酒蔵直営……至高の旨辛酒にむせび泣け!大阪・なんばウォーク「初霞(はつかすみ)」

なんばウォークは千日前筋ぞいに難波駅と日本橋駅を結ぶ約700mの地下街。

通勤、買い物などに利用する人で終日たいへんな賑わいを見せているが、酒場ファンにとっては大阪ミナミ屈指の飲みスポットとしても知られる。

数々の個性的な店が軒を並べているが、今回ご紹介するの日本酒通から絶大な支持を集める『初霞(はつかすみ)』。

奈良の大宇陀で300年以上の長きにわたって酒を醸し続ける久保本家酒造の直営店だ。

のれんをくぐれば風格あるコの字のカウンター。

メニュー表には多彩なドリンクが書かれているので迷うと思うが、まず一杯目は『初霞 純米大吟醸』か『生酛(きもと)のどぶ』をオススメする。

筆者は初めてここの純米大吟醸を飲んだ時いたく感動したものだ。

純米大吟醸は精米に精米を重ねた日本酒の究極形態。

旨いことは旨いのだが、各メーカー得てしてまろやかで澄んだ優しい……同じような味わいになりがちでもある。

しかし、初霞 純米大吟醸は違った。

奇をてらっているわけではない。

日本酒としては極めて正統派に感じるのだが他にはない……一切の虚飾を切り捨てた凛とした風格ある辛口。

「静かなること林のごとし」などと聞いたような文句が浮かんでくるような泰然とした味わいなのだ。

日本酒好きにも、飲み慣れない人にも自信をもって推薦したい至高の酒だ。

生酛のどぶのほうも昔ならではの手のかかる手法をつらぬいた逸品で、濁っているのだか甘みは無く上品な旨辛口。

単体でも、純米大吟醸との対比を楽しむのにもいいだろう。

先に挙げた銘柄以外にも、久保本家酒造が醸すお酒は基本的に旨辛口で丁寧なつくり。

なんにでも合うが、特に鯖のきずしや新さんまの造りなど背の青い魚との相性はバツグン。

他にも初霞では目の前で調理される焼鳥、おでんなど数々の名物があり、単体のクオリティーも酒との相性もハズレなし。

関西の方はもちろん、仕事や観光で大阪を訪れる方にもぜひぜひ行っていただきたい超名店だ。

初かすみ (初霞 はつがすみ)
住所 大阪市中央区千日前1 なんばウォーク
営業時間 平日 9:00~22:00 ※土・日8:00~22:00
定休日 奇数月の第3水曜日(なんばウォーク定休日)、元日

中将タカノリ

■シンガーソングライター、音楽・芸能評論家 ■奈良県奈良市出身 ■1984年3月8日生まれ ■関西学院大学文学部日本文学科中退 2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。 歌謡曲をフィーチャーした音楽性が注目され数々の楽曲提供、音楽プロデュースを手がける。代表曲に「雨にうたれて」、「女ごころ」(小林真に提供)など。 2012年からは音楽評論家としても活動。さまざまなメディアを通じて音楽、芸能について紹介、解説している。

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