「デスノート」、塾講師の感想文
みなさんは、殺したいほど憎い相手がいるだろうか?
でも、実行に移さないでしょう。なぜか。たぶん、日本の警察は優秀だから、殺人の場合に逮捕される確率は95%を越えているからではないだろうか。
では、絶対に逮捕されない方法があったら・・・。
デスノートが存在すれば、絶対にバレない。どうですか?実行しますか。
そんな問いを投げかけてくる面白い映画。
個人的な恨みでも殺したいほど憎いのに、その殺人に正義を感じてしまったら止まらないかもしれない。最近、暴言王と呼ばれるアメリカのトランプさんや、フィリピンのドゥテルテさんが有名だ。
トランプさんは、不法移民は犯罪者の温床だと主張し、ドゥテルテさんは、実際に麻薬の密売人を処刑しまくっているそうだ。そして、両者とも熱烈な支持者がいる。左翼の人権派弁護士のように被害者を無視して、加害者の擁護ばかりする風潮に、みんな我慢の限界にきている感じだ。
「そんな甘いことを言っているから、犠牲者が絶えないじゃないか!」
「あいつらがいなくなれば、社会はもっと良くなる」
そんな正義を感じた人が、デスノートを手にしたら・・・
先日、80歳を越えた人が運転を誤って小学生の子がひき殺された。私の塾生だけでなく、ネットでも
「もうすぐ死ぬ高齢者と、これから人生が始まる小学生とどっちが大事なんだ」
「高齢者から運転免許をとりあげるなんて、ヒドイ」
と主張する“優しい”人がいる限り、この種の事故はとまらない。暴力的な抗議が始まる前に、自動運転などの技術が間に合うのだろうか。
キラを信奉する人は、現実にもけっこういるはずだ。ヨーロッパでも、移民が多すぎて排除の動きが出ている。「かわいそうな難民」と言っても、その中にテロリストが混じり、隣に知らない外国人がどんどん増えてきたら不安になるだろう。
本音を抑圧すると、陰でデスノートや仕掛け人などがうごめき始める。
映画としては、イマイチ。やっぱり、藤原達也と松山ケンイチの方がよかった。