第二章
「高校数学と、A子ちゃんのめざめ」
何もしなければ、お終いだから、英語講師と思われていたけれど、高校数学のクラスを作ることを考えた。定評のある問題集を調べ、ネット情報のほかに書店に並んでいる数や塾生の子たちから情報を集め
1、オリジナル(研数書院)
2、チェック&リピート(Z会出版)
3、1対1対応の演習(東京出版)
を使用することにした。エール出版の合格体験記などを見ても、よく使用されていることを確認した。これらの教材の有効性に関しても、塾講師として確認しなければならなかった。
しかし、高校数学は大学受験5日前に全身痙攣で入院騒ぎを起こしてトラウマだった。医者は、ノイローゼの一種だと言っていた。また、倒れる覚悟をしなければならなかった。
A子ちゃんは小学校の時から
「私は医者になりたい」
と言っていた。私の塾はそういう子が多い。しかし、家庭は金持ちではないので何がなんでも国立大でないといけないと覚悟していた。私の小学校時代とはえらい違いだ。
中学校では猛勉強して常に学年でトップクラスだった。そして、
「自治医大だと無医村に行けば学費が浮くとか聞いた」
とお金がなくても医者になれる情報を集めだした。私もできるだけ協力して情報を収集した。そう思わせてくれる塾生だった。
カードローンも、レイク、プロミス、UFJなど4つ。アイフルには断られるありさま。確定申告の額が低すぎた。中京銀行には
「個人塾は負け組み」
と罵られ、学書の支払いを遅らせていたら
「近いうちに伺います」
と言われ、怯えていた。
食器棚をモノマニアに売ろうとしたら
「10年以上のものはガラクタです」
と言われた。
「そうか、私はガラクタに囲まれて生きていたんだ」
中京銀行だけは、絶対に許さない。今に見ておれ!