2015年3月13日、東京タワーにワンピース史上初のテーマパーク『東京ワンピースタワー』が出現する。これまでも数々のイベントで街をジャックしてきたワンピースだが、期間を限定しないテーマパークは初の試み。新たな東京の観光名所となりそうだ。
ご存知であろう、東京タワーは1958年に完成して以来、半世紀に渡り日本一の高さから私たちを見守り続けてきた存在だ。スカイツリー開業後も、東京を象徴する名所としてその人気は根強い。オリジナルグッズや冬のイルミネーションといった企画も安定した魅力として挙げられる。スカイツリーの近未来的な造形に比して、その郷愁を誘う佇まいも幅広い年齢層に支持されている。
一方で、ワンピースは週刊少年ジャンプ掲載・尾田栄一郎作の圧倒的人気を誇る冒険漫画だ。現時点での最新刊は第76巻。これまでの累計発行部数は国内最高の3億冊を突破している。
麦わらの一味はキッズ向けアニメと少年漫画の歴史を悉く刷新してきた。
2001年、他のタイトルと同時上映された『ONE PIECE ねじまき島の冒険』が興行収入30億円を突破。これは歴代の東映アニメ史上に躍り出る大ヒットだった。この勢いを受けて2003年に単独の長編映画『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』が公開される。2002年まで東映アニメーションは『東映アニメフェア』と銘打ち、キッズ向けのアニメ映画を複数上映してきた。『東映まんがまつり』は1960年代・1970年代の子供時代をすごした大人なら誰でもおなじみの映画の祭典であった。しかし、この複数タイトルの同時上映の歴史に一旦の終止符が打たれる形となった。麦わらの一味には、それほどまでに他を圧倒する勢いがあった。
加えて同年の2003年、フジテレビ開催『お台場冒険王』のアトラクションとして東京湾に『ONE PIECE ゴーイングメリー号』が出現。実際にキャラクターの搭乗する海賊船『ゴーイングメリー号』を立体的に体験できる遊覧船として脚光を浴びた。
そして2005年、単行本累計発行部数が史上最速で1億冊を突破。これを記念して同年3月、渋谷の町全体をワンピースがジャックするイベントが行われる。街の至る所にルフィー含めた麦わらの一味の看板が出現。1億冊突破にふさわしい迫力ある立ち姿が街を飾り、単なる少年漫画、冒険漫画の枠に収まらない圧巻の光景で人々を魅了した。
麦わらの一味は漫画文化の既成の枠を塗り替える記録を築いてきた。それまでの漫画は誌面か、それを越えても映像の上で楽しむのが常識だった。実際に現在でも大半の漫画は人気が出るとアニメ化や映画化といった視覚的なメディア展開に直結される。しかし、ワンピースのメディア展開は視覚に留まらない。立体的に五感で味わえる楽しさを必ず与えてくれる。ワンピースの独自性は全身で体感できる楽しさの供給にある。
麦わらの一味のテーマパークが開園されるなら、東京タワーをおいて他になかっただろう。この絶妙なロケーションは間違いなく来訪者を楽しませてくれるはずだ。
チケットは既に全国のセブン-イレブン店舗から販売が開始されている。
興味のある人は是非前売券を手に入れよう。
東京ワンピースタワー
http://onepiecetower.tokyo/index.html 【リンク】