ネットでは「めっちゃ攻めてる」「欺瞞を放送中にぶち壊すのはスゴイ」の声
毎年恒例となっている日本テレビ系列の『24時間テレビ 「愛は地球を救う」』。毎年、「感動を呼ぶ障害者の奮闘物語」を描いているが、番組のマンネリ化が進んでいる上、今年は出演者が逮捕される不祥事などが起き、ネット上では批判が次々に巻き起こっている状態だ。
そんな中、なんとNHK・Eテレが24時間テレビを真っ向から意識したと見られる『バリバラ~障害者情報バラエティー~』をオンエア。これがネットで大きな話題になっている。
『バリバラ』は『24時間テレビ』の放映中に、裏番組で障害者自身がパーソナリティを務め、「障害者を描くのに感動は必須か?」「チャリティー以外の番組に障害者が出演する方法は?」などと、24時間テレビが描いていた「障害者感動物語」路線に強く疑問を投げかけた。ネットでは「めっちゃ攻めてる」「印象操作をぶち壊すのはスゴイ」「日テレはやられたと思ったろう」と賞賛の声が多数上がっている。
番組セット中央には「24」のロゴ、壁面には「笑いは地球を救う」。「感動ドラマ」のパロディドラマで「報じない自由」の裏側を暴露
「バリバラ」の番組セットの中央には地球マークに「24」と書かれたロゴ。もちろん日テレの『24時間テレビ』のロゴをパロディにしたものだろう。そして壁面には「笑いは地球を救う」と大書されている。
そして、番組では「障害者の番組では『感動ポルノ』がまかり通ってきた」とこの手の障害者番組の偽善性を批判し、
日テレ『24時間テレビ』にも出演した3つの難病を患う大橋グレースさんを主演にした「感動ドラマ」のパロディを放映した。
そこでは、明るいテンションで話す障害者の話を、テレビ局側が誘導したり、話の内容を切り取ったりして、いかに「報じない自由」を駆使し、事実を曲げて「感動ドラマ」を作り上げているかを暴露したのだ。
「感動ドラマ」のパロディでは、スタッフが障害者に「相当ショックだったでしょうね…」と深刻に問いかけると、障害者側は「いや、その病院に、めっちゃイケメンの先生がいて、めっちゃテンション上がりまくりだったー」と明るく答えると「その話いらないっす」と否定し、テロップで「放送しない部分」とわざわざ「報じない自由」が存在することを伝えた。そして、「時間が解決したっていうか」と答えた障害者にかぶせて「いやいや、そんなベタな話はないでしょう」「そこはもっと大変そうな感じで」とむりやり感動物語に誘導している有様を伝えた。
この他にも、番組では健常者・障害者それぞれ100名に「障害者の感動的な番組をどう思う?」というアンケートを実施した内容を報じ、健常者では「好き・嫌い」が競り合ったが、障害者では「障害者の感動番組が好き」がたったの10人、90人が「嫌い」と回答していることが紹介された。
そして更に、イギリスBBC放送では「障害者を勇敢なヒーローや憐れむべき犠牲者として描くのは侮辱である」としたガイドラインを制定していることも報じられ、最後は裏番組のテーマソング「サライ」を歌うなど、終始一貫して「感動の障害者物語」の偽善性を批判する内容だった。
ネットでは称賛の声
この番組内容にネット上では、
「普段からマスコミがやっている印象操作を自分から暴露したのはスゴイ。めっちゃ攻めてる」
「24時間テレビが一番盛り上がる時間帯にこれをぶつけるのはすごいな。日テレはやられたと思っただろうな」
「イギリスBBCのガイドラインは日本の放送局でも見習って欲しい」
「24時間テレビは『頑張る障害者の子供』の話ばかりだけど、どんな子供もがんばってるよね。
バリバラはすごかったね」
「24時間テレビもきらいじゃないけど、こういう直球勝負も良いね。グッジョブ」
と称賛の声が上がっている。
なお、番組は9月2日午前0時より再放送されるとのことなので、見逃した人は是非見てみてはいかがだろうか?
(画像はバリバラ公式webページより http://www6.nhk.or.jp/baribara/)