かつてテレビ東京で放送されていた木曜洋画劇場。
洋画、といってもこの枠で放送されるのは筋肉モリモリの変態主人公が敵を嬲り殺すようないわゆるB級アクション映画ばかりで、ゴダールや小津安二郎のような上品な芸術映画は木曜洋画枠には入れないのです。
それでは木曜洋画があったころのテレビCMを観てみてみましょう。
「コマンド-」
まずは木曜洋画の顔といってもいい、シュワルツェネッガーの「コマンドー」です
シュワのような鉄骨州知事だったら車にはねられても高い所から落ちても怪我にもなりません。……このくらいのCMなら他局でも観れるレベル。木曜洋画のCMはこんなもんじゃありません。
「オクトパス」巨大タコによるパニックものかと思ったら「でかいにもほどがある」で「ああ、惨事には至らないんだ」となぜか不思議な安心感。
「リーサルウェポン3」最終兵器、と書いて”やりすぎコンビ”と読ませる匠の技。
「マネートレイン」これが番長流電車痛筋、不思議なキャッチフレーズノオンパレードです。
「プレデター」カリフォルニアから「鋼」(←アイツ、と読む)がやってきた……勘のいい人なら「鋼」が誰のことを指すのかわかるでしょう、そう、コマンド―に続きプレデター主演のシュワです。敵が正体不明のエイリアンでも肉密度1000%の拳があればシュワなら一撃!
「アートオブウォー」秘密番長、ウェズリースナイプスは見た!(また番長……)謀略(マジヤバ)アクション超大作!
「ブレーキダウン」”女房が失踪、亭主も疾走”というわけでカートラッセルが失踪した女房捜してカーアクション!
最後の「あんたー」はズルい!
さてここからはジャン・クロード・ヴァンダム祭。「ヴァンダミングアクション」なんていう英語の辞書にも載ってないような言葉が次々繰り出されます
ヴァンダミング祭の次はチャックノリス主演「プレジデントマン」サムラーイサムラーイブシドーは昔ネットの流行語にもなりました!
続いてはシュワの永遠のライバルと名高い”男の教科書”スタローンの登場。
「ナンパなチャラ坊はスタローンに土下座!」インパクト強烈なキャッチフレーズ!
スタローンも“男の教科書””男のリトマス試験紙””男のカーナビ”とシュワに負けず劣らずの呼び名の数です(いずれも詳しい意味はさっぱりわかりませんが)
そして木曜洋画の主役はシュワでもスタローンでもねえ、わしじゃーといわんばかりにセガール登場!関西弁のニセ翻訳がピッタリきまってます、理想の親父ナンバー1のスティーブンセガールさん。(私だったらこんなオヤジいたら家出してますが)
そろそろ新キャラかな……って思ったところでヴァンダム主演のヴァンダホーな映画放送。もはやヴァンダムで遊んでるだけでは??
仕事で疲れて帰宅したお父さんたちにとっては難解なアート映画よりもマッチョな変態が敵をぶったおす、というシンプルなアクションがウケていたのでしょうね。
木曜洋画劇場の復活を陰ながら期待します。
(c)テレビ東京 (動画 YOUTUBE) (文責 マツダ草介)