ボクには、友達はいない(必要なのだろうか?)
よく私の塾に「ECCジュニアで中学の英語をマスターしました」という子がくる。「公文で中学レベルの数学は終わりました」という子が来ることもある。早期教育をすると、賢くなれるという誤解。
たいていは、中学校から英語を始めた子、数学を始めた子に追い抜かれていく。もちろん、そのまま伸びる子もいるから否定する気はない。
でも、長年受験指導を続けてきて思うのは「何より勉強が好き」でなければ、どうしようもない。いくら早く始めても、長くは続かない。では、どうすれば勉強が好きになるのかというと、人との出会いであることが多い。
私は、小さい頃は手塚治虫さんの「鉄腕アトム」を見て、科学技術に憧れた。その後は、誰か忘れたが英語をペラペラ話す日本人を見て驚いた。私は北勢中学校からアルファベットを習い始めた。
次にやることは、受験だろう。競争だ。徹底的に効率よく勉強しないと、受験日に間に合わない。すると、健康でなければならないから、睡眠、運動、栄養などに気をつける。
そして、毎日規則的に勉強を続けなければならない。規則正しい生活が大切だ。見たいテレビも、恋愛も、時には生徒会もクラブも犠牲にしなければならない。友達とおしゃべりしている時間も削る必要がある。
ベストの生活を計画して、強い心で実行していかなければならない。
ネット社会が普及したので、通信添削のZ会など大手もネット添削に乗り出した。つまり、
1、動画の映像授業(ネット動画)
2、問題練習(ペーパー)
3、解説(ペーパー)
4、質問受け付け(メール)
という、ワンセットを提案している。私はケチをつけるつもりはないし、優れた方法だと思う。
ただ、映像授業は、東進衛星予備校のDVD授業と何も変わらない。トライが無料で提供している動画授業と変わりない。何より、生徒は授業を学校で受けているので、塾や予備校に授業は期待していない。問題練習も、学校が課題や宿題で、生徒がこなしきれないほどやらされている。
生徒の方が一番望んでいるのは、最後の「質問」だ。私の塾でも、授業の多くは、この質問に答えることに費やされる。そこで、塾や予備校の差が出るのだ。
私は、英語検定1級に合格してから、数学の勉強を始めた。その間に、Z会を8年、京大模試は10回受けた。そして、今は独学で「物理」「化学」を勉強している。だから、ネットの動画授業も、通信添削も、予備校も、常に日常生活の中にある。常に、生徒目線で参考書や問題集や模試を見ている。
多くの予備校講師とそこが違っている。たいていの講師は、過去の栄光で食っている。過去に栄光のない講師の方が多いのが、現実だけれどね。
●親の人生の敗者復活戦
プロや五輪選手になれるのは一握り。それなのに、親たちはなぜそこまで「わが子の部活」に熱中してしまうのか。
長男が高校球児だという都内在住の40代の会社員は言う。
「小学生の間は夢を追うが、中学、高校になるとわが子の現実がわかります。ただ、“もしかしたら”と希望を抱くのが親心でしょう。自分のことでもう夢は見られない。子どもが勝てばスカッとしますしね」
わが子の部活が、親の人生の「敗者復活戦」になっているようにも映る。結果を求め感情的になった親が「部活モンペ(モンスターペアレンツ)」になるのかもしれない。
勉強で一番重要な「出会い」は、教師や講師であることも多い。いくら制度やシステムを作っても、そこで指導したり、添削したり、アドバイスをするのは「人間」なのだ。
泳げない人に、泳ぎを習う人はいないのだけれど、予備校・塾業界では「四日市高校に落ちた講師が、四日市高校受験生を指導する」ことの方が多い。英検2級の先生が、準1級の生徒を教えている。旧帝に落ちた教師が、旧帝受験生を指導している。
私は、名古屋の7つの大規模予備校、塾、専門学校で14年間講師をさせてもらった。ここに書いていることは事実です。
遊んでいるように見える、キミのライバルは、上記のような生活をしている子たちなのだ。
そういった生活は楽しい。若い頃は孤独に感じるかもしれないが、そのうち自分にはなくてはならない生活となるものだ。だって、他人に合わせて生活するとストレスが溜まって身体がもたない。
私を酒、ゴルフ、女遊び、近所づきあいに誘っても無理。私は、PTAや祭りなどの行事もつきあいきれないと思っている。もちろん、嫌われるのは分かっているが、自由には変えられない。
近所づきあいの集会は、夕方に設定される。みんなが自由時間だからというのだろう。しかし、私はその時間に働いている。宴会には、必ず酒がでるが、私はアルコールは飲まない。
だから、私には友達がいない。でも、そのお陰でマイペースで暮らせるし、勉強が進む。
これでいいのだ。他人と同じことをして、人と違う結果を期待するなんて狂気だからだ。