特に珍しいところでもないし、すでに有名なのかもしれないが、記者自身はずっと気になっていたので取材の帰りに寄ってみた。
『どん兵衛屋』渋谷駅ナカ店である。
場所はJR渋谷駅1番線ホーム。山手線外回りのホームだ。
ここでは、おなじみ『どん兵衛』のカップ麺がその場で食べられる唯一の駅そば店だ。
外観は何ら立ち食いの駅そばと変わりはない。実際は座り食いではあるが。
2014年にリニューアルしたということで、見た目はスマートだ。
そば屋には天ぷらや卵や肉が乗ったディスプレイがあるものだが、ここにはそんなものはない。
あるのはどん兵衛のパッケージ写真だけ。
どん兵衛は西日本と東日本ではものが違うのはもはや有名な話、
概ね滋賀県から三重県、岐阜県あたりで入れ替わるようだが、ちょうど境の地域では両方区分して売られているらしい。
それらを含めた現行販売品がここで食べることができる。
「渋谷駅ナカ店で楽しめる……」となっているが、実はこの1店舗だけで、ここでしか楽しめない。
ご丁寧にも食券制であるが、一律220円なのでどれを選んでも同じ値段だ。
そもそもカップ麺なのでトッピングとかそういう類のものはない。
あるとすれば、セットライス110円だけ。
お土産用というメニューもあるが、要はカップ麺を買うということに他ならない。違うのは東京で売ってないものが買えるということだ。
食券を出せば、そこにはうず高く積まれたどん兵衛の山と、やかんと炊飯器だけ。
店員さんが「お作りしま~す」といって、外装フィルムをバリバリとはぎ、粉末スープを入れてお湯を入れて、ふたを閉じて、トレーに乗せて「はいどうぞ」。
記者はセットライスも注文したので、お新香も付いた。
5分待たなければならないので、砂時計がつく。
5分間テーブルに座ってボケーっとしているのもアレなので、テーブルを見渡せばそこには「お品書き」。
お品書き風のどん兵衛カタログといったところか。
記者は九州出身なので、西日本版のどん兵衛きつねうどんとセットライスを注文。これで330円。とても懐かしい気分に浸れて満足だった。
普段食べているどん兵衛とは違う地方のどん兵衛を食べ比べるのも良し、故郷の味を懐かしむのも良し、買って帰って家で食べるのも良し、それぞれのスタイルでうどんをすすってみてはいかがだろうか。
営業時間は午前7時から、平日は21時まで、土休は20時まで。(ラストオーダーは30分前)
※写真はすべて記者撮影