「笑えない」「見たくない」「飽きた」などと言われながらもブレイク街道をひた進むフワちゃん。『2020年~2021年の年末年始TV番組出演ランキング』(エム・データ調べ)によれば20番組に出演し、堂々の3位につけた。その勢いが今年も続きそうな“変化”を挙げてみよう。
実はイイ人キャラ
ここ数年の芸能界のトレンドは「嫌われ者の逆転現象」。田中みな実しかり、出川哲朗しかり、それまで毛嫌いされていたタレントのイメージが、まるでオセロゲームのようにすべて「好感度」にひっくり返る。
フワちゃんも、最初はタメ口で空気も読まず暴走するといった負のイメージしかなかったが、様々な番組に出るようになったことで「真面目」「一生懸命」「真っすぐ」といった別の素顔が見え隠れするようになった。
『アイ・アム・冒険少年』(TBS系)の無人島から有人島までいち早くゴールする企画「脱出島」企画での“ひたむきさ”だったり、『セブンルール』(フジテレビ系)で、自分のインタビュー原稿を「自分の喋り言葉じゃないと伝わらない」と細かくチェックしたり、『うわっ!ダマされた大賞2020』(日本テレビ系)で、本当はキレるつもりで来たデヴィ夫人をカメラが回ってないところで気遣ったり。しばらくは「そうは言っても、実はいい人」というネタで長持ちする気がする。
YouTuber芸人という肩書きが取れた
当初、彼女を紹介するときにつけられていた肩書きは「YouTuber芸人」。制作側も、何だかよく分からないけどその肩書きに飛びつき、さらに彼女を紹介するときは必ず「YouTuber芸人」とつけていた。だが、次第にその肩書きを言わなくても視聴者が分かるようになった。
さらに彼女はいわゆる純粋な「お笑い芸人」のように、センスのあるギャグを言うわけでもない。そして実質、自身のYouTubeチャンネルの更新頻度はテレビで忙しくなり減少している。つまりYouTuberでも芸人でもない、「フワちゃん」という一つの存在として見てもらえるようになったのだ。
大物転がし
人気が出るにつれて、ビートたけし、明石家さんま、ダウンタウンといった大御所のお笑いMCと仕事する機会も増え、さらには和田アキ子、黒柳徹子、マツコ・デラックスと、テレビ界の主要メンバーとも共演。ついには小池百合子東京都知事とも対面を果たした。
つまり「彼らから認められている」ことで、芸能界でのランクを上げることができ、単に一過性のタレントではないことを示すことができる。あとは西の女帝・上沼恵美子に好かれることだ。
続いては懸念材料を挙げていこう。
レギュラー番組の確保
YouTubeも彼女のプラットフォームと言い切れなくなった今、レギュラー番組の確保が必要となる。彼女を輩出した『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ系)は一応レギュラーとも言えるが、申し訳ないが心もとない。マツコから「子ども番組をやったら」と薦められていたが、まさしく「フワちゃんの~」とつく冠番組が1つでもあると、よりポジションが強固なものになるだろう。
話題の提供
ポジティブで明るいタレントとして思い出すのがオードリー春日俊彰だ。彼もまた「春日」という1つのキャラが確立している。だが彼が長持ちしたキッカケは、ブレイク直後に「節約キャラ」が見つかったこと。さらにその後も、部族ロケや、水泳やボディビルといったスポーツタレント化するなど、とにかく「脱皮」し、「進化」してきた。
フワちゃんもある程度の「キャラ変」をすることで世間にいろいろな一面を見せていけると思う。服のデザインを始めるとか、何か別の支持層を増やすことだ。出川が『世界の果てまでイッテQ!』(同系)で海外の人に“出川イングリッシュ”を披露して人気が出たように、フワちゃんも高いコミュニケーション能力で外国人に人気が出そうなタイプ。帰国子女だけに英語も堪能である。彼女のロケ企画が見られるように、早くコロナが明けてほしいものだ。