米国のDuolingo Inc.が提供する語学アプリ「Duolingo」の新機能として、日本語話者向け韓国語コースを開始している。
同アプリの日本語版(日本語話者向け)は従前から英語を学ぶことができるコースがあったが、そこに韓国語が加わった形である。
韓国語コースでは、英語コース・中国語コースと同様、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキング練習すべてを含むレッスンが用意されている。
このコースをローンチから約1か月、韓国語超初心者の女子と使ってみたのでレポートする。
成果は本来であれば韓国まで行って試すべきであるが、昨今の状況では渡航はできないので新大久保で実践してみた結果もレポートする。
記者らは無料版しか使用していないので、そもそも1日に利用できる学習には制限がある。もちろん広告を表示させたり、ポイントを稼いだりすると進める学習も増えるが、課金はしていないので有料での使い勝手は検証していないことをあらかじめお断りしておく。
さて、学習はクイズ形式で答えはタップするだけなのでそれほど難しいことはない。
さまざまな課題をクリアすればボーナスがもらえるので、それを利用して次に進むこともできる。無料版での広告はうざったいのは事実だが、無料アプリとはそんなものなのでさほど気にならないようになるだろう。快適に本格的に学習したい向きには課金すればいいのかもしれない。
記者の韓国語のスキルは看板やメニュー等ハングル文字が読める程度、あいさつや旅行程度であればなんとかなる程度である。一緒に学習した女子は高校の語学で英語のほかに韓国語があったのでそこで少し学んだ程度だ。大学の第二外国語を履修してもほとんどわからないのと同程度だと思ってもらってよい。記者もドイツ語を選択したがアルファベットがドイツ語で言える程度で何の役にも立っていない。その程度でる。
しかし日本人で韓国に留学経験のある韓国語も普通に話すことができる人に聞いてみたところ、このアプリをまったくの初心者が使うには準備が必要とのアドバイスを得た。
記者らは少なくとも文字がわかるので、アルファベットを知っていて英語を勉強するのとスタートラインは同じだ。しかしまったくの初心者の場合、ハングル文字がわからないのでまずはそれを読めるようにならなければスタートラインに立てないということだった。幸いにもハングル文字は発音記号の組み合わせなので覚えるのは比較的楽だ。発音はともかく、カタカナ読みでも読むことができればしめたもの。
よって少なくともカナダラ表(日本語でいう50音表)は覚えて、日本語にはない発音があるもののカタカナ読みでも構わないのでそれが発音できないと本アプリを使い始めるのは無理だろう。
ハングル文字が読めるようになれば、駅や電車内の多言語表示駅名は韓国語でも読めるようになる。ただしそれは固有名詞の話なので、他の品詞や表現方法は本アプリで身に着けるのがよい方法だろう。
アプリそのものはよくできていて、発話も比較的明瞭で聴き取りやすく、ごく簡単な問題からちょっと悩む問題まで多彩だ。
女性はiOS版を、記者はAndoroid版を利用したが、iOSでは問題なく動作した場面でもAndoroidでは動作しない場面があった。これは機種によるだろうからアップデートで解消されるのを待つしかない。アップデート頻度は高いのでそれほど致命的ではないものの、記者のスマホではマイクを通じてレッスンするスピーキングは機能しなかった。
実践!新大久保へ!
そうしてお互いに1か月間のレッスンをして、新大久保に向かった。
実は新大久保は日本最大のコリアタウンのひとつだが、内情は以前とは大きく変わっている。すなわち韓国料理店に入って韓国人店員をつかまえて韓国語で注文しようとしても、スタッフは韓国人ではない外国人であることが多いのだ。
そこで、キッチンカーで露店を営むお店を発見して、店主に事情を説明して韓国人であることを確認したうえで撮影することにした。もちろん店主には日本語を一切話さないようにお願いしてある。
店内には我々と、韓国語がペラペラの日本人カップルだけ。では実践した成果動画をご覧いただこう。
Duolingoで韓国語を1か月学習した成果を新大久保で試す!
https://youtu.be/r1FvJxIfI7g
同席していた韓国語ペラペラのカップルが、韓国式の酒飲みゲームを教えてくれて、それをやりながら焼酎をしこたま飲んで帰った。
本アプリを使用するためには前述した通り、下準備が必要だがそれさえやってしまえば比較的上達は早いと思った。記者が聴いても区別がつかない発音もアプリのおかげで違いが分かるようになったり、日本語や漢語からの借用語がまだまだ多い韓国語の中で語彙を増やすことにはかなり寄与できると感じた。テーマ別のレッスンもあるので、勉強するスタイルにマッチする項目から学習することができることもメリットだろう。
渡航して習得した韓国語を実践するにはまだまだ時間を要するだろうが、ドラマや映画のセリフの表現を原語でニュアンスだけでも理解できれば楽しみ方が倍増するのではないだろうか。
※写真および動画はすべて記者撮影・収録