4月8日。水産庁は、ウナギの養殖事業を「許可制」にすると公表しました。
現在まで、ウナギの養殖事業は「届け出制」であり、監督官庁に申請すればすぐに事業を始めることができました。
しかしながら、許可制になることによって、今後は、新規参入業者の数がコントロールされるのは間違いないようです。
ウナギの稚魚減少 回遊魚であるために国際協調が必要になる背景も
水産庁が、ウナギ養殖事業を「許可制」に踏み切ったのは、ウナギの稚魚減少が主な理由です。
現在のウナギ養殖は、河口に遡上してくる「シラス」と呼ばれる稚魚を捕獲して肥育させる方法を採用しています。したがって、稚魚の漁獲高が減れば、養殖事業は継続できません。
このことを受けて、水産庁は乱獲の制限はもちろん、産卵に下る天然ウナギの捕獲について保護を行ったり、シラスウナギの遡上を妨げない河口の整備などといった政策を打ちだしてきました。
しかしながら、ウナギは海へ降りた後、フィリピン近くまで移動して産卵するというのが定説となりつつあります。そのため、日本だけの独自ルールではなく、ウナギを水産資源としている国の間から協調を迫られていました。
結果として、水産庁はウナギの養殖事業を許可制にしましたが、同時に台湾、韓国、中国もウナギの養殖業者の管理と総数制限を行うことで合意しています。
今回のウナギ養殖の許可制、複数か国間でのウナギ資源保護の取り組みを好意的にとらえる人も多いようです。しかしながら、うなぎ料理店などの関係者は、養殖制限がなされることによって、うなぎの仕入れ値が高騰し、経営に影響がでるのではないかという意見もあるようです。
※写真は足成 http://www.ashinari.com/2013/12/14-384271.php より