語学留学といえば聞こえはいいが敷居は高い。
そこで、記者が3週間の滞在を、3回繰り返すいわば『分割留学』をしながら、時系列で語学留学の実際をレポートする『セブに分割留学!』。
第14回目はせっかく留学しているので、セブからプチトリップにでかけることにした。
フィリピンは日本と同様に多くの島からなる海洋国家であり、多くの美しい島々を持つ。
留学生は週末を利用してセブ市内の観光や買い物だけではなく、美しい観光名所でもあるセブの向かい側のボホール島に出かけたり、少々遠くても飛行機で島めぐりをしたりしている。
もっともQQ Englishでも有料でアイランドホッピング等のツアーを実施しているので、そちらに参加するという手もある。
記者は今回、美しい島々を訪ねる観光旅行ではなく、レイテ島に行くことにした。
ドミトリーの前からジープニーに乗車して、以前の記事で紹介したコロンストリートで乗り換えてやってきたのはセブ港。港を表す英語はPortやHarbourなどがあるが、当地ではPierを使用している。港というよりも桟橋といったニュアンスだ。
しかし、ピアーが1から8まであるようなのでどこに行ったらよいのかは、あらかじめ利用する船舶会社のホームページ等で調べておく必要がある。行先別ではなく会社別でターミナルが分かれているので注意を要する。
記者が往路に選択したのはオーシャンジェットという高速船を運行する会社だ。フェリーもあるのだが4時間以上かかるし、夜発で深夜着の便しかないので利用しにくかった。
ターミナルのわきに会社別の乗船券売り場があるので、ここで氏名と年齢、行先を告げて購入する。
ビジネスクラスというのがあるそうなので、数百円違いであればということで、ビジネスクラスを購入する。
運賃は1200ペソ。
乗船券を購入したら、ターミナルに入る。
入ったところにターミナル利用料を支払うカウンターがあるので25ペソを支払う。
乗船券には含まれていないので、面倒だが別払いだ。
利用料のチケットがステープラーで乗船券に留められて戻ってくる。
今度はセキュリティチェックだ。
空港とほぼ同じ仕組み。
しかし、これで乗船できるわけではない。
さらにチェックインをしなければならない。
乗船券は単に便の指定を受けただけで、座席の指定は受けていないただの乗船券だったのだ。
つまり、ここで航空機のボーディングパスに相当する指定券を付けてもらわなければならないのだった。
これを忘れると、ゲートで追い返されるのでチェックインが必要だということを覚えておくとよい。
チェックインが終わると、座席指定券が乗船券に留められてようやく手続きは完了。
お姉さんが、ゲートナンバーは8番だと教えてくれたので、指定されたゲートへ向かう。
搭乗待合室でボーディングを待つのは空港と同じ。
折り返し便の旅客が下船してようやくボーディング。
チケットはもぎり方式だが、雰囲気は限りなく空港に近い。
ビジネスクラスはアッパーデッキなのでアップステアーという案内を受けてビジネスクラスの船室に向かう。
要は2階なので、階段を上がれということ。
写真は「立ち入り禁止 ビジネスクラス旅客のみ」という意味だ。
ビジネスクラスの座席は、なかなか豪華なもの。日本の鉄道に例えるなら山陽新幹線の700系7000番台レールスターの普通車指定席、在来線特急列車のグリーン車並みの座席。
読書灯やエアコンの吹き出し口は航空機に酷似していた。
朝は何も食べてなかったので、さすがにお腹がすいていた。何か売ってないかと思い下に降りて聞いてみた。
その模様を動画でお送りする。
■OCEAN JET from CEBU to Ormoc 19NOV2016
https://youtu.be/MLpFjhEn0c8
何となく簡単な英語をしゃべっていたのがお分かりいただければ幸いである。
さて、船内販売は鉄道の車内販売と同じような感じであった。
また、2種類の弁当が売られていたのは驚きだった。
東南アジアではポピュラーな様式で、ご飯の上にでかい肉一切れという弁当だ。
骨付き豚肉のカツレツがご飯の上に乗っかっているだけだが、シンプルで非常においしかった。
ミネラルウォーターと合わせて125ペソ。
こうして約2時間半でレイテ島のオルモックに到着した。
セブのターミナルと違い、オルモックのターミナルは運航会社別の小さな建物が寄り集まったもので、統合されたターミナルではないようだった。
復路の乗船券を先に買っておこうと思い、見渡してみたらホームページには掲載されてない便がある会社を見つけたので窓口に行ってみた。
当地の航路はダイヤも運賃もよく変わるので、ホームページはもちろんのこと現地でも確認した方がよさそうだ。
16時30分発の便を買うことができ、こちらはファーストクラスの設定があったのだが、しかも往路の約半額というよくわからない設定だった。
とりあえずファーストクラスにしておいて乗船券を購入すると、チェックインのスタンプが押され指定券も手書きながら一緒に留められていた。
こちらではターミナル利用料込みの運賃で675ペソ。
復路を確保したので街に繰り出す。
昔の日本の港町のようで、かなりの活気を感じる。
ターミナルを出たところにあるのはバスターミナル。
近距離のジープニーからバンと呼ばれるミニバンを使用した中距離バスまで、ここから発着している。
レイテ最大の都市であるタクロバンへは、ここからバンに乗れば2時間くらいで到着できる。
旅行者に限らず、留学生も意外と旅行ガイドブックは持ってきているケースが多い。
記者もレイテのことはよく知らなかったのだが、今や全世界の地域や国がそろった歩き方の旅行ガイドブックはもはや必修アイテムとなっている感がある。
しかし、概して厚くて重いため持ち運びには不便だ。そういう時には電子書籍でダウンロードしておくとスマホで見ることができるので便利だ。
おそらくどの電子書籍でも同じようにできるのかもしれないが、記者が利用した「honto」という電子書籍サービスは、電子に限って分冊販売のサービスがあり、紙の書籍はフィリピン全土版しかないが電子は地方別で安く買うことができる。使わない手はないだろう。
喉が渇いたのでファストフードでもと考えたのだが、付近にはジョリビーとマクドナルドしかなくものすごい混雑で5分や10分並んで帰るような状況ではなかったので、その辺で多く売られているパイナップルを買うことにした。
こちらも東南アジアではポピュラーな小ぶりなもので、果汁が多く甘い。舌が痛くなることもなく芯までやわらかい。
1つ30ペソで、4つに縦カットしてくれるので手でつかんで食べやすい。
ところで、記者がレイテに何をしに来たのかというと、フィリピンにいるのだから戦没者に慰霊の念を表そうと考えのである。
レイテ島には多くの日本兵の慰霊碑や砲台、当時の建造物がある。
しかし、日帰りでそれらを回る時間がないため、港からできることをやることにした。
モニュメントもあるにはあったのだが、これはゲリラ戦の記念碑だった。
レイテ沖海戦やレイテ島の戦いで日本兵はほぼ全滅、日米の攻防で多くの米軍兵やフィリピンの民間人も犠牲になった。
記者はスマホで動画サイトを開き、日本国歌とフィリピン国歌、そして米国国歌を流しながら海と陸の両方に向かって敬礼をして慰霊の意を表した。
民間人である記者が敬礼をするのは本来はおかしいことではあるが、答礼を受ける暇もなく沈んでいった両国海軍の軍人や、峠や丘の攻防で銃弾に散っていった両国陸軍の軍人へ国歌を流しながら敬礼をするのがもっともよい方法ではないかと記者なりに考えた結果である。
そんなことをしているうちに、あっという間に2時間が過ぎてしまい帰りの船に乗らなくてはならなくなった。
ターミナルの入り口で乗船名簿に氏名、性別、年齢、国籍を書き込んで署名すると、中に入れてもらえる。
往路とは若干異なるタイプの小型の船だった。
ファーストクラスという名称ではあったが、往路の船よりはグレードは確実に落ちるものだった。しかし運賃も安いので不満はない。
オルモックの港を出るときに、もう一度船内から黙とうして戦没者のために祈った。
何もできなかったが、とにかくレイテの地を踏んで祈ることができたことは個人的には満足だった。
22ノット(およそ時速40キロメートル)の速力をもってセブへ向かう途中で日没を迎えた。
帰りの船内には売店があり、スナック菓子やカップラーメンが売られていたが記者はハチミツのようなジャムのようなものを塗った食パンと、まんじゅうを購入した。110ペソだった。
写真は船尾から見たエコノミークラスのノンエアコンオープンデッキだ。
船尾デッキへはキャパシティは小さいものの出ることができる。ロープが張ってあるだけなので転落しないように注意したい。
約3時間でセブ港へ到着。
セブは港湾都市でもあるため、夜景は幻想的だ。
往路と復路で選択した運航会社が異なったために、到着したのはピアー3だった。なぜピアー3なのにターミナル2なのかはよくわからない。
ちなみに、乗り換えや他の目的で別のピアーに行きたい場合は、ポートシャトルバスが岸壁に来るのでこれに乗れば別の桟橋に無料で移動できる。
こうして記者のレイテ島日帰りプチトリップは終了した。
自然や美しい海を満喫する旅もいいが、社会見学的なちょっとお堅い目的を持った旅もチャンスがあれば参考にして、計画してみていただきたい。
※参考記事
【セブに分割留学!】1学期-1 ジャコウネコのフンコーヒーは美味いぞ!
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【セブに分割留学!】1学期-2 試験の結果は予想通りのズタボロ…記者の英語力動画を公開!
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【セブに分割留学!】3学期-1 セブの車窓から…ジープニーでコロンに行ってみた!
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※写真・動画はすべて記者撮影・収録
取材協力:フィリピン政府観光省