【無責任なつぶやき笑】寿命が延れば少子化は進む?

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ぎゅうぎゅう詰めの満員電車。右も左も、人、人、人……

すっかり慣れた毎朝の通勤風景だ。僕は今朝も人の波に飲まれ、溺れて窒息しそうになっている。目的の駅まで30分。先はまだ長い。身体はぎちぎちにホールドされ、動かせるのは首くらい。それを少し捻ってみれば、僕の身体は同じような年代の、あるいはもう少し年配の男性によって固定されていた。もちろん誰が悪いわけでもない。けれど息苦しく、暑苦しい。

一体何人くらい乗っているんだろう?

ふと疑問に思ったけれど、人で満たされた車両内はとても端まで見渡すことができない。限られた視野から覗き見れば、右も左もスーツの黒。判を押したかのように前も後も同じで、もちろん僕もスーツ姿だ。斜め前方の隙間からOLさんと思しき女性の白が一瞬覗いた気がするけれど、それも定かではない。僕の視界は黒一色で閉ざされていた。

今日もだいたい45~48歳、くらいかな?

乗客の平均年齢――の予想。自分なりに見つけた携帯電話すら使えないレベル(腕を動かせない)の満員電車内での暇つぶし方法だ。正解なんて分からない。もちろんルールもない。ただただ己の視界に見える範囲で乗客の年齢を予想し、その平均値を出すというだけの遊びだ。しかし先の僕の予想は当たらずとも遠からずなのではないか。後日調べて見れば、やはりニアリーイコールだったことが分かった。厚生労働省調べで、2013年の日本人の平均年齢が45.5歳だったのだ。となれば通勤の時間帯における車両内の平均年齢も僕の予想に近しいだろう。

それにしても驚いた。いつの間にか日本人の平均寿命が45歳を超えていたなんて!

人間五十年、下天の内をくらぶれば~。織田信長が好んで舞ったといわれる「敦盛」、これからも分かるように戦国時代、人は長く生きられて50年と考えられていた。その50年が今や、平均年齢になろうとしている。
平均寿命の方をみてみれば、こちらも厚生労働省調べ「平成25年簡易生命表」より、今では男性80.21歳、女性86.61歳だ。長寿といわれ75歳まで生きた徳川家康も驚愕だろう。平均寿命25~35歳(諸説あるので幅が広いけれど)といわれる戦国の世にあって、その2倍も生きた家康も十分に凄いけれど。

――さて、ここで視点を変えて考えてみよう。

【ここからが僕の無責任なつぶやき↓↓↓】

今は誰もが知る「少子化」の時代である。前述の内容とあわせれば「長寿・少子時代」といえるだろう。江戸時代はといえば、その逆だ。「短命・多子時代」だった。もちろん今とは総人口が違うから多子といっても単純な出生数では比較できない部分もあるが、皆さんのイメージも同じなのではないだろうか?

大雑把に分かる事実として、寿命が延びても出生数は増えないのだ。

それはなぜか? 寿命が延びることで、人生設計に余裕をもってしまい、晩婚化が進み……ということも確かにあるだろう。しかしそれだけではない、と僕は思う。僕はこう思っているのだ。

未使用な魂の量が不足しているからではないのか!?

突然何を、と思われるかもしれない。僕自身も馬鹿げた考えだと思っている(笑) けれど僕は、割と真面目にそう思っているのだ。もしも輪廻転生が実在すると仮定すれば、人間を人間たらしめる魂の総量は決まっていることになる。そうなれば寿命が延びれば少子化は進むことになるだろう。地球上を漂う魂のほとんどが既に使用され、人間として顕在化してしまっているのではないか。我々1人1人が長生きし、その魂をなかなか手放さないことで、新たな命を創世しようにも元とする魂が不足しているのではないか。だから子供が生まれないのではないか。

そう天国と呼ばれる世界では今、未曾有の魂不足の危機に見舞われているのかもしれない。きっと向こうの電車はいつも空席ばかりでガラガラなのだろう。そんなことを思いながら僕は明日も満員電車に揺られる。。。

作家を志すシステムエンジニアです。小さな文学賞を受賞し、2014年に念願の自身1作目をハードカバー出版。現在2作目の出版 および 新たな賞の獲得へ向け、システム開発の傍らで鋭意執筆中。ミステリ、ファンタジー、SF、ラノベなど、幅広く挑戦しています。好きな作家サンは伊坂幸太郎サン、坂木司サン、隆慶一郎サン、伊藤計劃サンなど、挙げればきりがありません。何よりも文章を書くことが好きで、ライターとしても執筆していきたいです。