3月8日まで幕張メッセで開催された国際食品・飲料展『FOODEX JPAN 2019』を取材した。
95カ国が参加した国際的な食品展示会で、内外の3364社・4625ブースで自慢の食品や飲料が紹介された。
台湾パビリオン記者発表会
台湾パビリオンの記者発表会では、来賓として京都大学にも留学経験のある知日家の台北駐日経済文化代表處の謝長廷大使(日本と台湾は国交がないためにお互いに大使館を設置していないが事実上の外交機関として民間の代表処・交流協会を設置している。台湾側の代表は現在は特命全権大使として任命されている。)が日本語で挨拶をし、台湾が日本国民や日本市場を重要視していることがうかがえた。
台湾といえばタピオカミルクティーが人気で有名だが、写真のような『岩塩チーズティー』という不思議な飲み物が提供された。
タピオカミルクティーにクリームチーズがのり、まずはこのクリームチーズを味わい、次にストローをさして下層にあるタピオカミルクティーを味わい、最後に全体を混ぜて飲む。クリームチーズはチーズケーキのようななめらかな甘さで、さらにピンク岩塩の塩味が効いて暑い夏には夏バテ防止やミネラル補給に最適な飲み物だろうと感じた。
台湾パビリオン
会場は多くの国や企業がブースを出していたが、その中でも台湾パビリオンは広大で、台湾美女がさまざまなキャラクターと共に会場を練り歩き、写真撮影を依頼されるなど好評を博していた。
日本にすでに進出してる食品はもちろん、参考出品として日本未発売のものも多く、ぜひ日本で発売してほしいと思ったものを紹介したい。
光泉
光泉は1956年創業で、台湾の飲料トップクラスメーカーだ。元は牛乳のメーカーだったようだが、現在は乳飲料を中心としてさまざまな飲料を発売している。
日本未発売の特徴ある台湾の飲料を試飲することができた。いくつかを紹介したい。
ピーナッツライスミルクは、ピーナッツバターのような味だがサラリとした飲み心地でプレーンの牛乳が苦手な方でもこれならば大丈夫だろう。コメと落花生という日本にはない発想が面白い。非常に美味しいので台湾旅行の際にはぜひ飲みたい一本だ。ちなみに味をピーナッツバターと表現したが、コレステロールは全く含まない。
スターフルーツのドリンクは日本で発売されている記憶はない。記者はフィリピンで木からもいだ新鮮なスターフルーツをその場で食べたことがあるので味はよく知っているつもりだ。すなわち日本にあるフルーツでいうと梨のようにみずみずしいが、淡い甘酸っぱさが特徴のフルーツだった。
このスターフルーツドリンクは果汁10%なので、スターフルーツが持つ若干の青さを調整して飲みやすいが決して甘すぎないスッキリとした味わいに仕上げてあった。
いずれも日本未発売で、現在のところ日本での発売は未定とのことなので、台湾旅行の際にはぜひとも試していただきたい。
INTER PORC
続いてスペインパビリオン。
『INTER PORC』とはスペイン語でインテルポルクと読む。PORCとは英語でporkのことで、要するに豚肉だ。スペインの豚肉といえばイベリコ豚。ただしこれはブランド豚だが、今回紹介するのは白豚。
インテルポルク(インターポーク)はスペインの白豚産業における非営利団体の名称である。
生ハムを試食してみた。主に塩だけで味付けされたスペイン産白豚の生ハムは、日本で普段食べるような軽い味付けのものとは一線を画し、豚肉本来の味わいがじっくりと出てくる一級品。日本ではお酒のお供として、あるいはサラダや前菜とての生ハムが一般的だが、スペインではそれこそ朝食から夕食まであらゆる場面で食されているとのこと。
一方、サラミ(サラミはイタリア語でスペイン語ではサルチチョン)やチョリソは、独自の香辛料が効いていて、日本にはない欧州料理独特の香りと味わいがあり、これもありふれた豚肉製品ではあるが日本のものとは異なるものだった。
インターポークによると「安全で高品質なスペイン産白豚はどんな料理にも使える汎用性の高さで、日本市場はスペイン豚産業にとっては疑う余地もなく絶対優先市場」と断言する。まだ日本で食べることができるレストランは少ないが、今後口にする機会が増えることだろう。
※写真はすべて記者撮影