3月11日の東日本を襲った大震災。
私たちが思っている以上に今も生々しい爪痕が残る東北。
今も日本・世界各地からボランティアが訪れている。
ボランティアと一言にいっても、時間や場所、その地域に住む人の生活によっても、求められるものが流動的に変わってくるので、実にさまざまな復興・支援の形が存在する。
千葉県・柏市、我孫子市で有志ボランティアメンバーが集まった『free tohoku』もその1つだ。
支援物資をはじめ、現地でのボランティア活動を続けている。
9月18日には地元の方、また他のボランティアチームと共同し、参加費無料の『石巻こどもまつり』を開催した。
当日は200人以上の来客の大盛況。
子供たちに笑顔が咲いた。
その一方で、開催者の胸に刺さる出来事があった。
「クライマックスのビンゴ大会の時には、大人用と子ども用のビンゴを同時に進行させた。
途中子どもたちの中で1〜75の数字が探せない子どもがいたので、「お父さんお母さん、お子さんのビンゴカードも見てあげて下さいね。」なんてつい言ってしまったら、私の隣に立っていた男の子が「おとうさんもおかあさんもいない。」と、わたしにしがみついて言った。
その場にいなかっただけなのか、永遠にいなくなってしまったのか未だにわからない。
その子とずっと手をつないでビンゴが終るのを見守った。
小さな小さな手に、なんでこんなに大変な思いをさせるんだ?
悔しい気持ち、悲しい気持ち、納得できない気持ち…そんな気持ちでいっぱいだった。
大人が一生懸命頑張っている姿をみて、自分たちも頑張ろうとしている子どもたちの事をずっと応援していきたい。」
(石巻こどもまつりの後記より抜粋)
私自身も宮城県へ訪れた際、ガレキと車がつきささったままの幼稚園を通りすぎて言葉を無くした。
―…どんなに怖い思いをしたのだろう。そして今は、どうしているのだろう。
あの日。関東の自宅で、津波がくるのをただテレビの前で祈ることしか出来ずに奥歯を噛んだ。
しかし、子供は現実を食べて生きているのだ。
私たち大人がうつむいてばかりはいられない。
今、彼らは新しいプロジェクトを企画し、呼びかけている。
『石巻の子供達にクリスマスケーキを届けよう!』
「子どもたちにクリスマスケーキを贈りたい。もちろん一人にケーキ丸ごとをね。
頑張って必死で生きている子どもたちに、サンタクロースからプレゼントをもらって欲しい。
そしてがんばっている石巻のママさんやパパさんたちにも
「お疲れさま。これからも一緒にがんばっていきましょうね。これからもずっと応援しています。」と、ちゃんと会ってその気持ちを伝えたい。」
石巻で人気の菓子屋『アルパジョン』さんと『かざみどり』さんの協力のもと、ケーキと焼菓子が各100個ずつ、また保護者に向けてのプレゼントもある。
サンタクロースに扮したメンバーが参加者の子供たちへ1つ1つを配るそうだ。
現段階での企画をたずねた。
「12月24日、石巻にて子どもたちにクリスマスケーキと焼き菓子、ママさんパパさんたちにquoカードをプレゼント。
クリスマスケーキ 100個=¥340,000
サンタからの焼き菓子プレゼント 100個=¥100,000
ママさんパパさんへのQuoカード 100枚=¥200,000
合計¥640,000の資金調達に全力を尽くしたいです。
もしもっと集まれば、もっともっと多くの子どもたちへ贈ることができます。
世界中の皆さんの温かいご支援をお待ちしております。
今年最後、子どもたちに良い思い出を作ってあげましょう。」
ホームページ上でも寄付の呼びかけをしている。
現在、約半分の寄付金が集まり、イベントに向けての準備も着実に進んでいるという。
まるでサンタクロースの一員になるようで、こちらもワクワクするプロジェクトだ。
来たる12月24日。
「あ!サンタが来た!」と駆けより、プレゼントを手にしてクリスマスを楽しむ子供たち。
その笑顔を心から応援したい。
『free tohoku』 URL: http://freetohoku.blogspot.com/
全写真/ free tohoku 提供