スマートフォンの出荷台数が、中国で、最初に減少するという。 2015年8月20日
Gartnerによると、2015年2Qに、世界のスマートフォンの出荷台数が、2013年以来、最も低い成長率を記録したという。
2015年2Qにおける、エンドユーザに対する、世界のスマートフォンの出荷台数は、前年同期から、13.5%増加し、3億3000万台になるという。
Gartnerによると、低コストの3Gや4Gのスマートフォンに対する需要は、新興市場における成長を促し、新興地域のスマートフォン市場は、2015年2Qに、さらに複雑な地域として残ったという。
中国において、好調なスマートフォン市場と、中国のスマートフォン・ベンダに促され、アジア/パシフィック、東ヨーロッパ、中東、アフリカは、最も速く成長する地域であった。
これに対し、中国のスマートフォンの出荷台数は、前年同期から4%減少した。
中国は、アジア/パシフィック地域で、スマートフォンの出荷台数が、最も多い国であり、2015年の2Qに、この地域のスマートフォンの全出荷台数の30%を占めた。
Gartnerによると、中国のスマートフォンの出荷台数が、減少してきたことが、2015年2Qにおける、アジア/パシフィック地域のスマートフォン市場に、ネガティブに影響したという。
中国のスマートフォン市場は、初めてスマートフォンを購入する人が少なくなり、飽和しつつある。
ローエンド・スマートフォンの分野よりも、プレミアム・スマートフォンが、中国市場のユーザにも、人気がでてきており、中国における、スマートフォンの売上の増加を維持している。
2015年の2Qに、Samsungは、新しいS6モデルを出荷したにも関わらず、同社のプレミアム・スマートフォンは、Appleの大型画面(ファブレット)のiPhoneによる挑戦を受け続けている。
2015年の2Qに、Samsungは、市場シェアを4.3%失い、出荷台数が5.3%減少した。
2015年の2Qに、Huaweiは、中国における、4Gスマートフォンの出荷台数と、中国以外の国へのスマートフォンの輸出が好調で、スマートフォンの出荷台数が、前年同期から、46.3%増加し、最も高い成長率を記録した。
2015年の2Qに、iPhoneの出荷台数は、36%増加し、Appleは、スマートフォンの市場シェアを2.4%広げた。
2015年の2Qに、Appleは、新興市場と成熟市場の両方、および、特に中国において、iPhoneの買い換えが進み、中国市場における、iPhoneの出荷台数が、前年同期から、68%成長し、1190万台になった。
1) 2015年2Qにおける、世界のベンダのスマートフォンの出荷台数とシェア
(単位:1000台)
2015年2Q 2015年2Q 2014年2Q 2014年2Q
ベンダ 出荷台数 シェア 出荷台数 シェア
Samsung 72,072.5 21.9% 76,129.2 26.2%
Apple 48,085.5 14.6% 35,345.3 12.2%
Huawei 25,825.8 7.8% 17,657.7 6.1%
Lenovo 16,405.9 5.0% 19,081.2 6.6%
Xiaomi 16,064.9 4.9% 12,540.8 4.3%
その他 151,221.7 45.9% 129,630.2 44.6%
合計 329,676.4 100.0% 290,384.4 100.0%
ソース:Gartner、2015年8月
Lenovoの結果には、LenovoとMotorolaにより販売された、スマートフォンの出荷台数が含まれている。
Appleのハイエンド・セグメントにおける、2桁成長は、ライバルのSamsungのプレミアム・スマートフォンの販売に、ネガティブな影響を与え続けた。
多くのベンダは、ミッドレンジとローエンドのスマートフォンのセグメントにおいて、自分たちのポートフィリオを再編成しなければならない。
この再編成は、価格戦争の結果であり、各ベンダは、2015年後半に、在庫を一掃するために、これまでの機種のスマートフォンの値段を下げる計画である。
スマートフォンのオペレーティング・システム(OS)市場において、Android OSの世界でのシェアは、2015年の2Qに、中国のスマートフォン市場が飽和してきたことと、Appleの中国における販売が好調であったことに、影響を受けた。
2015年2Qに、Androidを搭載したスマートフォンの世界での出荷台数は、前年同期から、11%増加し、スマートフォンの全出荷台数の82.2%を占めた。
Microsoftは、スマートフォン市場において、Windows Phoneを搭載したデバイスの、需要を拡大させ、出荷台数を増やすことに苦労している。
Androidを搭載したスマートフォン市場への参入の障壁は低いので、中国のベンダの参入により引き起こされた混乱に加え、韓国やインドなど、世界各国の新たなベンダの参入を促している。
2)2015年2Qにおける、各オペレーティング・システムを搭載した、世界のスマートフォンの出荷台数とシェア
(単位:1000台)
2015年2Q 2015年2Q 2014年2Q 2014年2Q
OS 出荷台数 シェア 出荷台数 シェア
Android 271,010 82.2% 243,484 83.8%
iOS 48,086 14.6% 35,345 12.2%
Windows 8,198 2.5% 8,095 2.8%
BlackBerry 1,153 0.3% 2,044 0.7%
その他 1,229.0 0.4% 1,416.8 0.5%
合計 329,676.4 100.0% 290,384.4 100.0%
ソース:Gartner、2015年8月
2015年2Qに、世界のモバイル・デバイスのエンドユーザへの出荷台数は、4億4600万ドルに達した。
2015年2Qに、世界のモバイル・デバイスのエンドユーザへの出荷台数は、前年同期から、0.4%とフラットに成長した。
Huawei、ZTE、TCL Communication、および、Micromaxといった、新興市場に焦点を合わせた、ベンダは、これらの新興市場の高い需要から利益を上げていた。
これに対し、Sony、Samsung、および、HTCといった、グローバルなベンダは、ハイエンドのモバイル・デバイスの市場で、利益を達成することに取り組んでいた。
3)2015年2Qにおける、世界のモバイル・デバイスの出荷台数は
(単位:1000台)
2015年2Q 2015年2Q 2014年2Q 2014年2Q
ベンダ 出荷台数 シェア 出荷台数 シェア
Samsung 88,739 19.9% 97,418 21.9%
Apple 48,086 10.8% 35,345 8.0%
Microsoft 27,690 6.2% 43,814 9.9%
Huawei 26,119 5.9% 18,219 4.1%
LG 17,622 4.0% 18,310 4.1%
Lenovo 16,626 3.7% 19,266 4.3%
Xiaomi 16,065 3.6% 12,541 2.8%
TCL 15,733 3.5% 13,923 3.1%
ZTE 14,560 3.3% 12,629 2.8%
Micromax 9,884 2.2% 8,578 1.9%
その他 164,634.7 36.9% 164,148.3 37.0%
合計 445,758.8 100.0% 444,190.4 100.0%
ソース:Gartner、2015年8月
Lenovoの結果には、LenovoとMotorolaにより販売された、スマートフォンの出荷台数が含まれている。