『さよならポニーテール』は、『涼宮ハルヒの憂鬱』の朝比奈みくる役などで人気の声優、後藤邑子のファーストミニアルバム、『Gigson(ギグソン)』の6曲目に収録されている「プアゾン」名義の曲で…なんてアニメファンなら思い浮かべるのではないでしょうか。
1年ほど前なら、『さよならポニーテール』で検索をすると大半は「プアゾン」の曲についての検索結果が多く出てきましたが、半年ほど前からは「謎のユニット」「3人組女性グループ?」「Myspaceを中心に活動」などのページがヒットし、現在では「いよいよメジャーデビュー」「新曲MVは実写!」「MV 監督は写真家の青山裕企さん」などの検索結果が出てきます。
そんな謎多き(?)『さよならポニーテール』(さよポニとも呼ばれる)は、3人の女の子が中心となって音楽、イラスト、MV(ミュージック・ビデオ)、コミックなどを発表しているユニット。前述の同名曲とは無関係の、才能あふれるアーティストの集まりです。
「さよならポニーテール」公式MySpace
http://www.myspace.com/sayonaraponytail
2010年8月にMySpaceで活動が始まると徐々に名前が広がり、2011年4月にはインディーズでアルバムを、そして2011年10月12日にはついにメジャーデビュー! しかしメジャーというよりもセカンドアルバムが出る、という方がファンにとっては大きな出来事かもしれません。しかも、これまでさよポニワールドを表現豊かに見せてくれていたイラストが短篇集として同時発売! その他「さよポニ」の黒幕(?)クロネコさんのインタビューが掲載された「クイック・ジャパン」の発売日も偶然同じ日とあって、「さよポニ」ファンには嬉しい散財デーとなりそうです。
アルバム発売に先立って、全曲を試聴しよう!というイベント「きくポニ!(仮)」がソーシャルTV局「2.5D」で行われました。ナタリー編集長の大山卓也さん、CINRA.NET編集長の柏井万作さん、ライター/編集者のさやわかさん、不思議系アイドルの夢眠ねむさんがゲストに迎えられ、「さよポニ」担当ディレクターさん進行のもと各曲の解説やエピソード、裏話を交えたトークも繰り広げられました。
裏話、といっても「さよポニ」はライブはもちろん、顔出しも行なっていないユニット。発表されている楽曲やイラスト、MV以外は全て裏と言っても大げさではありません。このイベントも当然 姿は見せず、イベント参加者に向けたメッセージや各曲の簡単な紹介も、音声だけのもの。トークゲストの4人は「さよポニ」とのインタビューなど、直接コンタクトしたことがある数少ない人を揃えたという、なんとも「楽しい謎」が深まるイベントでした。
さらにこのイベントでは、先着50名に手作り冊子、直筆のお礼カード、ステッカーのプレゼントも実施されました。また未発表のデモ音源の曲も流されるなど、サービス精神も旺盛。新曲「無気力スイッチ」のMVは、「schoolgirl complex」でも有名な写真家の青山裕企さんが監督を担当し、あの写真集の世界が「さよポニ」の音楽で動き出すとあって、話題性も十分です。丁寧な楽曲づくりや、世界観が広がるイラストなど、多角的に広がる魅力が「さよポニ」には詰まっている感じがします。
筆者は、一緒に音楽ユニットをしているS氏に教えてもらったのが最初だったのですが、その時の感想は「なんか懐かしくて甘酸っぱくて、切ない感じ。何故か中学時代を思い出す」でした。「空気公団」や「やくしまるえつこ」と一緒にするのは違うかもしれませんが、「荒井由実」はじめ、シティ・ポップス好きにもお薦め。もちろんジャンルはこれだけにとどまらないので、これらに興味があるひとは存分に「さよポニ」ワールドを楽しめそうです。
実はS氏に教えてもらったのも、私達がやっているユニットの新しいプロジェクトのヒントの1つになるのでは?と思ったのがはじまり。私達と方向性は違いますが、ものすごく刺激になりすぎて、なんだか大好きになってしまいました。聴いてるだけで創作意欲が湧いてきて、自分たちのユニットでもやりたい事が色々とあふれてくるほどです。とにかく悔しいくらい素晴らしい、「さよならポニーテール」のニューアルバム『魔法のメロディ』は2011年10月12日 発売です。
※写真はunit3が撮影した、『さよならポニーテール』全曲試聴イベント「きくポニ!(仮)」の参加特典プレゼント。