ピーボディ賞はアメリカのメディア(テレビ・ラジオ・ウェブサイト)の優れた作品に贈られ、放送界のピューリッツァー賞とも呼ばれ、権威あるアメリカ放送界の最高の栄誉とされる賞である。日本人も受賞したことが過去8回あり、直近の受賞作は2013年度NHK教育の「デザインあ」が受賞している。因みにこの賞は1941年に始まっているから、70年以上の歴史ある賞である。
このところアメリカのメディアを騒がせている人気キャスターのブライアン・ウィリアムズはイラクでのヘリコプターで取材中に砲撃を受けたとウソを語っていたことがバレタことで問題が発覚したのだが、一度ウソをついてしまうと世間は過去をほじくりたくなるもので、2005年に起きたハリケーン・カトリーナの取材でもウソがあったことをメディアがここぞと報道し始めた。
ハリケーン・カトリーナが起きた後、現地に向かい取材していたブライアン・ウィリアムズが宿泊していたホテルはリッツ・カールトンで、そのあたりは当時冠水していて遺体が流されていく姿を見たと語っていたのだ。しかし、メディアも一部の住民もホテル周辺で冠水の事実はなく、遺体が流れることはありえないと指摘していたと言うのだ。今回のこのイラク取材での砲撃のウソを認めたことにより、またもや過去の虚偽発言が蒸し返されたわけだ。
ただ、このハリケーン・カトリーナに関しては、ブライアン・ウィリアムズが取材したNBCの番組がピーボディ賞を受賞しているのだ。どんな気持ちで授賞式に臨み、トロフィーを受け取ったかこの鉄面皮のキャスターの心の内を覗いてみたい。事実に異なるのなら、ピーボディ賞ははく奪しても良いのではないか。
大物は大きな間違いを起こしても扱いが生易しい。半年の停職と無給の措置はとられ今現在は代理のキャスターがニュース番組を進行するが、世間を欺いた傷口は深く、ましてやニュースキャスターのウソの罪は大きい。『もう帰ってこなくていいよ』と言いたい。
こういうウソつきキャスターの年棒が12億円というから驚く。真実はいったいどこにあるのだ?
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