19日放送の『ワールド極限ミステリー』(TBS系)で、トンデモ映像がオンエアされた。それが、見つめるだけで人を眠らせる犬、というものだ。
番組では、お笑いコンビの銀シャリが、そんな“催眠犬”が、イギリス・ロンドンから車で4時間ほど離れた地方都市リーズにいると聞いて直行。クリスティーナさんという女性が飼っている「プリンセス」という11歳の犬の目を見ると、たまたまアイリッシュパブに居合わせた人々が倒れこむようにして寝てしまったのだ。しかも、リポーターであるはずの銀シャリ・鰻和弘も犬の目を見るや“瞬殺”。先に寝ていた中年男性の隣に倒れ、いきなりイビキをかいて寝てしまった。だが相方の橋本直は幸か不幸か、一度倒れかかるも寝ることはなくセーフ。
SNS上ではこのまさかの事態に「なんかやらせ臭い。 意識飛んでぶっ倒れる時って腕だらんとして手をつかないはずなのに。あやしい」 「鰻が倒れてきたショックで起きたのに、すぐに“あっヤベッ”って寝たフリ続けるおじさん」など“やらせ”疑惑が浮上。確かにみな、倒れる前に腕を先に出して寝ていたし、鰻も、男性をよけるようにして、うまく隙間に倒れこんでいた。
それにしても、実際にこんなことがまかり通っていいのだろうか? 情報やバラエティなど、テレビ番組の制作会社のスタッフは語る。
「この催眠犬については、“飼い主本人がそう言っている”というということで言い逃れできると番組は考えているのでしょう。実際は脳波などを計測すれば、本当に寝ているか、寝たフリなのか分かるはずですが、真偽を確かめないというのがこのテの番組のポイントなのです。今回、同番組ではUFO動画を流したり、UMAの捕獲も行われていましたが、作っている制作者も本気で信じている人は誰もいないでしょう」
そんなオカルト番組はどうやって作られるのだろうか。
「今やネット時代。スタッフがYouTubeを必死で調べて持ち込み、面白そうな動画やネタをピックアップしていくのです。そこで必要なのは、ウソくさすぎてもダメということ。少しでもホントっぽいネタをまぶしていかないと、さすがに視聴者からイヤがられますから。ただし、これが本当かどうかは必要がありません」(同)
だが、そんな超常現象番組も下火になりつつある。
「過去にも4~5年前、各局がオカルトものに手を出していましたが、いつしか飽きられてしまいました。最近はらさにコンプライアンスが厳しくなり、またかつては寛大な心を持って見てくれていた視聴者も目を光らせるようになってしまったのです」(同)
かつて世界各地の謎を、銀幕のスター川口浩が隊長となって解き明かす『川口浩探検隊』(テレビ朝日系)という冒険番組があった。彼らは原始猿人バーゴン、巨大怪蛇ゴーグ、古代恐竜魚ガーギラスなど、生物学の歴史をひっくり返す多くのUMAと遭遇してきた。だが、未開の部族の腕に明らかに腕時計の形をした日焼けの跡があっても、楽しく見ていた昭和の時代はもう戻ってこないのである。
画像:いらすとや