『虚構新聞』お詫び騒動から派生した『けつのあなカラーボーイ』騒動について

  by 太田潤史  Tags :  

実際にありそうで実は存在しないネタをニュースとして掲載しているWEBサイト『虚構新聞』に、「橋下市長、市内の小中学生にツイッターを義務化」という記事が掲載され、本気にしてしまった人が多数いた為、『虚構新聞』がお詫びをするまでに至った騒動から約一ヶ月。そのさなか、また別の騒動が起こっていたことは、ご存じだっただろうか。

 

『けつのあなカラーボーイ』というWEBサイトに、虚構新聞社編集部編集長の名前で、「【お詫び】虚構新聞の更新を一時停止します。大きくなりすぎました。」との記事が掲載されたのは、2012年5月14日付「橋下市長」記事の翌日である15日。この記事も嘘だった。『けつのあなカラーボーイ』と『虚構新聞』は一切関係が無く、一見記事の書き出しに見える行の上を反転させると、「これは嘘ニュースです」と一文が出てくる初歩的なトラップが仕掛けられていたが、「橋下市長」同様、本気にしてしまった人が多数現れ、ツイッターのトレンドワードに『けつのあなカラーボーイ』と載るまでに拡散した。本気にした人の中には、博識とされるある著名人も含まれ、その著名人は、この件に乗っかる形で宣伝ツイートを書き込み、嘘と気づくと、即座に該当ツイートを削除したが、『ふぁぼったー』などのお気に入りツイートが記録されるWEBサイトには、現在もそのツイートは残ってしまっている。

 

一躍時のWEBサイトとなった『けつのあなカラーボーイ』、一体どんなWEBサイトなのか?その記者である『冷凍食品』さんに、ツイッターのダイレクトメッセージを使って、話を伺った。

 

- 『けつのあなカラーボーイ』とは?

 

冷凍食品:よくわかりません。去年の暮れくらいにある人から急に何の説明もなく「“東京ギャグモーター”と“けつのあなカラーボーイ”だとどっちがいいと思いますか?」という質問をされまして、とりあえずその日はそれで話が終わったんですけど、そしたら後日、また急に「“けつのあなカラーボーイ”で行くことになりました」みたいなメールが送られてきて、「サイトを立ち上げましたので記事を書いてください」って、アドレスとパスワードが添えられていたんですけど、アクセスしてみたらサイトもクソもただのFC2ブログだし何を書いたらいいのかもわかんないしで、結局そのまま何だかわからないまま今に至ります。でも、この前久しぶりに管理ページへ入ってみたらこちらからは何も設定していないはずなのにブログのジャンルが“アダルト”になっていて、一度でもジャンルを“アダルト”に設定してしまうともう二度と変更が不可能になるんですけど、おそらくサイト名が良くなかったのと、あとお構いなしにエロ画像やらを貼っていたのがトドメを刺したみたいでFC2の運営サイドからそのような判断が下されたようです。なので「けつのあなカラーボーイとは何か?」と言われたら現時点では「複数人で運営しているエロサイトです」としか答えようがないです。おそらく名前が似ているので“さよならポニーテール”みたいなものだと思います。

 

- 『けつのあなカラーボーイ』での『冷凍食品』さんの位置づけは?

 

冷凍食品:サイト立ち上げの経緯に関してもそのような感じなので本当に何の権限もありません。ゴミ扱いされてます。他にメンバー内での役職とかも一切ないです。今後、おそらくかなり高い確率でこのサイトは大きな事件を起こすと思うんですけど、その際に誰も責任を取りたくないので、一揆を起こす時の傘連判状みたいな感じで責任の所在をわからないようにする効果を狙っているのかもしれません。

 

- 一連の騒動真っ只中に「【けつカラ杯】結果発表」という便乗さが否めない記事を掲載していたが、そもそも『けつカラ杯』とは?

 

冷凍食品:『オモコロ杯』のパクリです(記者注:『オモコロ杯』とは、文章・マンガ・動画・音声・FLASHなど、平日毎日更新される「あたまゆるゆるインターネット」サイト『オモコロ』にて開催された読者投稿コンテスト)。ちょうどサイトを立ち上げた頃が『オモコロ杯』の開催期間だったので賞金5万円目当てにみんなで応募しまくりまして、なんとか1人だけ賞にかすって賞品のペンタブを頂けたのですがそれも本人がまったく同じやつを持っていたので「じゃあもう賞品をそのまま横流しして『けつカラ杯』を開催しよう」という話になったらしいです。一応、『オモコロ杯』との差別化を図るためにカス動画という“カスな動画”を送ってもらうコンテストに特化したそうです。

 

- 『けつカラ杯』開催の反響は?予想外の応募数があったそうだが?

 

冷凍食品:元々は他所のコンテストで貰った賞品を横流しにするという一発ギャグみたいなもので応募なんて来るわけがないと思っていて、結果も最初から出来レースで賞品のペンタブをあげる相手も身内のメンバーということに決まっていたんですが、何を考えたのか本気でカス動画を送ってくる人が現れだしまして「これはちゃんと審査しないと怒られるな…」とビビり始めて途中からしっかりやることになりました。

 

- 実際に『けつカラ杯』応募作品を審査してみてどうだった?面白かった?審査は難航したそうだが?

 

冷凍食品:全体的におもしろかったんですけど、普通におもしろいとそれはそれで「これはカスじゃない!」という反発意見が出たりして、そもそも審査する側が“カス動画”というジャンルを勝手に作っておきながらまったく定義付け出来ていなかったので審査は完全にドロ沼の様相を呈しました。

 

- 『けつカラ杯』結果発表してからの反響は?

 

冷凍食品:とくにありません。

 

- ところで、『けつカラ杯』応募期間は2012年2月25日~3月10日だったそうだが。

 

冷凍食品:はい。

 

- 『けつカラ杯』結果発表まで2ヶ月以上かかり、それも例の『虚構新聞』騒ぎがなかったら、まだ先に延びていた感もあるが、その理由は?

 

冷凍食品:前述のとおり、役職が一切なくて誰も責任を負っていないので、すでに大賞作品は決まっているのにもかかわらず結果発表の記事を誰が担当するのかが決まらなくて、そのまま一ヶ月くらい経過して「これはさすがにそろそろ怒られるな」と思ったので「しょうがないから自分が書きます」と立候補したんですけど、書くことに決まったら決まったでだんだん面倒くさくなってきて、1人で酒飲んだりツイッターやってるうちにまた一ヶ月くらい過ぎてました。そしたら『虚構新聞』の騒ぎでアクセスが爆発的に増えたので「今更新しなくてどうするんだ」と急かされて渋々ながら記事を書きました。ただこれだけは言っておきたいんですけど、自分が立候補していなかったら結果発表は一生されることなく終わったと思います。

 

- 『けつカラ杯』に『冷凍食品』さんご自身が応募した3作品を、まだ『虚構新聞』騒ぎがくすぶっていて、アクセス数も多かったであろうタイミングで掲載していたが、あれはどういうつもりだったのか?

 

冷凍食品:たいへん申し訳ありませんでした。

 

- 最後に『けつカラ杯』の総括をお願いいたします。第2回はあるのか?

 

冷凍食品:二度とやりません。『けつのあなカラーボーイ』は近いうちに消滅すると思います。ありがとうございました。

 

- ありがとうございました。

 

近いうちに消滅するとのことなので、ご存じだった方も『けつのあなカラーボーイ』のことは忘れることにしよう。

 

『けつのあなカラーボーイ』

http://tgmkcb.blog.fc2.com/

 

【けつカラ杯】結果発表

http://tgmkcb.blog.fc2.com/blog-date-201205-6.html

 

【お詫び】虚構新聞の更新を一時停止します。大きくなりすぎました。

http://tgmkcb.blog.fc2.com/blog-date-201205-7.html

 

『虚構新聞』

橋下市長、市内の小中学生にツイッターを義務化

http://kyoko-np.net/2012051401.html

 

検証:橋下市長ツイッター義務化報道問題

http://kyoko-np.net/special03.html

東京・浅草に『こしょうばこ』という小さな演芸小屋を開いていましたが、半年足らずで閉め、現在は『こしょうばこ』という屋号は残し、イベント企画・制作などを行なっています。

Twitter: @koshoukoshou