英会話はスポーツのようなもの!? 必要だったのは耳トレ・口(くち)トレ・短文暗唱

  by Akiko  Tags :  

英会話はコンプレックス、そう思う方はもしかしたら意外に多いかも知れません。あんなに何年も時間を掛けて勉強したのに、映画や動画を英語の音声で見てみても「意味が分かるほどには聞き取れない」、外国の人と話してみても「言っていることが分からない、言葉が全然出てこない」、このような状況はとても一般的だと思います。

私もそんな日本人の一人でした。しかし数年掛けて少しずつでも英会話力をつけていった私は思うのです。日本人には英会話において、一般には知られていないつまづきやすいポイントがありそうだ、と。そしてそのポイントは学校での勉強の中ではあまり注目されてこなかったことだと思います。一般に考えられている英会話習得のイメージを覆すべく、私が思う日本人がつまづきやすいポイントについて以下に詳しく書いてみたいと思います。

1. そもそも日本人の耳の感覚は、英語の音が聞こえるようになっていない

私たちは、本来多彩な音が聞こえているはずですが、生きていく中で、普段よく使う音に耳の感覚が最適化されいるのだと思います。日本語に最適化された耳には、英語の音の中で聞こえない音がたくさんあるように思うのです。だからまずは、英語耳(英語の音が聞こえる耳)に自分の耳を改造する必要があると思います。

英語耳に改造するためには、耳のトレーニング(耳トレ)、つまり英語の音を聞くトレーニングが必要だと思います。感覚器の改造は多分、意識して気をつけてもダメなんです。カギは、人間は適応能力を持っているということです。例えば寒さに身体が慣れるように、浴びるように多くの英語を自分の耳に聞かせてやることで、自然に、勝手に、耳の感覚が適応して、英語が聞こえるようになるのを待つ必要があると思います。

2. そもそも日本人の口周りの筋肉は、英語らしいスピードで英語を発音できるようになっていない

耳の話と同様に、日本語ばかりを発音している日本人の口の動かし方は、英語を話すときの口の動かし方とは違います。普段使っていない口周りの筋肉が急に動くことはありません。だからまずは、英語口(英語らしいスピードで英語を発音できる口)に自分の口周りの筋肉を改造する必要があると思います。

英語口に改造するためには、口のトレーニング(口トレ)、つまり、英語を話すトレーニングが必要だと思います。イメージは”筋トレ”です。シャドーイングという語学の勉強方法をご存知でしょうか。習得したい言語の音声を聞きながら、その1単語遅れくらいで後について喋る方法のことです。浴びるように多くの英語をシャドーイングして、英語を話すときの口の動きを自分の口周りの筋肉に覚えこませてやる必要があると思います。

3. そもそも、聞いたことのある・喋ったことのある英語表現のレパートリーが少ない

日本では、日常の中で英語を使う機会がほとんどありません。簡単なフレーズでも、実際に英語の音声で聞いたことのある人、自分で発声したことのある人は意外に少ないのではないでしょうか。

きっと私たちは、日本語でだって、どこかで聞いたことのある表現・喋ったことのある表現を記憶していて、それらを使いまわして会話をしているのだと思います。授業やテスト対策でCDの英語音声を聞いて復唱したことのある人は多いと思いますが、それらは英語の多彩な単語や表現をカバーできるほどの量だったでしょうか? もし足りてなさそうだと思われたなら、まずは、聞いたことのある・喋ったことのある英語表現のレパートリーを増やす必要があると思います。

英語表現のレパートリーを増やすためには、短文暗唱がよいと思います。ワンフレーズの表現を丸暗記し、英語を真似て暗唱することに慣れ、会話の中でパッと思い浮かび発声することのできる英語表現を蓄積する必要があると思います。

4. 英会話習得に必要なのはスポーツ習得のときと同じような継続的なトレーニングと反復練習

上記の1~3に挙げたような、耳トレ・口(くち)トレ・短文暗唱の効果を実感するには、継続的にまとまった時間取り組む必要があると思います。耳も口も記憶も、慣れがもっとも効くものですし、サボるとなまってまたちょっと前の自分からやり直しになってしまうからです。ところが英語の勉強というと、継続が難しかったり、必要な勉強時間より1、2桁くらい少ない時間しかイメージされなかったりすることがありそうだなと思います。そこで、私は英会話というものを、スポーツのようなものだと思ってみたらどうかと思うのです。例えば、何か部活動、仮にテニス部に入ったら……

毎日のように走りこみ・筋トレをして、テニスに必要な体力・筋力を養います。素振りやサーブの練習を何度も何度も、飽きてもまだやるくらい反復して、無意識に身体が動くようになるまで練習します

……よね。これは、当然のこととして、スポーツ経験者には納得してもらえると思います。私は実際のところ、英会話もこんなふうにして習得するものなのではないかと思っているのです。試しに上記の文で、数箇所を英会話用に差し替えてみます。

毎日のように聞く練習(耳トレ)・喋る練習(口トレ)をして、英会話に必要な英語耳(英語の音が聞こえる耳)・英語口(英語らしいスピードで英語を発音できる口)を養います。発音や短文暗唱の練習を何度も何度も、飽きてもまだやるくらい反復して、無意識に身体が動くようになるまで練習します。

このように書くと、「どんだけー」とのけぞるほどに大変な印象になってしまいますが、スポーツになぞらえると、これだけのことが本当に必要だとイメージしやすいのではないでしょうか。

そして逆に、これだけのことをすれば、誰でも必ず上達するということも、きっとイメージしやすいと思います。どんなに運動が苦手な人でも、真面目に練習に参加していれば、レベルの差はあっても一人残らず、1年経つ頃には試合が出来るようになりますよね。

英語に限らず、語学ってきっと、どんなに猛勉強をしたとしても数日程度の短期間で上達することは難しい、けれど継続的に反復練習しさえすれば誰にでも必ず出来るようになるものではないかと思います。

最後に、この記事で英会話習得に興味を持たれた方は、個々人で勉強法を検索してみられることをオススメします。びっくりするほど多くの方々が、様々な方法で取り組んでおられる様子がみられると思います。この記事も、筆者のケーススタディの一つに過ぎないかも知れません。ある人は「ここまでしなくても……」、またある人は「まだ足りてない……」と思われるでしょうし、もしかすると個々人で効く方法というのは違うのかも知れません。ですが、この記事をきっかけにして「英会話習得のイメージが変わった」という方がおられたら嬉しいですし、英会話を習得したいと思われている方の一助になったら嬉しいと思います。

画像の出典
IMG_8597.jpg / chomster.fr ※表示 2.1 日本 (CC 2.1)

Visiting researcherとしてフィンランドに滞在していました。フィンランドの自然、文化など私が感動したことや発見したことの紹介や、科学っぽいトピックスなどを記事にしていきたいと思います。お付き合いいただけましたら幸いです。

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