前代未聞! 「ボカロPV付き」参考書13万部の大ヒット 中学生の心つかんだ学研の戦略
6月27日(月)9時4分配信
「神曲」「かわいい曲がたくさんあって良かった」「最高でした!!」
念のために書いておくと、ボカロとは「ボーカロイド」、つまり合成音声のこと。初音ミクのような、ボーカル・アンドロイドから作られた言葉です。アンドロイドは人間に似せたロボット。サイボーグは、人間に機械を埋め込んで機能を高めたものです。
最近の少子化のため、大学では学問は小学生レベルのような内容でも生徒を集めるために、あの手この手で必死です。多くの大学では、知られているように「学食」やサロンを豪華にして生徒を集めています。
高校でも、制服を可愛くするしか生徒募集の方法がない高校も多くなってきました。
受験産業は、もっと酷くて、ビルやタレントを使ったCMはもちろん、暴走族講師やらマドンナ講師やら、指導と関係のないところにお金を集中して生徒募集をしています。そして、参考書まで・・・。
もちろん、人生をマジメに考える子たちは、学食や制服には釣られません。参考書も同じことです。こんな企画を立てる出版社の担当は、マジメに受験に取り組んだことがないのでしょう。
マジメに受験に取り組まない子が多いので、共感を得て売れるのは分かります。でも、しょせん邪道です。そんな方法で、難関合格した子いるのかな。私の指導している塾生の中にはいない。
今や、中学生のほとんどがスマホを持っている。学校には電子黒板があり、参考書にはボカロのCDまでついている。質問があれば、Yahoo質問箱があり、授業が効きたい場合は、Youtube の動画がある。こういう動画は、ヘタな塾の講師の授業より優れている。Amazon に、町の本屋さんが押されているように、DVDを見せるだけの予備校や塾は駆逐されつつある。
では、学校や塾はネット社会の広がりの中で消えてゆく運命にあるのだろうか。
そうはならない。なぜならば、しょせん「最期は人」だからだ。つまり、電子黒板を使っても、授業をするのは「人」だ。Yahoo で答えているのも「人」。Youtube の動画も「人」。
よく言われていることだが、Yahoo 質問箱で英文の添削を依頼している京大受験生に返信しているのは、京大を落ちた人であることもある。Youtube で授業をしている人も同じことだ。
どんなにネットが普及しても、人は変わらない。私は名古屋の7つの大規模予備校、塾、専門学校で14年間指導させてもらったが、英検1級を持った講師や、旧帝卒の講師に出合ったことがない。
ネット社会も、リアル社会と同じこと。いくら機械が進歩しても、人間の構成に変化はない。私は、ボカロの参考書も、電子黒板も、Yahoo質問箱も、Youtube 動画も否定するわけではない。
実際、私も今「物理」「化学」の勉強のために利用させてもらっている。ただし、それは、私が学校に通っていないからだ。学校に通っていたら、動画の授業は学校の授業の繰り返しだから使わないだろう。Yahoo 質問箱も同じことだ。教師や友達に尋ねていることだろう。
そして、もし現役で旧帝や英検1級を受けるのなら、本当に合格した人の指導を受ける。落ちた人や、合格していない人の指導は受けない。
私は、そのことを知っているので、塾講師として生き残るため東進衛星予備校の傘下などには入らない。DVDを見せるだけの塾では生き残れない。大規模校のような授業もしない。そんな授業は、無料の動画に取って代わられるのは時間の問題だ。
高木教育センター