ニューヨークで上映された『かぐや姫の物語』の観客の反応

  by あおぞら  Tags :  

年の瀬も押し迫った12月28日(日)ニューヨークの近代美術館(通称:MoMA)の映画館で『かぐや姫の物語』は上演された。MoMAには3つの映画館があり、一番大きな映画館での上映にあたりチケットは完売、キャンセル待ちを願って長蛇の列が出来ていた。普通列には並ばない私だが、折角30分後にアメリカで上映される高畑監督作品に出会いたくて列の一員となった。

 

幸運にもツインテールのご陽気な黒人女性に「一人?」と声をかけられなぜだかチケットをもらえることになり、長蛇の列から一抜けたと階下の映画館へのエレベーターへと急ぐ。

 

会場はフルハウス、満員御礼、すし詰め状態で美術館内での映画上映は見事に大人ばかりで、どちらかと言うと高齢者が目立つほどだ。その理由は近代美術館の年間会員になると映画チケットは無料で入手できるからだ。高齢者の方々はその会員証で無料の映画を観る人たちが多い。会場には若者も多いし、見事にバランスの取れた老若男女が詰め込まれていた。

 

映画は長丁場、しかし、その時間を忘れるほどに観客は夢中になっているのがわかる。日本人の私にはありがたい日本語での上映。逆に英語字幕が多少遅れ気味で、アメリカ人観客には申し訳なくなる。スクリーンに映し出される美しいかぐや姫、そして心地よい久石譲のメロディー。映画は音楽とセットになったまさにエンターテイメントであることをニューヨークで再確認する。

 

映画が終わるとだいたいエンドロールの始まりと共に席を立ちがちなアメリカ人が、上映後席に留まり静かに拍手をする人がいて、それがさざ波のように広がり拍手は会場を包んだ。映画館に灯りがともり会場を照らし出すと上映後の満足しきった観客の顔、顔、顔。

 

『かぐや姫の物語』はアカデミー賞の長編アニメーションにノミネートされた。私はひそかにアカデミー賞を受賞するのではないかとヨンでいる。

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