生のトップクラスであったことは間違いありません。
京大医学部をめざす受験生の方の目標は「80%」と考えてよいでしょう。
この80%を取るどうしたらいいのでしょうか?まず、多くの方が手に取るのが河合塾や駿台・東進の過去問の“模範解答”でしょうね。比べてみましょう。
2022年度、京都大学二次試験、一番(2)「和訳」の模範解答(書き出しのみ)
〇河合塾
「地球規模の変化」という当たり障りのない名前の付いたものの速度はあまりに速いので、地球の歴史上それに比肩しうる例はほんの一握りしかなく
〇駿台
「地球変動」と穏当に名づけられているものの進行があまりに速いために、地球の歴史においてそれに匹敵する例はほんの一握りしかなく
〇東進
「地球変動」というのは、表現こそ物柔らかであるが、その速度はあまりにも速いので、地球史上これに匹敵する事例となるとほんのわずかしかなく
どうです?全く同じ英語の問題文をプロの予備校講師が解答を作ってもこれだけの違いが出ます。この全てが最高点の81%に達するのでしょうか?私にはそう思えません。
名古屋の有名予備校で10年以上の指導経験があり、そこで多くの予備校講師に出会いましたが、京大卒の講師に会ったことがありません。たとえ京大卒の講師でもボーダーは65%くらいです。平均的な合格者は70%前後ですから、80%をめざす医学部受験生の指導をするには力量不足です。
京都大学の英語の問題は、ほぼ全てが「和訳」と「英作文」です。過去問をやって答え合わせをしようとすると、たちまち困る。なぜなら、自分の書いた解答が何点とれるか分からない。先ほどの“模範解答”と一字一句照合するなんてナンセンスでしょう?本当に“模範解答”で8割を超えられる保証もありませんし。
では、誰かに採点してもらいますか?「Z会」の添削を思い浮かべる人がいます。それで、私はZ会の「京大即応」というのを8年間やって添削の方法を研究しました。 でも、その添削に納得がいきませんでした。
一般に「添削」と呼ばれるシステムでは採点官と直接質問ができません。また、どんな英語力の方が添削しているのか公開もされていません。私はz会で「六段認定証」というのをもらいましたが、英検1級の自分の方が英語力は上ではないかと感じていました。
念のために河合塾、駿台の「京大模試」も10回受けてチェックしましたが、採点方法はZ会と同じ感じでした。なぜ減点されているのか質問ができないし、誰が採点しているのかも分かりません。
でも、それは「ないものねだり」であることも知っていました。そもそも英検1級を持つ教師や塾講師の数は少ないし、京大医学部卒の講師なんていうのはもっと数が少ないでしょう。だから、私のように名古屋大学卒や大阪大学卒の講師でもマシな方というのが現状です。
実際、私は京大に落ちて同志社に行った講師が「京大コース」で指導しているのを見ました。英検準1級の講師が1級に合格している帰国子女を指導しているのを見たこともあります。
そこに気づいた本気の京大医学部受験生が私のような無名の田舎の塾講師に添削を依頼してきてくれるわけです。そのお蔭で10年連続京大合格者がでました(4名の医学科合格を含む)。
高木繁美
「高木教育センター」塾長。名古屋大学卒業後、アメリカユタ州のローガン中学校で教師をした後、帰国。英検1級、通訳ガイドの国家試験、国連英検A級、ビジネス英検A級などに合格。少林寺拳法二段。ジャッキー・チェンの前でヌンチャクを披露したことが自慢。「私の京大合格作戦」(エール出版)2020年度版から2022年度版に漫画化されて掲載。チャットワークを用いた質問無制限の通信添削を全国の難関校受験生対象に募集中。「高木教育センター」検索。