キャラソンが先行配信中! 伝説のBL『学園ハンサム』製作者にインタビューしてみました

  by マツダ草介  Tags :  

美少年同士が愛を交える、いわゆる「Boy’s Love」通称BLというジャンルがあります。
主に女性のファンが、美少年やイケメンを頭の中でくっつける妄想をするという遊びです。

最初は既存の商業用アニメや漫画のキャラを勝手に頭の中でカップリングして楽しみ、それでも飽き足らずカップリングを同人誌にして売り出したり、オリジナルキャラを作って美少年同士でいちゃいちゃするという石原慎太郎ブチ切れ確実な腐った世界です。

もともとは日陰でこっそり楽しむようだったものだったのが、今では書店でBLコーナーができたりコミケもBL本目当ての腐女子(BL好き女子のこと)が大勢集まったりと、熱狂的に盛り上がっている人気ジャンルです。エロ本を買いたくても怖くて買えない男子中学生が近所の本屋で堂々と『プレイボーイ』を買う、みたいにアクティブになったわけです。

そんな中にあって一際異彩を放ち、異臭を放つ『学園ハンサム』という作品があります。

画を見ていただければ普通の人ならまず「これは、ヤバイ」と反射的に身構えてしまうこと間違いないでしょう。
プレイヤーは私立薔薇門高校の転入生として、この顔の一部が病気じゃないかと心配してしまうくらいに突起しているハンサムな仲間たちとデンジャラスな青春を送る、という内容。

発売当初からブログや動画サイトで物議を醸し、「本当にコレ発売するの?」「ヤバくない?」「アグネスがまた怒るわよ」なんて心配をよそに、チーム『欲求腐満』によってゲームが製作、販売されました。

そして、やばいのはハンサムの顔だけではなかったのです。ゲーム内容もギャグだらけおふざけ展開だらけ、なんでやねーんとツッコもうとすると次のギャグが出てくるというお笑いジェットコースター状態なのです。

こうして『学園ハンサム』は大人気BL作品となり(売り上げ云々はおいといて)スマホアプリ化、小説化、アニメ化とメディアミックス展開を広げることとなりました。

今回、『学園ハンサム』製作に携わった2名の方へインタビューする機会が設けられましたので、火傷する覚悟で取材敢行いたしました。

「学園ハンサム」製作のきっかけと完成するまでの道程

――まずは自己紹介をお願いします。

木足(以下、木):学園ハンサム作者の木足利根曽(きあしとねそ)です。
キンキン(以下、キ): 学園ハンサムの番外編以降の美剣咲夜役をやってます、キンキンです。

―― 最初の作品が発売されたのが20009年でしたっけ?

木: そうですね。20009年発売予定の作品を2010年に先行発売したという形です

――そもそもこの作品を作ったきっかけはなんでしょうか?

木: : 元々は大学の同級生数人で集まって、何か動画を作って遊ぼうと言い出したのがきっかけでした。はじめはOPムービーだけ作って終わる予定だったのですが、動画サイトに公開したところ、予想以上に反響をいただいたのでゲーム本編を制作する事になりました。

――OPだけ遊びで作ろうとしただけなのに、いつのまにか本編も作ることになったんですね.

木: : そうですね。「ゲーム発売楽しみにしてます!」という声を沢山いただいたのでそれに応える形で制作しました。

――たしかにOPの時点ですごい話題になったというか、とんでもないものができそうだってブログや動画で祭り状態でしたね。

「学園ハンサム」とハンサムファン

――木足さんはBLについてどのくらい詳しかったんでしょうか?

木: :腐女子の友人が数人いたので、彼女達から有名な作品について教えてもらう程度でした。今まで見た事のない面白い世界だったので、自分でもBL作品を作ってみたいと思うようになりました

――学園ハンサムはBLに興味のない人たちまで虜にしましたね。ファンは腐女子のほうが多いんでしょうか?

木: : イベントなどに来てくださるのは9割以上が女性ですね。学園ハンサムで初めてBLに触れたという方もいますが、元々腐女子という方のほうが半分以上だと思います。

――腐女子はハンサムに目がないですからね。1番人気はやはり美剣先輩ですか?

木: :そうですね。ただ美剣先輩がダントツという訳ではなくて、他のキャラにもファンが分散している感じです。

――個人的には志賀くんが好きなのですが、あの設定はどうやって生まれたんでしょうか?

木: : 他のBLや乙女ゲームのキャラを見たところ、クールな男の子が必ず1人はいたのでそれを参考にして志賀君を作りました。個人的にファンタジー作品が好きなのでその要素を入れた事でああいったキャラになりました。

「人気ナンバー1、美剣先輩のキャラソング」

――学園ハンサムシリーズは最初に同人ゲームとして発売されて、その後いろんな分野に展開しましたね。小説、スマホアプリ、アニメ、キャラソンなどなど……。

キ:そんな感じですね。

――ハンサムワールドが次々広がっていってファンも製作側もますます盛り上がってますね。キンキンさんへ訊きますが、キャラソンの「Legend of Sexy」を歌ってる時はどんな気分でした? 美剣先輩に成りきった気分で?

キ:なるべく自分に酔ってる感じにする必要があったのですが、自分に酔うの好きなので、むしろそれをやってくれと言われて嬉しかったです。

――ナルシストな先輩そのままの感情でやったんですね。

キ:そうですね、収録中は写真を撮ってるわけでもないのに、そんな表情して歌ってたかもしれません。

――歌ってる姿を腐女子ファンが生で見たらすごく盛り上がりそうですね。

キ:まだまだ美剣咲夜に近づけていないので、難しいかもしれません。でも喜んでくれる方がいるならがんばりたいです。ちなみに作詞作曲は木足さんです。

――木足さんは作詞作曲もできるんですか! 多才ですね。

木:作詞作曲は大学の頃からたまにやってました。ほとんど素人なのでキャラソンではプロの編曲家の方にかなり助けられました。

キ:イラスト、映像、シナリオ、作詞作曲ができるってかなり多才ですよね。

「ハンサムとアゴ」

 
――重大なことを訊き忘れていましたが、ハンサムの皆さんはなぜあんなアゴなんでしょうか? 採れたての大根を連想させます。

木:80~90年代のBL作品が特に好きで、それを参考にしつつ、さらに自分なりにかっこ良くアレンジした結果こうなりました。

――昔からBLの人気キャラのアゴが尖ってることへのリスペクトですか?

木:そうですね、最近の女性向け作品ではそういった昔ながらのデザインの男性キャラが減っているので、それをもう一度復権させたいという気持ちも込めています。

キ:そうだったんですね……。

「ハンサムMAD」とアニメ化

――学園ハンサムが大人気になってファンによるMAD動画も多く作られましたね。台湾人が作ったものもあるくらいですが、それについてはどう思いますか?

木:あまり詳しくないので何とも言えませんが、ファンの方が楽しめているなら嬉しい事だと思います。

――MAD動画からハンサムを知ってファンになる人もいるので、良いことだと思います。

木:確かにそうですね。

――次にアニメのことについて訊かせていただきます。アニメ製作をしようと思い立ったのも木足さんですか?

キ:リバプールさんという会社から東北ペネットへアニメ制作の打診があったのが最初になります。もともと、木足さん映像が専門なので、いつかはアニメをと考えていたのですが、具体的に制作を開始できたきっかけとしてはリバプールさんの存在が大きかったと思います。

――アニメ版『ハンサム』はインパクト強かったです 最後のハンサム体操がすごかったです。

広がるハンサムワールド~~今後の展開

――今後の商業展開はどうしていくんでしょうか? 続編の予定はありますか?

キ:今はキャラソンに注力していますので、しばらくは音楽活動になるかもしれません。その後はアニメ系かゲームだと思います。

――キャラを一新して新しい学園ハンサムが製作されたら絶対購入します!

木:ありがとうございます。そういった声もよく頂くので検討はしていますが、まだ具体的には何も決まっていないですね……。

――首とアゴを長くして待っています……。これからも『学園ハンサム』が人気コンテンツとして長く続いていくよう期待しています。

木:ありがとうございます!これからも皆さんに楽しんでもらえるよう頑張ります。

キ:ありがとうございます!ファンの方の高レベルな期待に応えられるよう、木足さんと一緒に努力したいと思います。

――最後に、告知があればお願いします。

キ:『学園ハンサム キャラクターソング Vol.1 美剣咲夜 Legend of Sexy』2月4日に発売で『iTunes』などで先行配信済みです。売れないとVol1で終わってしまうのでよろしくお願いします!

木:キャラソンではジャケットデザインやMVなども担当しているのでそこでも学園ハンサムの世界を楽しんでいただけると嬉しいです。

――これからも楽しい作品をお願いします。インタビューありがとうございました。

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美剣先輩役、キンキンさんピンナップ

美剣先輩にそっくりな雰囲気!

JOJO立ち!?

You are The Sexy !!!

糖尿病など厄介な病気を抱える新米WEBライター。静岡在住。 本業の労働のかたわら、ネットのあちこちに文章を書き散らす日々。 サブカルチャー、オタクカルチャー界隈のゲームや同人音楽を研究中。 「つまらない時代に面白い人が面白いことをやっているので取材して記事にする」がモットー。

Twitter: soosuke_m