求人内容が不透明?やりがい搾取? 「活動自体は素晴らしいのに……」ウミガメを保護するNPO法人に批判あいつぐ

NPO法人屋久島うみがめ館のスタッフ募集ツイートが物議を醸している。

同法人は現在勤務している契約スタッフ2名の任期切れが迫っており、このままの状態が続けば来年度の業務が遂行できなくなり、11月30日までに応募が無かった場合解散せざるを得ない状態。

「うみがめ館の契約スタッフの2名の任期切れと共に来年度のスタッフを募集します。このままの状態が続けば来年度の業務が遂行できなくなり、活動を停止せざるを得ません。理事・幹事会で話し合った結果、11月30日まで、応募が無かった場合解散することになり、今度こそ35年の歴史に幕を閉じます。」

https://twitter.com/umigamekan/status/1185494984906006528?s=19

「体力があり、ウミガメとそれらを取り巻く環境の保全、啓発活動に興味をお持ちの方、またボランティア活動に理解がある人など。屋久島うみがめ館の活動実績は、最大の目的であった屋久島永田の浜を守ることでした。調査・保護・啓発活動等を行う中で、屋久島永田浜を守ったことが最大の功績です。」

https://twitter.com/umigamekan/status/1185495472338661376

そこでTwitter上で来年度のスタッフ募集のツイートを発信したわけだが、その内容に対して厳しい意見が相次いでいるのだ。

「すみません、無知で申し訳ないのですが…そもそも、なぜ契約なのですか?
正規雇用にすることはできないのでしょうか…
うみがめ館の危機を、子供達が心配しています。
最近、自然に興味を持ち始めたので🐢」

「HP拝見しましたが、ハイスペックな人材を募集なさっていますね。給与が書かれていないのもNPOあるあるです。
行政からの支援でもあればいいなと思いましたが、そうもいかないのでしょうね。
口コミでは観察会は盛況だがマナー悪い客もいるとか?

「クラウドファンディングはどこで見られますか?」

「ボランティア精神は大切ですが、やりがい搾取と思われ避けられます。
今いるスタッフの雇用継続を検討する、ホームページに給与を記載する、ハローワークに求人を載せる、近隣の大学に求人票を送る、indeedに掲載する。人手不足で会社が潰れる時代です。まずは無料で出来ることからやりましょう。」

「「応募がなかったら解散になり35年の歴史に幕を閉じることになります」ってなんでこちら側のせいみたいな言い方になるんでしょうね。
契約にしないでちゃんと正社員で雇えばいいじゃないですか。
応募がなかったor少なかったとしたらそれはこちら側のせいではなくそちら側に原因あると思います」

「2年以上雇うなら正社員にしなきゃいけないんだっけ?それが嫌だからまた別の契約社員雇うんだっけ?」

「活動自体は素晴らしく未来を見据えたものだと思います。様々な壁や障害があるのかも知れませんが働く人がそこで未来を見据えらない雇用環境を改善していく事が結局は上手く回る近道ではないでしょうか。」

同法人のホームページによると契約スタッフの業務内容は「調査データ等の入力・分析」「ホームページ管理」「展示資料館の入館者への対応・運営」「ボランティア宿泊施設の維持・管理」「ウミガメの生態調査」など多岐にわたり、勤務時間や社会保険は保障されているようだが、給与体系は非公開。

「PC作業が苦にならない人」「心身ともに健康な方」「ボランティア精神のある方」など曖昧な表現も多く、多くの人にとってけっして条件のいい内容とは映っていないようだ。

同法人は慢性的な人手不足と資金難により昨年は展示資料館をほとんど開館できず、今年3月に資金調達のクラウドファンディングを成功させどうにか窮地を脱したような状況。無い袖は振れないのだろうが、もう少し求人の内容をクリアにし、誤解を生まない表現を心がけていれば今回のような批判は避けられたのかもしれない。

とはいえ同法人の活動内容はウミガメの生育環境を守り、自然の尊さを世に伝える非常に意義深いもの。どうにか来年度以降のスタッフを確保し、活動を継続できるようになればいいのだが。

※画像は「屋久島うみがめ館」公式ホームページから引用しました
http://www.umigame-kan.org/

中将タカノリ

■シンガーソングライター、音楽・芸能評論家 ■奈良県奈良市出身 ■1984年3月8日生まれ ■関西学院大学文学部日本文学科中退 2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。 歌謡曲をフィーチャーした音楽性が注目され数々の楽曲提供、音楽プロデュースを手がける。代表曲に「雨にうたれて」、「女ごころ」(小林真に提供)など。 2012年からは音楽評論家としても活動。さまざまなメディアを通じて音楽、芸能について紹介、解説している。

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