フィリピン・ボホール島でどこまでも青い海と白い砂浜でビーチリゾート『Eskaya Beach Resort & Spa』

  by 古川 智規  Tags :  

冬こそ南の島へ!とあおるつもりはないが、年中通してビーチリゾートの島はやはり魅力があるのは確かだ。
フィリピンのセブといえば、ビーチリゾートで有名な場所ではあるが主に語学留学生やダイビング目的で渡航される方が多いだろう。そんなセブのとなりにもっと素晴らしい場所があるので行ってきた。

ボホール島への行き方

セブ島のとなりにボホール島という島がある。
チョコレートヒルズに代表される絶景や、ターシャという本当にちっちゃなメガネザルで有名な島だ。セブからは高速船で2時間程度で行くことができるのでセブに滞在して日帰りで旅行する人がほとんどだという。しかし、宿泊しなければ見ることができないコンテンツも満載なのでそのあたりを中心に紹介したい。
ボホール島に行くためには、まずセブ港に向かう。ターミナルが運航会社によりいくつもわかれているので、注意が必要だ。記者が乗船したオーシャンジェットは第1ターミナル(ピア1)から出港する。ここからが若干ややこしいのだが、まずはターミナルの手前にある船会社のカウンターで乗船券を購入する。ボホールのタグビラランまではエアコン船室で500ペソ、ファーストクラスで1000ペソだ。氏名を紙に書いて渡すと次の便の乗船券が購入できる。
日本ならこのまま乗船すればよいが、フィリピンではここからが航空機のようになる。

乗船券を提示してターミナルに入るとまずはターミナル施設利用料25ペソを支払う。乗船券に領収証がステープラーで留められる。
次にセキュリティーチェックを受ける。空港と同じだ。
最後にチェックインカウンターでボーディングパスを発券してもらい、つまり座席の指定を受けてから搭乗待合室で待つという流れになる。航空機と同じだと思えばどうということはないが、日本の国内線航路の手軽さを思えばワンストップでやってくれればいいのにともどかしい。
大きな手荷物は預けることもできるが50ペソが必要だ。タグビラランまでのポーターサービスだと思えばよい。

ターミナル内にはカフェもあるのでくつろぐことは可能だ。おおむね30分前にはボーディングが開始されるので改札を受けてターミナルの外に出て岸壁から乗船する。
預託手荷物はベルトコンベアはなく写真のようにカートで運ばれて並べられているので、完全手動で船員が積み込む。

もっとも運賃の安いノンエアコンを選択すれば吹きっさらしのオープンエアで景色を楽しむことができるが、暑いのでできればエアコン船室をお勧めする。
新幹線のように船内販売はあるので飲み物やスナック菓子、簡単なお弁当程度は購入可能だ。

ちょうど2時間でボホール島最大の都市であるタグビララン港に到着。
到着旅客はターミナルに入ることなくそのまま外に出される。

これから向かうEskaya Beach Resort & Spa(以下エスカヤという)まではタクシーで20分程度。ピックアップが宿泊料金に付いていれば迎えを探すとよい。タクシーで行く場合はタクシーロットがあるのでそこから乗り込む。

エスカヤに到着

エスカヤに到着してエントランス棟でチェックインを済ませると、日産製の電動カートで部屋に案内される。
ここは一般的なホテルとは違い、各部屋が独立したヴィラになっているので、どこに行くのにも移動が必要だ。ただし、部屋から電話1本でカートが迎えに来るのでビーチに降りていく以外は歩く必要はない。

レストラン前にはプールが広がり、海岸と一体となるように見える設計になっている。誠にフォトジェニックな場所だ。きれいな場所だがもちろんプールなので泳いで構わない。

記者が宿泊したヴィラは大きく3つの区画に分かれてた。

寝室を中心とする一つの大きな部屋が第一の区画。
大型液晶テレビやクローゼット、冷蔵庫、金庫、テーブル等が装備されている。
もちろん、Wi-Fiは無料で利用でき、テレビは多くのケーブルテレビが接続されているのでNHKワールドの日本語放送を視聴することもできる。

高い天井のヴィラはフィリピンの伝統的なつくり。

第二の区画は屋外の浴室、シャワールーム、トイレだ。
ここは高い壁に囲まれた区画で室内からしか出入りができない。部屋付きの露天風呂とでもいおうか。ジェットバスなので備え付けのバスフォームを使用すればバブルバスになる。

そして第三の区画は屋外のテラスとプライベートプール。
大きな木陰のテラスと大きなプールはもちろんプライベート空間なので24時間好きな時に泳ぐことができる。

エスカヤの敷地そのものがビーチと隣接する森なので、まさに大自然の中の快適な秘密基地だ。

ビーチに降りてみた。白い砂浜はすべてエスカヤのプライベートビーチ。宿泊客しか入ることができないぜい沢な空間だ。
古い話で恐縮だが、サンダーバードの秘密基地はこんな感じだったのだろうか。

ボホール海に沈む夕日をプライベートビーチから眺めながら夕食の時間まで過ごす。

部屋に戻るとベッドメイキングがされていて、屋外の区画には蚊取り線香がたかれていた。この気配りは本物だと思った。

ビーチディナー

レストランから電話があり、ディナーはどこでするかとのこと。レストラン以外にどこで食べるのだろうと思って聞いてみると、ビーチでも可能だという。ではということで、ビーチディナーを選択。

コース料理ではあるが、撮影のためにすべてをいっぺんに出してもらった。テーブルセッティングはあっという間で、たいまつがたかれた一帯は自分だけのディナーの空間。しかも目の前は海。これが特別ではなく普通にできるのがものすごいところだ。

波の音をBGMにフィリピン料理のコースを時間をかけていただく。

夜空を見上げれば満天の星空。
ちなみにこの写真はスマホ撮影だ。SNS映えを期待する方に伝授というほどのものではないがお教えしよう。

・メインカメラを使用しマニュアルモードにして感度をできる限り高くする。
・感度設定ができない場合はオートで。
・ストロボはオフにする。
・ズームはしない。
・感度にもよるが露出時間(シャッタースピード)を1秒にセットしてテーブルに伏せて置く。
・これでメインカメラが空を向くことになる。
・位置を決めたらセルフタイマーを3秒にセットしてシャッターボタンを押してスマホを所定の位置に伏せる。
・スマホ用三脚がある場合は使用してもよいが、絶対に動かないように固定する。
・シャッターが切れたら確認して、環境に合わせて露出時間を調整しながら何枚か撮影する。

記者のスマホによる撮影データは次の通り
f/1.8
ISO-2700
露出時間1.0s
焦点距離4.0㎜(35mm換算で28mm)
ストロボ、露出補正なし

なお、フィリピンでは南十字星を見ることはできるが水平線近くの低い位置にあるので、三脚を使用して確実に固定しないと撮影は難しい。この写真はオリオン座。オリオン座は冬の星座だが、フィリピンは年中30度超えの常夏なので不思議な感じだ。
宿泊しないとできないビーチディナーと天体撮影は終了。

ドルフィンウォッチング

ドルフィンウォッチングの船は午前6時に出航する。エスカヤのビーチから出るのでヴィラから降りるだけでよい。写真はボホール海からの日の出。ビーチは南向きで東西には何もないので1日中直射日光にさらされるが、日の出時刻は快適な気温だ。
なぜ6時なのかというと、イルカの回遊する場所と時間が決まっており、その時間に出ないと見ることができないからである。
逆に言うと、この時間さえ守ればほぼ100%の確率でイルカと遭遇することができることになる。
これも宿泊しないとできない経験の一つ。

イルカの群れを船長が追いかけてくれるので撮影はできないことはないが、それでも海面から出ている時間は一瞬なので見る方に専念したい。

他からも船はたくせん来ているが、伝統的なフィリピン船で速力が遅いために長時間イルカを追うのは無理だ。しかし、エスカヤのボートはフィッシングボートで強力なエンジンを積んでいるので他の船よりも長時間滞在することができるのがありがたい。

イルカの後はアイランドホッピングになる。船上からでも魚は見えるが、シュノーケルを使えば直接海に入って魚と遊ぶことができる。

ここは海が浅く島の手こぎボートで案内してくれる。シュノーケルは250ペソで魚のエサは1袋10ペソだった。

エスカヤのボートはスズキの4ストローク140馬力の船外機を積んでいるので27ノット程度の高速ですっ飛んで行く。

2つ目のヴァージン島は砂浜だけの何もない島だ。しかし、それだけにウニやヒトデを使って面白い写真が多く撮影できる。

作例としてはこんな感じだ。

こうしておよそ4時間のアイランドホッピングは終了し、エスカヤに戻ってきた。
動画でもご覧いただこう。
■ドルフィンウォッチング&アイランドホッピング @Eskaya Beach Resort & Spa
https://youtu.be/9jGVHvKdH6U

ビーチに戻ってくると、レストランのスタッフが冷たい水を持って待っていた。こういうサービスはうれしい。冷たい水を飲んで朝食の時間だ。左がフィリピンスタイルで右がアメリカンブレックファスト。

スパで眠ってしまう

東南アジアにおけるスパとは温泉のことではない。いわゆるマッサージのことだ。

1時間であればフットマッサージかバック(背中)マッサージを選択する。オイルマッサージは300ペソのオプションとなる。
タイのトラディショナルマッサージとは違い、決して痛くはない。気持ちよくて眠ってしまうほどだ。

マッサージの後は熱いお茶で一服しながら迎えの電動カートを待つ。至福の1時間だった。

アロナビーチに行ってみた

エスカヤから車で15分程度のところにアロナビーチがある。ここは公共のビーチでだれでも行くことができる。
車さえ空いていればエスカヤで送ってくれるので聞いてみるといいだろう。

ここには日本人はほとんどいない。ボホールに宿泊するのは長期滞在の欧米人か韓国人がほとんどだからだ。

アロナビーチは1つの理由でおススメできるが、2つの理由でおススメできない。
まず、おススメできる理由から。
有名な観光地なので単純に行っておいて損はないという点。地元でとれた海産物をその場で調理してくれるレストランが多くあり、公共ビーチとは思えない整備の行き届いた白い砂浜はビーチリゾートして申し分ない。

一方おススメできない理由の第一。
ビーチとしてはせっかくエスカヤのプライベートビーチで非日常的な空間を堪能できるのに、わざわざ観光客目当ての客引きと物売りの多い公共のビーチに出かけていく必要があるのかという疑問だ。エスカヤに宿泊する前後に行けばいいとは思うが、わざわざという感じはする。
第二の理由。
もともとフィリピンのビーチリゾートは欧米人が開発し、韓国人が後追いで開発をしたという経緯があるため、韓国人が非常に多い。これは距離的に韓国は欧米よりも近いので当然の流れだろう。そのために韓国系食材店やハングルの看板が多く、フィリピンのビーチリゾートに来た気がしないという問題。日本語の看板は探したが1つしかなかったように思える。

結論としては、それぞれの旅のスタイルや目的により立ち寄りの可否を決めればいいと考える。あくまでも記者のオピニオンである。

アメニティは完全すぎ

アメニティは完全にそろっている。
シャンプー、コンディショナー、ローション、シャワーキャップ、歯ブラシ、かみそり、綿棒にソーイングキットまで。
フィリピンらしいものといえば真ん中のプラスチックボトルだろう。これは虫除けクリームで、森の中にあるヴィラならではのアメニティだ。

白い砂浜と青い海は持ち帰ることができる最高の思い出

チェックアウトする日の朝に再度ビーチに降りてみた。
3色に色分けされた海と白い砂浜が脳裏に焼き付く。

最後の朝食はジャパニーズスタイルとした。要するに和食のことなのだが、こればかりはフィリピン風和食という面白いスタイルだった。
サーモンのグリルと聞いていたので、てっきりサケの塩焼きかと思っていたら、サーモンの照り焼きだった。日本でもなかなか手べることができない調理法だ。スープカップにはちゃんとみそ汁だったのが涙ぐましい。
このようなへんてこな日本食をいただくのも旅の思い出、土産話としては十分なネタになるだろう。

レストラン前のプールは空が映り、その先の海と一体となる画は何を置いてもフォトジェニックだろう。

チェックアウトをしてタグビラランの港まで送ってもらう際にはスタッフ総出で見送ってくれた。

白い砂浜と青い海。物理的に持って帰ることはできないが、おそらく思い出は最も大きなお土産となるだろう。
一人で宿泊すると高くつくが、二人以上でヴィラをシェアするとそれほどでもないので、セブに行った際にはボホールでの滞在も検討してみてはいかがだろうか。

※写真および動画はすべて記者撮影・収録
モデル Virgilia O Alforo
取材協力 Eskaya Beach Resort & Spa(フィリピン・ボホール)

乗り物大好き。好奇心旺盛。いいことも悪いこともあるさ。どうせなら知らないことを知って、違う価値観を覗いて、上も下も右も左もそれぞれの立ち位置で一緒に見聞を広げましょう。

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