ダウンタウン松本人志が怒っている。彼の逆鱗に触れているのは、2度目の全国放送となった8日の『千鳥の相席食堂ゴールデンSP』(テレビ朝日系)の世帯平均視聴率が5.8%(ビデオリサーチ調べ、関東/以下同)で、前回の全国放送より1.1%下がったことを報じる記事だ。これに対し松本は、「コア視聴率はしっかり取っている」と記事に噛みついたのだ。
これぞ勉強不足のバカライター。
コア視聴率はしっかりとってる。
じゃないと第二弾あるわけない。 https://t.co/6a9mBZYWqi— 松本人志 (@matsu_bouzu) June 15, 2021
https://twitter.com/matsu_bouzu/status/1404780035152637956
これぞ勉強不足のバカライター。
コア視聴率はしっかりとってる。
じゃないと第二弾あるわけない。
松本は以前の『ワイドナショー』(フジテレビ系)でも、「世帯視聴率にばかりこだわって、若者がぬるいと思う番組ばかり作っていた」と業界全体の怠慢を批判している。
例えば、相方・浜田雅功が司会を務め、高視聴率とうたわれる『プレバト!!』(TBS系)は若者層に限ると、他番組よりあまり見られていないことが分かっている。逆に世帯が低くてもコアの獲得に成功しているのは、『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系)や『水曜日のダウンタウン』(TBS系)だ。
だがそんな「コア礼賛」の流れの中で、極端なことを言えば高齢者を見捨てて、テレビから追い出すという風潮には個人的には賛同できない。本来、テレビはターゲットを絞って作るようなメディアではないからだ。
このように厄介な、世帯視聴率とコア視聴率の問題だが、さらに加えてややこしくしているのが、いわゆる見逃し配信の再生回数だ。例えば、今年1月クールに放送され、視聴率的には散々と叩かれた水曜ドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系)。だが第1話の「TVer見逃し配信」の再生数が約200万回と、日本テレビの歴代ソフトで第1位を獲得している。
そこへきて、各番組は、いかにネットをバズらせるかということにも注力しており、いわゆるTwitterの投稿数の多さに重きを置くむきもある。期間限定で放送されていた『千鳥vsかまいたち』(日本テレビ系)では、トレンド1位を獲ろうという企画まであったほどだ。
つまりは今、様々な指標が混在し、「人気番組」が一体何なのか、よく分からなくなってきているのだ。逆に言えば、それだけ打ち切りへの危機感が以前よりも薄れている。いずれにしても、視聴率を伝える側、テレビを作る側、どちらもこの視聴率というものについて改めて考えなければならない、過渡期にあるのではないだろうか。一方で、視聴率なんて関係ない、面白ければいいという考えもある。何にしても、悩ましい問題である。