東京ビッグサイトで開催された「第26回 国際 文具・紙製品展」を取材した。
すでに発売されているベストセラー製品や、間もなく発売予定の最新グッズから一部を紹介する。
まずは同展で展示された日本文具大賞受賞製品の一部を見てみた。
オシャレなペンのように見えるが、インクもないし芯もない。特殊な合金製でこのままで半永久的に書くことができる、インクのいらないペン。紙との摩擦で酸化することによって筆跡を残すという。
リングノートは常に書くページが最前面になり便利だが、金属のリング部分が盛り上がっているので手に当たって気になったり、カバンに入れておくと圧力でつぶれて逆に使いにくくなるということも。
コクヨが開発したソフトリングノート。リングが柔らかいのでプニプニしていて全く気にならない。細かことだが、かゆいところに手が届く心配りだ。
女子高生やOLさんが使いそうなカラフルなペン、ではない。実はこれ、付箋なのだ。
付箋がロール状になっていて、ペンのような軸に3本させるので好きな色を入れておく。ミシン目が入っているので1枚出せば付箋、2-3枚出せばメモ用紙にもなる。いずれにしても女子向けかもしれないが、おじさんも欲しい逸品。
では、企業ブースをのぞいてみよう。何か面白そうなものはないのかと目を光らせる記者をキングジム広報室の杉崎誠さんが案内してくれた。
「これは、暮らしのキロクといいます。手帳にスイーツやショッピングの記録をする女性が多いと聞きまして、12種類のフォーマットをそろえました。」
用途に応じて書き込み欄があらかじめ印刷されている付箋だと思えばよい。
「コーヒー、スイーツ、レストラン、本、ショッピング、ダイエット、映画、ベビー、スポーツ、ギフト、ハンドメイド、イベントの12種類を用意しています。こちらは8月7日発売予定です。」
お店の名刺や写真も貼り付けておくと、オリジナルのデータベースになるという寸法。
キングジムといえば有名なテプラ。だが、会社の総務部で見るような無骨な殺風景なものではなく、ジュエリーボックスのような箱。
「これは女性向けの個人ユース用に作りました。シールだけではなく、リボンにも印刷できますので、オリジナルのプレゼント用リボンが簡単にできます。従来の業務用とのカートリッジの互換性はありますが、フォントは女性向けのカワイイものですので、やはり女性用でしょうか。」
さらにちっちゃいのが出てきた。
「これは、従来品との互換性はなく専用のテープを使いますが、先ほど見ていただいた手帳にマスキングテープを貼るのが流行になっています。これは専用のマスキングテープに印刷するテプラです。」
ここまでくると、もはや事務用品屋さんとは思えない変わりようだ。
記者イチオシはこれ。デジタル耳栓。
高級ヘッドフォンや航空機用にはノイズキャンセラーという機構が備わっている。細かいことは端折って説明すると、マイク部分で首位の雑音を拾い、その雑音と逆位相の音をヘッドフォンから流すと人間の耳には、ほとんどノイズは聞こえなくなる。
この仕組み「のみ」を搭載してしまったのがデジタル耳栓だ。
値段は5000円を切る程度だが、耳栓なので音楽は聞けない。しかし、ノイズキャンセラー搭載のヘッドフォンは概ね高価なので静かな環境が欲しい人にはもってこいだ。記者も試したが、ノイズキャンセラーの精度はかなり高い反面、人の声はウソのようにちゃんと聞こえるから不思議だ。
これは説明が難しいが、電子吸着掲示板。
台座の部分に乾電池が仕込まれ、板の部分に静電気を帯電させることによりピタッとくっつく。
ピン止めが危険な幼児のいる場所や、お年寄りのいる場所には最適だろう。業務用にホワイトボード級の大きさのものもある。
なんでもデジタルにすれば良いというものではないが、「デジタルまいごひも」。
仕組みは簡単でママのスマホにアプリを入れてBluetoothでペアリング。圏外になるとアラームが鳴って迷子になる前に気が付くというもの。
ペットのリードのような「まいごひも」には見た目から賛否両論あるが、これならコードレスなので大丈夫。
使い方によっては忘れ物防止にもなる。
こちらはデジタル名刺ホルダー「ピットレック」。
スマホにも同様のアプリがあるが、これは単体で撮影、OCR認識、検索ができる。
画像は、本体の差込口に名刺を挟んで、カメラをポップアップして撮影しているところ。
こちらは卓上用のデジタル名刺ホルダー。OCR機能はないが、スキャナ内臓で写真撮影する必要はない。画像データで保存するので名刺そのものを見るような感覚で使うことができる。画像は、スキャン途中の様子。
これらの名刺管理製品は実際に使ってみないと良し悪しはわからい。8月28日発売とのことだが、卓上用はともかくピットレックの方は実際に使用してみてレビューを書いてみたいと考えている。
以前に新製品発表会の記事(拙稿 http://getnews.jp/archives/1032996 参照)で取材したシヤチハタ。
スタンプ自動販売機のOSMOにはものすごい列が。体験するのに記者がのぞいた時点では50分待ちという遊園地並みの人気ぶり。
画像は新製品発表会の際に体験で記者が作ったものだが、手書きもスタンプにできるので用途は広そうだ。
ということで、シヤチハタの他の新製品を見てみた。
広報室の丹羽真規子さんが案内してくれた。
「これは特殊なインクで、なんにでも押せるネームスタンプです。定規や筆箱、えんぴつにだって押せます。大きなネームスタンプはおむつ用です。保育園に預ける際に、おむつに記名を求められる自治体もあるとかで、おむつにも押せるスタンプが人気です。大きくなったお兄ちゃんやお姉ちゃんが、弟か妹のおむつにスタンプを押すというお手伝いもできるとかで好評です。」
なかなか微笑ましい製品ではないか。
浮世絵版画をスタンプで作ってもらおうという体験コーナー。
色の違うスタンプを順番に押していく。
なんだか、それらしいものになってきた。
左の画像がスタンプを重ね押しして作った「平成版浮世絵版画」。
こちらは所定の用紙に順番にスタンプを押していくと、漫画が出来上がるというコーナー。
漫画を強調したいわけではなく、スタンプでここまで細かい漫画の表現ができるということのようだ。
スタンプラリーなどで活用したいという。
ベストセラーから最新作までいくつかご覧いただいたが、紹介したほとんどの製品がすでに発売されているか、あるいはまもなく発売予定のものなので、実際に文具店で手に取って確かめてみてはいかがだろうか。
※写真はすべて記者撮影