ロボットが人間の生殺与奪の権利を握る。そんな例がディストピア小説の中ではなく既に現実世界でも頻繁に見られるようになってきた。高度に自動化されたAmazon倉庫では、従業員の解雇はAIの決定に従って行われているらしい。
ボルチモアにあるAmazon倉庫で発生した労働争議を巡って同社の弁護士が作成した資料によると、この倉庫では2017年8月から2018年9月までの間に、約300人の従業員が要求された生産性を満たすことができなかったために解雇されたという。ボルチモアの倉庫には現在およそ2500名のフルタイムの従業員がいるが、300人ということは全体の10％以上が1年のうちに解雇されたことになる。
そしてその解雇のプロセスは自動化されているという。倉庫の管理システムは個々の従業員の生産性を追跡し、人間の監督者が関与することなく、警告したり解雇すべき人物のリストを自動的に弾き出すというのだ。Amazonによると、そのリストは人間の監督者によって訂正することもできるということだが、具体的にどれぐらいの頻度で手が加えられたかについては回答されていない。
参考動画：Inside An Amazon Warehouse On Cyber Monday(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=qRQwkJLRfWw[リンク]
Amazon倉庫では、24時間稼働する何百何千台ものロボット同様、人間も常に生産性を監視される。従業員には1時間あたり何百個もの梱包ノルマが与えられ、トイレ休憩まで分刻みで管理されることが従業員によって報告されてきた。勤勉さを評価するのではなく生産性の悪さを弾くこれらの管理システムは、資本家にとってはまことに都合のい良い搾取システムとして機能することだろう。
画像とソース引用：『theverge.com』及び『いらすとや』より
https://www.theverge.com/2019/4/25/18516004/amazon-warehouse-fulfillment-centers-productivity-firing-terminations[リンク]
